2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

GUSTAVE KAHN『Le Roi Fou』(ギュスターヴ・カーン『狂王』)

GUSTAVE KAHN『Le Roi Fou』(G.HAVARD FILS 1896年) パリの古本屋の均一棚で6€で買った本。ギュスターヴ・カーンを読むのは初めて。名前は世紀末文学の評論などに象徴主義詩人としてよく出てきて、以前から読みたいと思っておりました。ところが、期待に反…

久米博『夢の解釈学』

久米博『夢の解釈学』(北斗出版 1982年) 夢についての理論書を読んでいきたいと思います。今回は、宗教学や神話学がご専門の著者のようですが、どちらかというと文学の領域からアプローチした本。古代人が夢に対して考えていたことから書き起こし、夢に関…

夢日記二冊

横尾忠則『私の夢日記』(角川文庫 1988年) 島尾敏雄『記夢志』(冥草舎 1973年) 明恵の夢日記に続いて、現代の夢日記を読んでみることにしました。この2冊は、同じ夢日記でも、書き方がまるで正反対で、横尾忠則は、夢を物語として誰かに喋るように書いて…

河合隼雄『明恵 夢を生きる』

河合隼雄『明恵 夢を生きる』(講談社 2007年) 古代、中世の人びとの夢に関する本を読んできましたが、今回は、日本の中世の代表的な夢日記に関する本を読んでみました。著者はユング派精神分析の大家で、夢の専門家です。断定するのではなくじわじわと輪郭…

夢と日本古典に関する二冊

酒井紀美『夢語り・夢解きの中世』(朝日選書 2001年) 江口孝夫『夢と日本古典文学』(笠間書院 1974年) 今回も日本の古典文学、説話の中に取り上げられた夢に関連した本。『夢語り・夢解きの中世』は、著者自らも冒頭で、『古代人の夢』に感銘を受けそれ…

JEAN RICHEPIN『MIARKA―LA FILLE À L’OURSE』(ジャン・リシュパン『ミアルカ―熊に育てられた娘』)

JEAN RICHEPIN『MIARKA―LA FILLE À L’OURSE』(CHARPENTIER FASQUELLE 1948年) ひさしぶりに生田耕作旧蔵書を読みました。生田耕作旧蔵書は54冊所持していますが、読むのはこれで26冊目。350頁の長編です。読んだ印象は、同著者の短篇集『Le Coin des fous…