2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

JEAN LORRAIN『HÉLIE―GARÇON D’HOTEL』(ジャン・ロラン『エリ―ホテルの雇人』)

JEAN LORRAIN『HÉLIE―GARÇON D’HOTEL』(PAUL OLLENDORFF 1914年?) この作品も、前回読んだ『MADAME MONPALOU(モンパルー夫人)』と同様、避暑地、温泉地の物語。最晩年の作品のようで、「Très russe(超ロシア的)」(1886年、後に「Villa Mauresque(ム…

暇にまかせて次々に購入

相変わらず、コロナが収まりそうにありません。外出することも少なくなっていますが、今月初め一回だけ、小学校時代の仲間に誘われて神戸の港湾開発地をサイクリングしました。18歳まで神戸で育ちましたが、三宮の海側に広大な別世界ができているのにびっく…

コンスタンス・クラッセンほか『アローマ―匂いの文化史』

コンスタンス・クラッセン、デイヴィッド・ハウズ、アンソニー・シノット時田正博訳『アローマ―匂いの文化史』(筑摩書房 1997年) 香りについてこれまで読んできたなかでは、好事家的な興味だけでなく、幅広い視野を持ち、人間生活との関係を歴史的社会的に…

香りについての二冊

山田憲太郎『香談―東と西』(法政大学出版局 1981年) 諸江辰男『香りの歳時記』(東洋経済新報社 1985年) 山田憲太郎は小川香料、諸江辰男は高砂香料と、ともに香料会社に勤務していた方で、山田憲太郎は22年勤務の後に大学での研究の道に進み、諸江辰男は…

JEAN LORRAIN『MADAME MONPALOU』(ジャン・ロラン『モンパルー夫人』)

JEAN LORRAIN『MADAME MONPALOU―HEURES DE VILLES D’EAUX(温泉地でのできごと)』(ALBIN MICHEL 1928年) 中編小説「MADAME MONPALOU」、ルポルタージュ風短編6篇の「QUELQUES SOURCES, QUELQUES PLAGES(温泉、海水浴場)」、連作短編6篇の「L’ÉTÉ DANS L…

村山貞也『人はなぜ匂いにこだわるか』

村山貞也『人はなぜ匂いにこだわるか―知らなかった匂いの不思議』(KKベストセラーズ 1989年) 読み始めて、前回読んだ『匂い遊びの博物誌』に比べると、緻密で科学的な書きぶりだと思いましたが、それは最初の部分だけで、あとはきわめて文学的、事例の羅列…