久しぶりに二つの古本市

コロナもようやく下火となり、古本市も続々と再開されました。その第一弾、昨年秋以来の開催となった四天王寺秋の大古本祭りに、初日に出かけました。真っ先に駆けつけた100円均一はものすごい人だかりの密状態。肩越しに本を見つめるのに疲れて早々に退避し…

庭園に関する本三冊

野田正彰『庭園との対話』(日本放送出版協会 1996年) 円地文子編『日本の名随筆―庭』(作品社 1983年) 高木昌史編訳『庭園の歓び―詞華による西欧庭園文化散策』(三交社 1998年) とにかく庭に関しての本。『庭園との対話』はNHK教育テレビの番組のテキス…

MICHEL DE GHELDERODE『SORTILÈGES et autres contes crépsculaires』(ミシェル・ド・ゲルドロード『魔法―薄明物語集』)

MICHEL DE GHELDERODE『SORTILÈGES et autres contes crépsculaires』(bibliothèque marabout 1962年) 大学時代に買った本。単語の意味を余白に丁寧に書き込んでいて、読もうと努力したあとが見えます。がそれもあえなく数ページで挫折しているのが可愛ら…

日本の庭に関する本二冊

宮元健次『月と日本建築―桂離宮から月を観る』(光文社新書 2003年) 栗田勇/岩宮武二(写真)『石の寺』(淡交社 1965年) 異質な本ですが、同時期に読み、また二冊とも日本の庭に関連しているので並べてみました。かたや、月を軸に日本の建築や庭を論じた…

作家の書いた「日本の庭」二冊

室生犀星『日本の庭』(朝日新聞社 1943年) 立原正秋『日本の庭』(新潮文庫 1983年) 日本の庭についての本。同じ作家で、しかも二人とも寺で育ったという境遇も同じ。しかし印象がまるで違った本になっています。生きていた時代が異なるせいもありますが…

日本の庭についての本二冊

海野弘『都市の庭、森の庭―未知なる庭園への旅』(新潮選書 1983年) 奈良本辰也『京都の庭』(河出新書 1966年) いよいよ日本の庭が中心の本です。この二冊に共通するのは、アットランダムな個々の庭の探訪が主軸になっているところです。正面を切って、庭…

ほそぼそとネットでの購入続く

相変わらずコロナで外出もままならないなか、もっぱらネットで古本を買っております。最近の特徴は、アマゾンや「日本の古本屋」での発注が増えたことでしょうか。ヤフーオークションは、安値で落札ができるかもというオークションならではの楽しみもありま…

MAURICE MAGRE『CONFESSIONS』(モーリス・マグル『告白録』)

MAURICE MAGRE『CONFESSIONS―SUR LES FEMMES, L’AMOUR, L’OPIUM, L’IDÉAL, ETC... (告白録―女性、愛、阿片、理想など)』(BIBLIOTHÈQUE-CHARPENTIER 1930) マグルの晩年(といっても64歳の生涯で53歳のとき)の回想録。25篇からなり、前半は、若き日の作…

西沢文隆『庭園論Ⅰ』

西沢文隆『西沢文隆小論集2 庭園論Ⅰ―人と庭と建築の間』(相模書房 1975年) 庭についての本の続き。西洋から日本の庭の方に移行していきます。この本は、庭と建築の関係を空間の視点から論じているのが特徴で、西洋の空間にも目を配りつつ、日本の庭につい…

何かの気配を感じさせる音楽 その⑦ 

またしばらく音楽から遠ざかっておりました。「何かの気配を感じさせる音楽」のシリーズも、ロシアに始まり、フランス、ドイツと辿ってきて、そろそろネタも尽きてきましたので、今回の拾遺篇でいちおう最後にしたいと考えています。現代の作曲家と、上記以…

『庭園の詩学』

チャールズ・W・ムーア/ウィリアム・J・ミッチェル/ウィリアム・ターンブル・ジュニア有岡孝訳『庭園の詩学』(鹿島出版会 1995年) この本には、これまで読んだ庭園の本とは違うテイストがありました。タイトルどおり、詩的な着眼点がすばらしいこと、広…

岡崎文彬の二冊

岡崎文彬『ヨーロッパの名園』(朝日新聞社 1973年) 岡崎文彬『名園のはなし』(同朋舎出版 1985年) 引き続き岡崎文彬。前回の『ヨーロッパの造園』が概説とすれば、この二冊は、著者のお気に入りの庭園を個別に紹介した本。『名園のはなし』のなかで、「…

CLAUDE SEIGNOLLE『HISTOIRES MALÉFIQUES』(クロード・セニョール『不吉な物語』)

CLAUDE SEIGNOLLE『HISTOIRES MALÉFIQUES』(marabout 1965年) 久しぶりに、クロード・セニョールを読みました。中篇、短篇取りまぜて、14篇収められています。中篇「Le rond des sorciers(呪術師たちの輪舞)」は、フランス語で既読なので今回読まず(201…

ふたつの古本市報告ほか

水曜日、下鴨神社納涼古本祭りの初日に行ってまいりました。今年は、いつもの古本仲間も集まらず、会場で古本魔人のMさんとsacomさんと少し言葉を交わしただけでした。こころなしか出店数も減っているみたいで、1時過ぎまででだいたい見終わった、というより…

岡崎文彬『ヨーロッパの造園』

岡崎文彬『ヨーロッパの造園』(鹿島出版会 1975年) いつの頃からか、塔や聖堂、墓地、桃源郷などとともに、庭園に興味が出て、少しずつ古本を買い集めてきました。岡崎文彬の本が未読のまま3冊ありますので、少しずつ読んでいきます。先日読んだ独文・美学…

鼓常良『西洋の庭園』

鼓常良『西洋の庭園』(創元社 1961年) 針ヶ谷鐘吉、岡崎文彬らと並んで、日本人が西洋庭園のことを書いたかなり初期の書物です。 あとがきで、庭園の写真を集めるのに、ヨーロッパに留学している人の手を煩わせて、わざわざ撮影に行ってもらったり、現地の…

庭についての二冊

梅津忠雄『愛の庭―キリスト教美術探究』(日本基督教団出版局 1981年) ジャック・ブノワ=メシャン河野鶴代/横山正訳『人間の庭』(思索社 1985年) 庭という言葉がタイトルにある本を適当に選んだら、かなり色合いの異なる本が二冊並んでしまいました。『…

HENRI DE RÉGNIER『L’ESCAPADE』(アンリ・ド・レニエ『束の間の逃避行』)

HENRI DE RÉGNIER『L’ESCAPADE』(MERCURE DE FRANCE 1926年) 5年ほど前、パリのブラッサンス公園の古本市で買った本。レニエの後期の長編小説です。人物造形、ストーリー展開、話を面白くするような筆運びなど、ハーレクイン・ロマンスのような大衆小説の…

ジャン・ドリュモー『地上の楽園』

ジャン・ドリュモー西澤文昭/小野潮訳『楽園の歴史① 地上の楽園』(新評論 2000年) 前回に引き続き楽園についての本。これは楽園がどう誕生し、どう考えられてきたかを文献に基づいて歴史的に展望した書物です。全体の構成もしっかりしていて、この本を一冊…

マーリオ・ヤコービ『楽園願望』

マーリオ・ヤコービ松代洋一訳『楽園願望』(紀伊國屋書店 1988年) 今回と次回は、楽園についての本を取りあげます。まず、楽園願望をユング派精神分析の立場から解説したこの本から。歴史、文学、文化人類学の知見も交えながら、人間の本性を深く掘り下げ…

フランスから古本届く

フランスに発注していた古本が、船便のはずにもかかわらず早々と届きました。価格は送料込み。 Georges-Olivier Châteaureynaud『Le Jardin dans l’île et autres nouvelles』(Librio、96年11月、1127円) NOËL DEVAULX『LA DAME DE MURCIE』(GALLIMARD、8…

雑誌「is 特集:庭園」

「is 特集:庭園」(ポーラ文化研究所 1984年) 「is」は何冊か所持しております。執筆者に私好みの人が多く、また毎回取り上げられているテーマも面白そうですが、読んでおりませんでした。よく考えてみると、昔は忙しかったせいか雑誌はパラパラ見をするぐ…

DANIEL MALLINUS『MYRTIS et autres histoires de nuit et de peur』(ダニエル・マリニュス『ミルティス―夜と恐怖の物語集』)

DANIEL MALLINUS『MYRTIS et autres histoires de nuit et de peur』(marabout 1973年) この本は昔の思い出深いパリ古本ツアーで、「L’Amour du Noir」という店を見つけて爆買いをしたうちの1冊(2012年7月16日記事参照)。 Maraboutの幻想小説叢書はライ…

「ユリイカ 特集:空中庭園」

「ユリイカ 特集:空中庭園」(青土社 1996年) 建築のテーマからの流れで、これからしばらく庭についての本を読みたいと思います。まず建築と庭の両要素を兼ね備えた空中庭園から。というのはバビロンにあったという空中庭園は幾重にも層をなした露壇に土を…

建築に関する本二冊

函 中 植田実『真夜中の家―絵本空間論』(住まいの図書館出版局 1989年) 澁澤龍彦『城―夢想と現実のモニュメント』(白水社 1981年) 異質な二冊ですが、建築関連で同時期に読んだので、一緒に取りあげました。『真夜中の家』は先日読んだ『真夜中の庭』の…

Jacques Sternberg『Le coeur froid』(ジャック・ステルンベルグ『冷酷』)

Jacques Sternberg『Le coeur froid』(CHRISTIAN BOURGOIS 10/18 1973年) ジャック・ステルンベルグは、シュネデールの『フランス幻想文学史』でもバロニアンの『フランス幻想文学展望』でも取り上げられている作家ですが、いずれにもこの作品への言及はあ…

幻想の建築に関する二冊

坂崎乙郎『幻想の建築』(鹿島出版会 1969年) 「ユリイカ 特集:幻想の建築―〈空間〉と文学」(青土社 1983年) 「幻想の建築」という題のある本を二冊読んでみました。片方は、建築に関連した幻想美術について、塔、回廊、室内、庭園、牢獄、宮殿、大伽藍…

「詩と詩論 無限」のバックナンバー3冊ほか

「詩と詩論 無限」は、特集形式を採用し、その分野の第一人者や気鋭の論者を集めて集中的に議論するという編集スタイルで、その後の「詩と批評 ユリイカ」などにつながっているように思います。驚くのは、文学臭が濃くかなりマイナーなテーマなのに、一般企…

ウィル・ワイルズ『時間のないホテル』

ウィル・ワイルズ茂木健訳『時間のないホテル』(東京創元社 2017年) タイトルと表紙の絵に惹かれて購入した本。次元SFの一種ですが建築幻想小説のジャンルに入るものと思います。「あとがき」によると、著者は建築やデザイン畑のノンフィクション・ライタ…

Jean Lorrain『LES LÉPILLIER』(ジャン・ロラン『レピリエ一家』)

Jean Lorrain『LES LÉPILLIER』(DU LÉROT 1999年) 長編「Les Lépillier」と、4つの短編「Madame Herbaud(エルボー夫人)」、「Un coup de fusil(発砲)」、「Dans un boudoir(婦人部屋にて)」、「Installation(引っ越し)」が収められています。初版…