2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

:庄野潤三のエッセイと小説

/// 庄野潤三『文学交友録』(新潮社 1995年) 庄野潤三『夕べの雲』(講談社文芸文庫 1988年) 『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』から引き続き、庄野潤三を読んでみました。『夕べの雲』は、岡崎武志、山本善行のどちらかが絶賛していたのと、『文学交友…

:気谷誠『愛書家のベル・エポック―アンリ・ベラルディとその時代』ほか

たにまち月いち古書即売会の初日、たまたま大阪で昼酒を飲む会があったので、立ち寄りました。特筆すべきは、 気谷誠『愛書家のベル・エポック―アンリ・ベラルディとその時代』(図書出版社、93年10月、1200円) この前この人の『西洋挿絵見聞録』をオークショ…

:HUBERT HADDAD『Le Secret de l’immortalité』(ユベール・アダッド『不死の秘密』)

HUBERT HADDAD『Le Secret de l’immortalité』(MILLE ET UNE NUITS 2002年) 今年3月に読んだ雑誌「Roman:Le Fantastique」(1985年)に収められていた「Le Secret de l’immortalité」が抜群に面白かったので、同名の表題の短編集を取り寄せ読んでみました。…

:庄野潤三『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』

庄野潤三『陽気なクラウン・オフィス・ロウ』(文藝春秋 1984年) 庄野潤三は初めて読みましたが、長文で係り結びの分かりにくいかなりの悪文。英語に親しんでいる人なので、英文の構造の影響かもしれません。そういう意味では吉田健一の悪文と若干通じると…

:英国古代叙事詩二篇

/// 中村徳三郎訳『オシァン―ケルト民族の古歌』(岩波文庫 1982年) 厨川文夫譯『ベーオウルフ』(岩波文庫 1952年) 英国の心の淵源を探ろうと読んでみました。『オシァン』はこの本の解説によれば、スコットランドの高地地方に住むケルト民族に語り継がれ…

:イギリス・アイルランドで見た奇怪な図像

しばらくお休みをいただいておりましたが、この間、ダブリン、エジンバラ、ロンドン三都市を回遊しておりました。この方面は初めての旅でした。道中見た奇怪な図像をご覧いただきましょう。 全般的に印象深かったのは、やはり大英博物館の圧倒的な物量、ダブ…