2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲルンスハイムのピアノ五重奏曲とチェロ協奏曲

昨年秋に、ゲルンスハイムのヴァイオリン協奏曲について書きましたが、その後昨年末に、注文していたゲルンスハイム関係のCDが三枚届きました。 『The Piano Quintets』(Oliver Triendl Pf.、Gémeaux Quartett)(cpo777 580-2) 『THE ROMANTIC CELLO CONCERTO…

Marcel Brion『Le château de la princesse Ilse』(マルセル・ブリヨン『イルズ姫の城』)

Marcel Brion『Le château de la princesse Ilse』(Albin Michel 1981年) 久しぶりに、ブリヨンを読みました。文章は前回読んだロチよりは長くなってやや難しくなりましたが、読み進むうちに慣れて、それほど難渋することもなく読めました。ネットで調べて…

フランス文人のボードレール論

ヴァレリー佐藤正彰訳「ボードレールの位置」(『ヴァレリー全集7』筑摩書房 1973年) プルースト鈴木道彦訳「ボードレールについて」(『プルースト文芸評論』筑摩書房 1977年) ジャン=ピエール・リシャール有田忠郎訳「ボードレールの深さ」(『詩と深さ…

コロナウィルス騒動で古本市続々と延期

コロナウィルス騒ぎの余波を受け、OB麻雀会が中止、見に行く予定だったシンポジウムや大相撲が無観客となって、なかなか大阪に出る機会がなくなり、あまり古本屋にも行けなくなってしまった、と嘆いていたら、今度は、サンボーホールのひょうご大古本市が3月…

ドミニック・ランセ『ボードレール』

ドミニック・ランセ鈴木啓司訳『ボードレール―詩の現代性』(白水社 1992年) 文庫クセジュの薄い本ですが、概説書だけあって全般に目を届かせていて、かつ内容はしっかりしてとても充実しておりました。まず簡単に生涯を追い、次いで文学史上でボードレール…

ビュトール『ボードレール』

M・ビュトール高畠正明訳『ボードレール』(竹内書店 1970年) アンチ・ロマン作家によるボードレール論。さすがに作家らしく、評論として、とてもユニークな構成を採用していて、ボードレールが1856年3月13日に友人アスリノーに宛てた、前の晩に見た夢につ…