2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

:四天王寺春の古本祭り

昨日は、標記の催しに行ってまいりました。10時ちょうど会場に到着すると、すでにほとんどのテントのシートがはずされておりました。 古本仲間とお昼に合流、近所の店での昼食をはさんで、2時半まで。最後は駆け足になりましたが、下記を購入。『比較文學研…

:PONSON DU TERRAIL『ROCAMBOLE―TURQUOISE LA PÉCHERESSE』(Éditions Garnier 1978)(ポンソン・デュ・テライユ『ロカンボール―罪深い女テュルクワーズ』)

生田耕作先生旧蔵の一冊。 久しぶりにとても分かり易いフランス語で、ぶ厚い本(377ページ)の割りに速く読み終えました。と見栄を張っても、なに、ところどころ分からないところがあったのも事実。しかしこういう展開の華々しい読み物は少々分からないとこ…

:フィリップ・ジュリアン杉本秀太郎訳『世紀末の夢―象徴派芸術』(白水社 1982年)

フランス世紀末に関する大著です。美術を中心に文学にも目配りし、時代区分も世紀末を中心にロマン派以降シュルレアリスムまでも視野に入れ、またイギリス、ドイツ、ロシアなどの動きも並行して著述したスケールの大きな作品となっています。 「本書は十九世…

:松村武雄『朗かな斜視』ほか

このところ低調が続いておりましたが、久しぶりにオークションで1冊落札できました。 松村武雄『朗かな斜視』(明星書院、昭和6年2月、450円) 同じ著者の『疎鐘』も所持していますが、あまり見ない本です。 「序」で、専門と「方面違ひのことに踏み込んでゐ…

:定年後の海外生活を綴った本4冊

藤沢たかし『63歳からのパリ大学留学』(新潮文庫 1994年) 水江正吾『南仏モンペリエ 午睡(シェスタ)の夢』(河出書房新社 1994年) 角幡春雄『ぽるとがる游記』(新潮選書 1995年) 上林三郎『定年欧州自転車旅行』(連合出版 2007年)『定年欧州自転…

:川本皓嗣『日本詩歌の伝統―七と五の詩学』(岩波書店 1991年)

すべての論文が素晴らしく感じられました。とても読みやすく分かりやすい。あとがきで「言いたいことの要点は、ほぼ本書の三章に尽きる」と言い放っているように、この本を読めば日本の短詩型の特徴と全貌が分かるように思います。 川本氏はとても頭のクレバ…

:ツイン21古本フェアほか

先日、陽気に誘われて、大阪城公園の植木市を家内と見に行ったついでに、ツイン21の古本市へ行ってまいりました(というのは逆か?)。 そんなに混んでもなくてゆっくりと見回ることができました。下記7冊を購入。 野上豊一郎『翻訳論―翻訳の理論と実際』…

:辻瑆・芳賀徹編『文学の東西』(日本放送出版協会 1988年)

前々回の「最近読んだ本」で、この本に収められている芳賀徹「桃源郷の系譜」を取り上げましたが、そのついでに他の諸編も読んでみました。かなり部厚い本で、400ページ弱になります。 この本は、放送大学の比較文学講座のテキストのようで、比較文学の歴史…

:W・L・シュワルツ北原道彦訳『近代フランス文学にあらわれた日本と中国』(東京大学出版会 1971年)

このところの比較文学づいた勢いで読んでみました。 著者は、幼少時に日本で育ち、アメリカの大学を卒業後、日本にしばらく滞在して学校で英語を教えていたという経歴の持主。フランス比較文学の大家バルダンスベルジェ教授の弟子だそうで、この本もバルダン…

:Marcel Brion 『Les Ailleurs du temps』(Albin Michel 1987年)(マルセル・ブリヨン『いまではないどこか』)

標記の本の中で、以前読んだ『Contes fantastiques(幻想物語集)』に入っていない7篇の短編を読みました。 ブリヨンの最後の短編集、1937年から1984年までの作品を集めたものですが、死の年に書かれた3編は、ストーリー性も希薄でエッセイ風な文章になり、…