:オークションで日夏耿之介『咒文』、サンボーホールひょうご大古本市

 オークションも波があるようで、しばらく入札しておりませんでしたが、急に欲しい本が目に付くようになり、何点か落札しました。

 そのなかでも極めつけは、
日夏耿之介『詩集 咒文』(冬至書房、昭和40年1月、3900円)

復刻版ですが、とてもきれいな本で撫でつつ喜んでおります。
昔、神保町T書店の詩のコーナーの上のほうに置いてあり、確か1万円だったと思いますが、買おうかどうか迷った記憶があります。


 他に6点ばかり落札。
柳澤健『巴里を語る』(中央公論社昭和4年10月、1000円)→同著者による『回想の巴里』というのを以前読んで、バスに乗り遅れて顔をしかめるヴァレリーが出てきたり面白かったので。
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吉江喬松『學藝随筆 自然の煉獄』(東宛書房、昭和11年10月、1000円)→「世界大戦当時巴里よりの通信」(世界大戦というのは第一次のこと)という文章も入っている。なかなか立派な本です。
水谷まさる少女小説 悲しき運命』(書肆一杉、昭和23年11月、600円)→先日同著者の『夢と影』を落札できなかったので代わりに。「レ・ミゼラブル」ともう一篇(「少女ベルサ」とあるが作者名なし)を子どもむきにリライトしたもの。
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亀井伸治『ドイツのゴシック小説』(彩流社、09年11月、2400円)→聞いたことのないような作家や作品がたくさん出てきます。新刊で買おうかどうか迷っていたのでちょうどよかった。
富士川英郎『鴎外雑志』(小澤書店、昭和58年7月、300円)

→前回800円で入札して落札できなかったのが、今回はこの値段で。こういうこともあるものですね。
坪内祐三まぼろしの大阪』(ぴあ、04年10月、300円)


 古本市は、先週末、神戸三宮で行なわれたサンボーホールひょうご大古本市へ古本仲間と待ち合わせをして行ってきました。サンボーホールははじめてでしたが、大阪の同じような顔ぶれの出品者とまた違っていて、とても新鮮な印象がありました。

 豪華な中華午餐会を行なったため、古本代6冊1,900円、昼食代3,000円というバランスの悪さとなりました。
その6冊は
ルフレッド・ミュッセ江口清譯『フレデリックの恋』(南北書園、昭和22年11月、200円)
モウパツサン平野威馬雄訳『ポールの戀人』(善新堂出版部、昭和22年11月、500円)→この2冊は状態がよく、表紙がきれい。
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林望『幻の旅』(マガジンハウス、93年11月、300円)
中平解『言葉―風土と思考』(芳文堂、昭和18年9月、300円)→見たことがなかった本。安く入手できました。
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江国滋『英国こんなとき旅日記』(新潮社、92年10月、300円)
平井照敏『蛇笏と楸邨』(永田書房、平成13年10月、300円)