最近読んだ本

フランス詩の本二冊

宇佐美斉『フランス詩 道しるべ』(臨川書店 1997年) 谷口正子『フランス詩の森―神を探した詩人たち』(国書刊行会 1999年) これからボードレールに関連した本を読んでいこうと思います。まずフランスの近代詩についての概説本から読んでみようと、無作為…

岩﨑昇一の詩集二冊

岩﨑昇一『無みする獣』(日本図書刊行会 1997年) 岩﨑昇一『藍染の家』(ふらんす堂 2011年) 以前、『無みする獣』を買ったとき、簡単な感想を書いたら、著者の方からお礼のコメントをいただきました(2014年10月18日記事参照)。今回、イロジスム(非論…

幻想美術の入門書

千足伸行監修、冨田章、新畑泰秀『すぐわかる画家別幻想美術の見かた』(東京美術 2004年) 本は手元にずっと置いておきたいという性分なので、ずっと図書館での貸し出しは利用しなくなっていましたが、最近ある用ができて他の本を借りたときに目に留まった…

土方巽の4冊

函中 土方巽『病める舞姫』(白水社 1983年) 土方巽/合田成男ほか「極端な豪奢・土方巽リーディング」(UPU 1985年) 土方巽『美貌の青空』(筑摩書房 1987年) 土方巽/筆録吉増剛造『慈悲心鳥がバサバサと骨の羽を拡げてくる』(書肆山田 1992年) 前回読…

吉岡実の詩集二冊

『吉岡実詩集』(思潮社 1968年) 『新選吉岡実詩集』(思潮社 1978年) 引き続いてイロジスムの詩、これも学生時分に心酔していた吉岡実です。シュルレアリスム詩と言えばいいのでしょうか、その手の難しさがあります。初期の詩について本人も北園克衛が格…

谷川雁『大地の商人』

谷川雁『大地の商人』(母音社 1954年) イロジスム(非論理性)の観点から詩を読んでいます。前回取り上げた石原吉郎と同様、若き日情熱を燃やした谷川雁の詩を再読してみました。この本は最近、と言っても今から10年ほど前に買ったものです。昔読んでいた…

石原吉郎の三冊

「現代詩読本 石原吉郎」(思潮社 1978年) 『石原吉郎詩集』(思潮社 1969年) 『新選石原吉郎詩集』(思潮社 1979年) 日本の現代詩の続き。イロジスムの観点から、高木敏次や貞久秀紀の先達である詩人たちを読んでいきたいと思います。まずは石原吉郎から…

イロジスムの詩集二冊

髙木敏次『私の男』(思潮社 2015年) 『貞久秀紀詩集』(思潮社 2015年) 定年後に、学生時分によく読んでいた日本の現代詩をまた読み始めましたが、なかなか昔のようには心に突き刺さるような詩が見当たりません。私の知らないだけで、なかには気に入る詩…

小林康夫ほか『「光」の解読』

小林康夫ほか『「光」の解読』(岩波書店 2000年) 引き続いて光についての本です。「宗教への問い」というシリーズの中の一冊。小林康夫「祈りのコロナ」、小池寿子「闇から光への上昇」、大貫隆「ロゴスの受肉とソフィアの過失」は分かりやすく、感心する…

暗さについての本二冊

乾正雄『夜は暗くてはいけないか―暗さの文化論』(朝日選書 2004年) 谷崎潤一郎『攝陽隨筆』(中央公論社 1935年)のなかの「陰翳禮讃」のみ 光の哲学について読んだ後は、現実の空間における暗さについての本です。乾正雄の『夜は暗くてはいけないか』で、…

光に関する哲学書二冊

山崎正一『幻想と悟り―主体性の哲学の破壊と再建』(朝日出版社 1977年) H・ブルーメンベルク生松敬三/熊田陽一郎訳『光の形而上学―真理のメタファーとしての光』(朝日出版社 1977年) どちらも「エピステーメー叢書」なので本の装丁は同じ(たぶん杉浦康…

随想風哲学書二冊

庭田茂吉『ミニマ・フィロソフィア』(萌書房 2002年) 山内得立『ホモ・ヴィアトール―旅する人』(能仁書房 1958年) 哲学書らしきもののなかから、あまり哲学用語が出てこない随想風の本を選んでみました。『ミニマ・フィロソフィア』は、タイトルにフィロ…

原章二『人は草である』

原章二『人は草である―「類似」と「ずれ」をめぐる考察』(彩流社 2013年) ローデンバックの『死都ブリュージュ』についての章があったので購入した本。著者はジャンケレヴィッチに学んだ哲学者です。全編、オリジナルとコピー、類似と差異に関連した文章が…

辻昌子『「ジャーナリスト作家」ジャン・ロラン論』

辻昌子『「ジャーナリスト作家」ジャン・ロラン論―世紀末的審美観の限界と「噂話の詩学」』(大阪公立大学共同出版会 2013年) 何年か前にジョルジュ・ノルマンディ、先日はオクターヴ・ユザンヌと、本国のジャン・ロランに関する本を読んだ流れで、手元にあ…

A・デュマ『王妃マルゴ』

A・デュマ榊原晃三訳『王妃マルゴ 上・下』(河出文庫 1994年) 奈良日仏協会のシネ・クラブで、シェロー監督『王妃マルゴ』を鑑賞するというので、ドイツ旅行の行き帰りの機中で原作を読んでみました。これまでデュマ作品は、フランス語で『Mille et un fan…

マイヤー=フェルスター『アルト=ハイデルベルク』

マイヤー=フェルスター丸山匠訳『アルト=ハイデルベルク』(岩波文庫 1980年) 実は1週間ほどドイツへ旅行に行っておりました。ハイデルベルクも行程に入れたので、出発前にこの本を読んでみました。学生のころ文庫本でよく見かけましたが、あれは角川文庫…

ボルノウ『気分の本質』

O・F・ボルノウ藤縄千艸訳『気分の本質』(筑摩叢書 1973年) このところパソコンが壊れて暗い気分になっておりますが、それでこの本を取り上げたわけではなく、この本を読んだのはまだ壊れる前のことで、感覚やリズム、身体など哲学の周縁的な問題への一連…

古東哲明『瞬間を生きる哲学』

古東哲明『瞬間を生きる哲学―〈今ここ〉に佇む技法』(筑摩選書 2011年) 知らない人でしたが、同世代で、テーマも面白そうだし、文章が分かりやすかったので購入。文章のやさしさはどこかで読んだことがあるなと思っていたら、内容、書き方ともに森本哲郎に…

リズムに関する本二冊

ルートヴィヒ・クラーゲス杉浦実訳『リズムの本質』(みすず書房 1977年) 山崎正和『リズムの哲学ノート』(中央公論新社 2018年) 以前から気になっていたリズムの本を読んでみました。クラーゲスの本は、学生時代に話題になった本で、当時友人がクラーゲ…

『ギュスターヴ・モロー展』カタログ

喜多崎親ほか『ギュスターヴ・モロー展―サロメと宿命の女たち』カタログ(パナソニック汐留美術館、あべのハルカス美術館ほか 2019年) 奈良日仏協会で美術クラブ鑑賞会があったので、その準備としてカタログを読みました。昨年の『プーシキン美術館展』のと…

河本英夫『哲学の練習問題』

河本英夫『哲学の練習問題』(講談社学術文庫 2018年) 日に日に頭もぼけてきたので、考える訓練でもしようかと手に取りました。昔から、大きな視野でものを言う大言壮語的な理論が好きでしたが、この本には大胆な着想、ドラスティックな思考が溢れていて、…

原田武『共感覚の世界観』

原田武『共感覚の世界観―交流する感覚の冒険』(新曜社 2010年) 4年ほど前に、当時四天王寺にあった一色文庫の100円均一で買った本。目次を見て面白そうだと思ったとおり、興味を刺激する内容でした。何より冒頭から引用される文学作品の文章が、どれも心に…

井本英一『夢の神話学』

井本英一『夢の神話学』(法政大学出版局 1997年) これで井本英一を最後にしたいと思います。この本も読んでいて目がちらちら頭がくらくらしてきました。年のせいかとも思いますが、やはり、説明不足のまま話題が急に変わったり、例話が次から次へとめまぐ…

井本英一『習俗の始原をたずねて』

井本英一『習俗の始原をたずねて』(法政大学出版局 1992年) 井本英一の本は相変わらず重複の多い話ばかりですが、慣れてきたのか、読み物として面白い章節もありました。例えば、「あべこべの世界」などは、澁澤龍彦や種村季弘が書いてもおかしくないよう…

井本英一『境界・祭祀空間』

井本英一『境界・祭祀空間』(平河出版社 1994年) 読んでいるうちに頭がくらくらしてきました。というのは、いちおう項目別に整理されているにもかかわらず、同じ話があちこちに出てきて、迷宮に入りこんだような気になってしまうからです。そのうえに、そ…

井本英一『死と再生』

井本英一『死と再生―ユーラシアの信仰と習俗』(人文書院 1982年) しばらく井本英一が続きます。発行年の古い順から読んで行きます。この本は、雑誌の連載記事をまとめたものなので、記述に重複が多く、断片的な情報の積み重ねが目につき、ややまとまりに欠…

井本英一『輪廻の話』

井本英一『輪廻の話―オリエント民俗誌』(法政大学出版局 1991年) 井本英一の本は、『古代の日本とイラン』、『飛鳥とペルシア』に次いで読みました。この二冊は2014年12月30日の記事で取りあげていますが、その時書いているのと同じ感想を持ちました。次か…

J・キャンベル『宇宙意識』

J・キャンベル鈴木晶/入江良平訳『宇宙意識―神話的アプローチ』(人文書院 1991年) 古代の宇宙観に関連した本を引き続き読んでみました。キャンベルの本は、20年ほど前に、『神話の力』と『生きるよすがとしての神話』の二冊を読んだ記憶があります。当時の…

吉村貞司の本二冊

吉村貞司『原初の太陽神と固有暦』(六興出版 1984年) 吉村貞司『日本神話の原像』(泰流社 1980年) 古代の宇宙論への関心の延長で『原初の太陽神と固有暦』を手に取り、ついで『日本神話の原像』を読みました。吉村貞司は初めてですが、語り口の異様さに…

荒川紘『古代日本人の宇宙観』

荒川紘『古代日本人の宇宙観』(海鳴社 1981年) 引き続き荒川紘を読みました。この本のほうが古いようです。この分野の本はあまり読んだことがなかったので、初めて知ったことも多く、推理小説のようなわくわく感を感じるところもたくさんありました。古代…