2010-01-01から1年間の記事一覧

:CLAUDE SEIGNOLLE『HISTOIRES ETRANGES』(MARABOUT 1980年)(クロード・セニョール『不思議な話』)

/// この本は、10年ぐらい前にベルギーへ旅行したときブリュッセルで見つけたパサージュ風ビル(ギャラリーヴォルテール)の古本屋で買ったものです(たぶん)(古本屋の写真を掲載しておきます)。ここでMARABOUTの怪奇幻想シリーズを3冊ばかり買いました。…

:オークション・ネットでの購入と天神橋三丁目ぷち古書即売会

先日オークションに平井功「遊牧記」四冊揃いが千円スタート(だったと思う)で出ていたので、1万円ぐらいなら何とか頑張ってと思い6千円で入札しましたが、またたく間に3万5千円となり断念せざるを得ませんでした。調べてみるとネットでは60万円ぐらい…

:『現代詩手帖 現代詩年鑑2011』(思潮社)

年末にこの年鑑を読むのがこのところ毎年の行事と化しつつあります。その年の代表作が載っているのと、たくさんの人が一年を振り返りいろんな角度から論評しているので、一年間の詩作品の動向がよく分かります。 (昨年一昨年の分はこちらhttp://d.hatena.ne…

:一箱古本市、たにまち月いち古本市など

秋の古本市ラッシュも終わりその後古本の購入は徐々に鎮静化しつつあります。 前回報告した中央公会堂のコンサートに行った際、堺筋本町のT書店と、淡路町のK文庫というところで開かれていた一箱古本市を覗いてきました。 /// 渡邊一夫『宿命についてなど…

:アンサンブル・ウィーン コンサート

/// 先日、大阪市中央公会堂で行なわれた標記公演に行ってきました。 ウィーン・フィルメンバーによるアンサンブルは、7、8年前に札幌のPMF音楽祭で、ヒンクさんらの演奏するヨハン・シュトラウスを聴いて、その音の柔らかさと溢れる楽しさに驚いたことが…

:亀井俊介、沓掛良彦『名詩名訳ものがたり―異郷の調べ』(岩波書店 2005年)

明治初期、西洋詩の翻訳によって、それまで漢詩と和歌しかなかった日本の詩に新しい詩の形が導入され、そのことが口語自由詩への道を開き、またその後も海外詩に刺激を受けて詩作上新しい試みがなされるなど、翻訳詩は日本の近代詩に大きく影響を与えてきた…

:高橋輝次の古本話2冊

/// 高橋輝次 『古本が古本を呼ぶ』(青弓社 2002年) 『関西古本探検―知られざる著者・出版社との出会い』(右文書院 2006年) はじめに『関西古本探検』を読み、面白いので『古本が古本を呼ぶ』をオークションで購入して読みました。古本に関する本はさす…

:ネットでフランス書など購入

ヤフーオークションで、ピエール・ルイスの短編集(木版画挿絵付き)が落札できなかったのがきっかけになり、「日本の古本屋」の検索で以前から気になっていたいくつかのフランス書も、そのうちぼやぼやしていると、誰かが攫っていくに違いないという強迫観…

:天満敦子ヴァイオリン・リサイタル

先日、秋篠音楽堂で行なわれた標記コンサートに行ってきました。 天満敦子さんは、95年3月に、一度サントリーホールで聴いたことがあります。その時も素晴らしい音色と豊かな味わいに魅了されましたが、今回はさらに豊かな音量と熱い演奏に圧倒されました。…

:MARCEL BRION(マルセル・ブリヨン)『LA FOLIE CÉLADON(青磁荘)』(ALBIN MICHEL 1963)

久しぶりにBRIONを読みました。この本は緑一色のクロスでルリユールされていて、表にはタイトル等が一切ありませんので、扉の部分を載せておきます。どこかの図書館からのお下がり本のようです。 LA FOLIE CÉLADONは「青磁狂」と訳すべきだと思いますが、こ…

:弁天町オーク古本市他

先週末に、大阪弁天町のオーク古本市初日に行ってまいりました。久しぶりの古本市で期待も高まりましたが、それ程珍しいものは変えませんでした。新田次郎『アルプスの谷アルプスの村』(新潮文庫、昭和54年1月、200円)→最近アルプスづいているため。 古井…

:渡辺一夫著カッパ・ブックス2冊『へそ曲がりフランス文学』『うらなり先生ホーム話し』

/// 渡辺一夫『へそ曲がりフランス文学』(光文社 昭和36年) 渡辺一夫『うらなり先生ホーム話し―おヘソのつぶやき』(光文社 昭和37年) カッパブックスがこのような格調の高い本を出していたのは知りませんでした。社長の神吉晴夫と東京大学仏文科で一緒だ…

:最近行ったコンサート「トランスミュージック 作曲家西村朗を迎えて」

音楽の話題が最近途絶えていますので、ひとつ。 先日、大阪のいずみホールで行われた「サントリー芸術財団コンサート TRANSMUSIC 音楽のエッセンツィア“現代音楽の楽しみ方”作曲家西村朗を迎えて」という長いタイトルの演奏会へ行ってきました。 現代音楽の…

:レミ・ド・グールモン及川茂訳『仮面の書』(国書刊行会 1984)

/// 世紀末の53人の文学者のプロフィールを紹介した本。一人ずつ肖像画が添えられています。53人中何かしら作品を読んだことのあるのが三分の一、かろうじて名前を知っている程度が三分の一、残りの三分の一は名前も聞いたことのない人でした。同時代人から…

:久重忠夫『西欧地獄絵巡礼』(彩流社 1996)

倫理学の教授である著者が、若き留学生時代に、ヨーロッパの「最後の審判図」を見てまわった時の日誌を公開したものです。たくさん(65図)の写真も掲載されています。 なぜ地獄絵ばかり見てまわったのでしょうか、著者によれば、「自分の研究の主題に、現象…

:西尾哲夫『アラビアンナイト―ファンタジーの源流を探る』(NHK出版 2010)

いつの頃からか、「アラビアンナイト」や「千夜一夜」と書いてあるだけで、わくわくするようになってきました。そんなわけで、著者の本も、アーウィンの訳書に始まり、『図説アラビアンナイト』、岩波新書など出版される都度読んでいます。 この本は岩波新書…

:京都百万遍秋の古本まつりほか

先週土曜日、台風で悪天候が心配されるなか百万遍の古本市へ行ってきました。 幸い台風が南に逸れたため、はじめに小雨が少しぱらついた程度で、後はまったく影響なく、古本を眺めることができました。 台風予報の影響でお客さんがあまり居ず、ゆっくりと見…

:渡辺一民『フランス文壇史』(朝日選書 1976)

『フランスの誘惑』読了の勢いで、同じ著者の本を読んでみました。 この本の特徴は、著者自身も「文学作品を成立させた《場》についてのエッセー」と書いているように、いくつかの時代の局面を、社会的な背景や、文学者芸術家全体の動きのなかで捉えようとし…

:東京で古書市めぐり

先週末に東京まで遠征して古本市めぐりをしてきました。 東京古書会館の洋書市を皮切りに、五反田南部古書会館の本の散歩展、高円寺西部古書会館の好書会、池袋西口公園古本まつりの四ヶ所です。他に神保町T書店、K書店、古書Mなどにも立ち寄りました。 思い…

:Jean Lorrain『CONTES D’UN BUVEUR D’ÉTHER』

Jean Lorrain(ジャン・ロラン)『CONTES D’UN BUVEUR D’ÉTHER(エーテル中毒者の物語)』(marabout 1975) ページ数が少ない割には、字が詰まっていることもあり、時間がかかってしまいました。フランス語の本は何が書いてあったが概要をつけるようにして…

:オークションで「浪漫思潮」他

四天王寺、天神さん古本市の余韻がまだ覚めやらないままオークションにあれこれ手を出してしまいました。 14冊入札してそのうち7冊を落札しました。ちょうど5割の勝率です。 そのなかでは何と言っても下記の雑誌が珍しさでは群を抜いています。 早稲田大…

:渡邊一民『フランスの誘惑―近代日本精神史試論』(岩波書店、95年)

今橋理子さんの『異都憧憬』に続いて、日本とフランスをテーマにした本を読んでみました。 この本は、日本人がフランスへどういう思いを持っていたか、日本とフランスとの精神的な関係を明治期から戦後の60年代ぐらいまで追いかけています。今橋理子さんの本…

:四天王寺秋の大古本祭り、天神さんの古本まつり他

関西ではいよいよ秋の古本市シーズンが到来しました。 10月7日四天王寺、8日天神さんと、それぞれの初日に二日連続で出かけることとなりました。四天王寺は古本仲間3名と、天神さんは単独での参加です。それにしても、同じような時期に、そんなに離れている…

:アウトロウ伝2冊

/// 平野威馬雄『アウトロウ半歴史』(話の特集 昭和53年) 玉川信明『エコール・ド・パリの日本人野郎―日本アウトロー列傳2』(社会評論社 2005年) アウトロウというタイトルのついた本を2冊読みました。現在のこせついた世相を吹き飛ばすような豪快さに…

:大阪古書会館古本市ほか

しばらく古本購入報告が途絶えておりました。9月の前半から中旬にかけては、旅行もあり、古本活動が停滞していました。この期間では、大阪へ出たついでに大江橋のT書店で購入した下記4冊のみ。 樋口覚『三絃の誘惑―近代日本精神史覚え書』(人文書院、96年1…

:怪談本2冊 平山蘆江『蘆江怪談集』、東雅夫編『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』

/// 平山蘆江『蘆江怪談集』(ウェッジ文庫、2009年) 東雅夫編『文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子』(ちくま文庫、2008年) 夏も過ぎて季節はずれとなってしまいましたが、怪談本2冊を読みましたので、合わせて。 『蘆江怪談集』は以前から名のみ高く、探求…

:笹本駿二『ローヌ河歴史紀行―アルプスから地中海へ』(岩波新書、1980)

先日、退職記念旅行と称して、スイスの山を見てきました。ローヌ氷河を見て、ベルナーオーバーラントの美しいパノラマ風景、のどかなヴァリス地方を通過したことなどから、そう言えばこの本を以前買っていたことを思い出し読んでみました。 海外に出かけると…

:塚本邦雄『定型幻視論』(人文書院 昭和47年)

『塚本邦雄の青春』を読んだついでに、塚本邦雄自身がどのように詩歌を論評しているか、長年積ん読していた本を取り出して読んでみました。 三島由紀夫の評論に通じるパセティックな美文調です。読み進むに連れだんだん乗せられていく気がしてきました。 そ…

:楠見朋彦『塚本邦雄の青春』(ウェッジ文庫 2009年)

塚本邦雄の青春というものはなかなか想像できませんが、本当のところどうだったんだろうと興味が湧いたので購入。 塚本邦雄のあの豊富な語彙や奇想はどうやって培われたのか、戦時下なのにフランス映画やシャンソンの趣味はどうやって形成されたのか、評論に…

:大阪クラシック第50公演「Piano Spectacular-Almost Mozart」

先日、ザ・シンフォニーホールで行われた標記コンサートに、友人からチケットをいただいて、一緒に行ってまいりました。 座席は舞台を上手側から覗き込むようなRBの席、私の好きな席でした。 タイトルの「Almost Mozart」は客引きのための偽タイトルで、「…