:オークションで「浪漫思潮」他

 四天王寺、天神さん古本市の余韻がまだ覚めやらないままオークションにあれこれ手を出してしまいました。
 14冊入札してそのうち7冊を落札しました。ちょうど5割の勝率です。

 そのなかでは何と言っても下記の雑誌が珍しさでは群を抜いています。
早稲田大學歐羅巴文學研究會編『歐羅巴文學研究 浪漫思潮 發生的研究』(三省堂昭和6年2月、700円)
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 写真で見ると小さな本のように見えますが、A4に近い大きさがあります。紙質も良く味わいのある造本です。発行は三省堂ですが大阪支店(住所は阿波座)になっています。

レスコーフ神西清譯『邪恋』(養徳社、昭和24年2月、1000円)
 これは岩波文庫『眞珠の首飾り』とまったく同じもののようです。岩波文庫のほうが2年後に出版されていますが、養徳社の本のことには全く触れず、本文から後書きまで全く同じというのはどういうことでしょうか。ちなみに「邪恋」は岩波文庫では「ムツェンスクのマクベス夫人」というタイトルに変わっています。

伴野文三郎『パリ夜話』(教材社、昭和32年11月、300円)
 これは田辺貞之助の語学エッセイ2冊に入札した時、同じ出品者のものをついでに入札したら、本命が落札できずにおまけだけ落札したものです。(この本は未着)

 他は次のとおりです。
矢内原伊作譯『リルケ書簡集 巴里の手紙』(養徳社、昭和25年10月、300円)
高安国世・富士川英郎譯『リルケ書簡集 ミュゾットの手紙』(養徳社、昭和25年6月、470円)
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宇佐見斉『フランス詩道しるべ』(臨川選書、平成9年12月、210円)
亀井俊介沓掛良彦『名詩名訳ものがたり―異郷の調べ』(岩波書店、05年11月、600円)
 良い本が安く入手できました。