ビルスマのフランショーム

フランショーム/ショパン『19世紀チェロ作品集』(SONY SRCR9515) ビルスマ(チェロ)、オルキス(フォルテピアノ)、ラルキブッデリ&スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ アントニオ・ストラディヴァリ作の銘器による演奏 2年ほど前、梅田の中古CD店…

フランス詩の本二冊

宇佐美斉『フランス詩 道しるべ』(臨川書店 1997年) 谷口正子『フランス詩の森―神を探した詩人たち』(国書刊行会 1999年) これからボードレールに関連した本を読んでいこうと思います。まずフランスの近代詩についての概説本から読んでみようと、無作為…

ANNE RICHTER『Cauchemar dans la ville』(アン・リヒター『町なかの悪夢』)

ANNE RICHTER『Cauchemar dans la ville』(HRW 1995年) 森茂太郎の「ベルギー幻想文学私記」(「小説幻妖 弐」所収)で知った作家で、Baronianの『Panorama de la littérature fantastique(フランス幻想文学展望)』にも名前が載っていました。子ども向き…

岩﨑昇一の詩集二冊

岩﨑昇一『無みする獣』(日本図書刊行会 1997年) 岩﨑昇一『藍染の家』(ふらんす堂 2011年) 以前、『無みする獣』を買ったとき、簡単な感想を書いたら、著者の方からお礼のコメントをいただきました(2014年10月18日記事参照)。今回、イロジスム(非論…

阪神百貨店の古書ノ市ほか

年末は阪神百貨店の古書ノ市の初日に行ってきました。今年は参加店舗が少し減ったようで、レコード市の賑わいに押されていました。大勢の人混みのなか、長蛇の列に並んで、結局買ったのは、下記一冊。 アンリ・メショニック竹内信夫訳『詩学批判』(未来社、…

Maurice Magre『Nuit de haschich et d’opium』(モーリス・マーグル『ハシッシュと阿片の夜』)

Maurice Magre『Nuit de haschich et d’opium』(KAILASH 2010年) 前回のフランス書は大部の本でくたびれてしまったので、88ページの薄い本を読んでみました。初版は1929年、フラマリオンから出ていますが、この本は、再刊。インドのたぶんプリントオンデマ…

幻想美術の入門書

千足伸行監修、冨田章、新畑泰秀『すぐわかる画家別幻想美術の見かた』(東京美術 2004年) 本は手元にずっと置いておきたいという性分なので、ずっと図書館での貸し出しは利用しなくなっていましたが、最近ある用ができて他の本を借りたときに目に留まった…

土方巽の4冊

函中 土方巽『病める舞姫』(白水社 1983年) 土方巽/合田成男ほか「極端な豪奢・土方巽リーディング」(UPU 1985年) 土方巽『美貌の青空』(筑摩書房 1987年) 土方巽/筆録吉増剛造『慈悲心鳥がバサバサと骨の羽を拡げてくる』(書肆山田 1992年) 前回読…

Jacques Abeille『Les jardins statuaires』(ジャック・アベイユ『彫像の地』)

Jacques Abeille『Les jardins statuaires』(Attila 2010年) 章もなにもなく、ひたすら文章が続く573ページの長編。これまで読んだフランス語の本で最長です。要約を作りながら毎日少しずつ読みましたが、2か月半ぐらいかかり、要約は400字詰原稿用紙にす…

古希を前に、古本の買い方を考える

今年もあっという間に過ぎてしまい、いよいよ来年は古希を迎えることになりました。いつまでもだらだらと古本を買い続けるのもいかがなものかと、反省しつつも病気は治りません。せめて探求書中心に絞って、無駄なく、少々高くても買うというかたちに変えな…

吉岡実の詩集二冊

『吉岡実詩集』(思潮社 1968年) 『新選吉岡実詩集』(思潮社 1978年) 引き続いてイロジスムの詩、これも学生時分に心酔していた吉岡実です。シュルレアリスム詩と言えばいいのでしょうか、その手の難しさがあります。初期の詩について本人も北園克衛が格…

谷川雁『大地の商人』

谷川雁『大地の商人』(母音社 1954年) イロジスム(非論理性)の観点から詩を読んでいます。前回取り上げた石原吉郎と同様、若き日情熱を燃やした谷川雁の詩を再読してみました。この本は最近、と言っても今から10年ほど前に買ったものです。昔読んでいた…

二階武宏の木口木版画

先日、地元のケーブルテレビを見ていたら、私好みの木口木版画の紹介があったので、覗いてきました。これは、「学園前アートフェスタ2019」という催しの一つとして展示されていたものです。この催しは、奈良の学園前駅周辺の自治連合会と学校(帝塚山学園)…

石原吉郎の三冊

「現代詩読本 石原吉郎」(思潮社 1978年) 『石原吉郎詩集』(思潮社 1969年) 『新選石原吉郎詩集』(思潮社 1979年) 日本の現代詩の続き。イロジスムの観点から、高木敏次や貞久秀紀の先達である詩人たちを読んでいきたいと思います。まずは石原吉郎から…

ドン・ジョヴァンニとゲルンスハイムのヴァイオリン協奏曲

しばらくぶりで音楽の話題。今年の後半は、モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」とゲルンスハイムのヴァイオリン協奏曲にはまっておりました。ドン・ジョヴァンニは8月末に予定していたドイツ旅行で、ベルリンでドイッチュ・オーパーの公演を見ること…

イロジスムの詩集二冊

髙木敏次『私の男』(思潮社 2015年) 『貞久秀紀詩集』(思潮社 2015年) 定年後に、学生時分によく読んでいた日本の現代詩をまた読み始めましたが、なかなか昔のようには心に突き刺さるような詩が見当たりません。私の知らないだけで、なかには気に入る詩…

百万遍秋の古本まつりほか

先週、京都知恩寺で行われた秋の古本市初日に行ってまいりました。いつものように出町柳から百万遍の途中にある臨川書店の大安売り路上即売会に立ち寄り、下記を購入。 中込純次『文学に現れたパリ』(三笠書房、78年2月、100円) Anna de Noailles『L’Offra…

小林康夫ほか『「光」の解読』

小林康夫ほか『「光」の解読』(岩波書店 2000年) 引き続いて光についての本です。「宗教への問い」というシリーズの中の一冊。小林康夫「祈りのコロナ」、小池寿子「闇から光への上昇」、大貫隆「ロゴスの受肉とソフィアの過失」は分かりやすく、感心する…

暗さについての本二冊

乾正雄『夜は暗くてはいけないか―暗さの文化論』(朝日選書 2004年) 谷崎潤一郎『攝陽隨筆』(中央公論社 1935年)のなかの「陰翳禮讃」のみ 光の哲学について読んだ後は、現実の空間における暗さについての本です。乾正雄の『夜は暗くてはいけないか』で、…

光に関する哲学書二冊

山崎正一『幻想と悟り―主体性の哲学の破壊と再建』(朝日出版社 1977年) H・ブルーメンベルク生松敬三/熊田陽一郎訳『光の形而上学―真理のメタファーとしての光』(朝日出版社 1977年) どちらも「エピステーメー叢書」なので本の装丁は同じ(たぶん杉浦康…

四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本まつりほか

少し間を置きましたが二つの古本市の報告。最近古本市に行っても、大きな本は買うのをためらわれることが多くなりました。これはわれわれ年寄り古本仲間の共通の傾向です。四天王寺の古本市は、用事があって三日目の日曜日に馳せ参じました。三日目ともなる…

随想風哲学書二冊

庭田茂吉『ミニマ・フィロソフィア』(萌書房 2002年) 山内得立『ホモ・ヴィアトール―旅する人』(能仁書房 1958年) 哲学書らしきもののなかから、あまり哲学用語が出てこない随想風の本を選んでみました。『ミニマ・フィロソフィア』は、タイトルにフィロ…

MONIQUE WATTEAU『LA COLÈRE VÉGÉTALE』(モニク・ワトー『植物の怒り』)

MONIQUE WATTEAU『LA COLÈRE VÉGÉTALE―La révolte des Dieux Verts(緑の神の反乱)』(marabout 1973年) marabout叢書の一冊。マルセル・シュネデール『フランス幻想文学史』や「小説幻妖 ベルギー幻想派特集」の森茂太郎評論でも、取り上げられていた女流…

ベルリンの古本屋ほか

前回古本報告からずいぶん間が開いてしまいました。この間ドイツへ旅行しましたが、昨年パリでの作戦に味を占めて、ベルリンで家内らをアルカーデンという大型ショッピングセンターに残して、地下鉄を乗り継いで古本屋に一軒行ってきました。事前にネットで…

原章二『人は草である』

原章二『人は草である―「類似」と「ずれ」をめぐる考察』(彩流社 2013年) ローデンバックの『死都ブリュージュ』についての章があったので購入した本。著者はジャンケレヴィッチに学んだ哲学者です。全編、オリジナルとコピー、類似と差異に関連した文章が…

辻昌子『「ジャーナリスト作家」ジャン・ロラン論』

辻昌子『「ジャーナリスト作家」ジャン・ロラン論―世紀末的審美観の限界と「噂話の詩学」』(大阪公立大学共同出版会 2013年) 何年か前にジョルジュ・ノルマンディ、先日はオクターヴ・ユザンヌと、本国のジャン・ロランに関する本を読んだ流れで、手元にあ…

OCTAVE UZANNE『JEAN LORRAIN』(オクターヴ・ユザンヌ『ジャン・ロラン』)

OCTAVE UZANNE『JEAN LORRAIN―L’ARTISTE-L’AMI SOUVENIRS INTIMES LETTRES INÉDITES(ジャン・ロラン―芸術家でありまた友人 その思い出と手紙)』(Édouard 1913年、Facsimile Publisher 2016年) 1913年の初版のリプリント版。字がぼやけて読みにくい。フラ…

A・デュマ『王妃マルゴ』

A・デュマ榊原晃三訳『王妃マルゴ 上・下』(河出文庫 1994年) 奈良日仏協会のシネ・クラブで、シェロー監督『王妃マルゴ』を鑑賞するというので、ドイツ旅行の行き帰りの機中で原作を読んでみました。これまでデュマ作品は、フランス語で『Mille et un fan…

マイヤー=フェルスター『アルト=ハイデルベルク』

マイヤー=フェルスター丸山匠訳『アルト=ハイデルベルク』(岩波文庫 1980年) 実は1週間ほどドイツへ旅行に行っておりました。ハイデルベルクも行程に入れたので、出発前にこの本を読んでみました。学生のころ文庫本でよく見かけましたが、あれは角川文庫…

JEAN LORRAIN『LA MANDRAGORE』(ジャン・ロラン『マンドラゴラ』)

JEAN LORRAIN『LA MANDRAGORE』(LE CHAT ROUGE 2018年) フランス書を読むときは、原文を5分の1程度に要約しメモしながら読むようにしていますが、途中でパソコンが壊れたので、そのメモが全部消えてしまい、またやり直さないといけなくなりました。ただ、…