最近読んだ本

河本英夫『哲学の練習問題』

河本英夫『哲学の練習問題』(講談社学術文庫 2018年) 日に日に頭もぼけてきたので、考える訓練でもしようかと手に取りました。昔から、大きな視野でものを言う大言壮語的な理論が好きでしたが、この本には大胆な着想、ドラスティックな思考が溢れていて、…

原田武『共感覚の世界観』

原田武『共感覚の世界観―交流する感覚の冒険』(新曜社 2010年) 4年ほど前に、当時四天王寺にあった一色文庫の100円均一で買った本。目次を見て面白そうだと思ったとおり、興味を刺激する内容でした。何より冒頭から引用される文学作品の文章が、どれも心に…

井本英一『夢の神話学』

井本英一『夢の神話学』(法政大学出版局 1997年) これで井本英一を最後にしたいと思います。この本も読んでいて目がちらちら頭がくらくらしてきました。年のせいかとも思いますが、やはり、説明不足のまま話題が急に変わったり、例話が次から次へとめまぐ…

井本英一『習俗の始原をたずねて』

井本英一『習俗の始原をたずねて』(法政大学出版局 1992年) 井本英一の本は相変わらず重複の多い話ばかりですが、慣れてきたのか、読み物として面白い章節もありました。例えば、「あべこべの世界」などは、澁澤龍彦や種村季弘が書いてもおかしくないよう…

井本英一『境界・祭祀空間』

井本英一『境界・祭祀空間』(平河出版社 1994年) 読んでいるうちに頭がくらくらしてきました。というのは、いちおう項目別に整理されているにもかかわらず、同じ話があちこちに出てきて、迷宮に入りこんだような気になってしまうからです。そのうえに、そ…

井本英一『死と再生』

井本英一『死と再生―ユーラシアの信仰と習俗』(人文書院 1982年) しばらく井本英一が続きます。発行年の古い順から読んで行きます。この本は、雑誌の連載記事をまとめたものなので、記述に重複が多く、断片的な情報の積み重ねが目につき、ややまとまりに欠…

井本英一『輪廻の話』

井本英一『輪廻の話―オリエント民俗誌』(法政大学出版局 1991年) 井本英一の本は、『古代の日本とイラン』、『飛鳥とペルシア』に次いで読みました。この二冊は2014年12月30日の記事で取りあげていますが、その時書いているのと同じ感想を持ちました。次か…

J・キャンベル『宇宙意識』

J・キャンベル鈴木晶/入江良平訳『宇宙意識―神話的アプローチ』(人文書院 1991年) 古代の宇宙観に関連した本を引き続き読んでみました。キャンベルの本は、20年ほど前に、『神話の力』と『生きるよすがとしての神話』の二冊を読んだ記憶があります。当時の…

吉村貞司の本二冊

吉村貞司『原初の太陽神と固有暦』(六興出版 1984年) 吉村貞司『日本神話の原像』(泰流社 1980年) 古代の宇宙論への関心の延長で『原初の太陽神と固有暦』を手に取り、ついで『日本神話の原像』を読みました。吉村貞司は初めてですが、語り口の異様さに…

荒川紘『古代日本人の宇宙観』

荒川紘『古代日本人の宇宙観』(海鳴社 1981年) 引き続き荒川紘を読みました。この本のほうが古いようです。この分野の本はあまり読んだことがなかったので、初めて知ったことも多く、推理小説のようなわくわく感を感じるところもたくさんありました。古代…

荒川紘『東と西の宇宙観 東洋篇』

荒川紘『東と西の宇宙観 東洋篇』(紀伊國屋書店 2005年) 宇宙論の続き。この本は、インド、中国の宇宙論を古代から近代にいたるまで解説していますが、宗教思想史のようなところがあり、国の興亡や社会の変遷とともに記述していて、久しぶりに東洋史を勉強…

『古代の宇宙論』

C.ブラッカー、M.ローウェ編矢島祐利/矢島文夫訳『古代の宇宙論』(海鳴社 1978年) 『天地創造神話』からのつながりで、古代の宇宙論に関する本を読みました。古代エジプトからバビロニア、ユダヤ、中国、インド、イスラム、スカンジナヴィア、ギリシアな…

吉田敦彦『天地創造神話の謎』

吉田敦彦『天地創造神話の謎』(大和書房 1985年) 引き続き、吉田敦彦を読みました。この本は『天地創造99の謎』(サンポウブックス、1976年)に加筆・増補したものということなので、前に読んだ二冊よりは古いものです。オイディプス神話の構造分析や南米…

吉田敦彦『神話の構造』

吉田敦彦『神話の構造―ミト‐レヴィストロジック』(朝日出版社 1978年) 前回読んだシンポジウムの報告と違い、学術的で、扱っているテーマも専門的な話題になり、難しくなっています。内容は、4つの論文から成り、そのいずれもが副題にあるように、レヴィ=…

吉田敦彦ほか『神話学の知と現代』

吉田敦彦+山崎賞選考委員会『神話学の知と現代―第8回哲学奨励山崎賞授賞記念シンポジウム』(河出書房新社 1984年) 山崎賞というのは、哲学者の山崎正一が大学退職金の一部を基金として、哲学の研究で優れた業績を上げつつある人の将来の研究に期待する意…

神話の本二冊

大林太良『神話の系譜―日本神話の源流をさぐる』(講談社学術文庫 1997年) 大脇由紀子『徹底比較 日本神話とギリシア神話』(明治書院 2010年) 引き続き神話に関する本を読んでいきます。前回も書きましたが、酒を飲みながら、ギリシア神話と日本神話が似…

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化』

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化―神話・歴史・風土』(平凡社 1994年) 飲んでいて、ギリシア神話と日本神話の類似について喋っていたら、また興味が湧いてきて、その関連の本を読んでみました。藤縄謙三という名前は学生時代から知っていて、たしか『ホメ…

菅谷規矩雄『詩とメタファ』

菅谷規矩雄『詩とメタファ』(思潮社 1983年) 「メタファ」という言葉につられて読んでみました。2部に分かれていて、第Ⅰ部は「現代詩手帖」に長らく連載していた時評をまとめたもの、第Ⅱ部は、詩の音数律やメタファについて書かれています。菅谷規矩雄は以…

近世民謡『山家鳥虫歌』ほか

浅野建二校注『山家鳥虫歌―近世諸国民謡集』(岩波文庫 1984年) 藤沢衛彦『図説 日本民俗学全集2 ことば・ことわざ・民謡・芸能編』(高橋書店 1971年)の「民謡編」のみ ポール・クローデルが『Dodoitsu』に訳している元の日本語の都々逸を読んでいるうち…

佐久間隆史『詩と東洋の叡知』

佐久間隆史『詩と東洋の叡知―詩は、計らいの、遥か彼方に』(土曜美術社出版販売 2012年) これまで読んできた海外ハイクについての本のなかで、「西洋では、俳句は見えないものが見えてくる瞬間をスナップショットのように捉えるものであり、禅と共通点があ…

ドイツのハイク本三冊

/// 渡辺勝『比較俳句論―日本とドイツ』(角川書店 1997年) 加藤慶二『ドイツ・ハイク小史―比較文学の視点より』(永田書房 1986年) ギュンター・クリンゲ加藤慶二訳『句集 イカルスの夢』(永田書房 1986年) 今回はドイツのハイクに関する本です。『ドイ…

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙』

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙―俳句と西洋芸術』(本阿弥書店 2015年) この本は、海外俳句についてはあまり触れられていませんが、俳句を西洋芸術や西洋思想の視点から語ったものなので読んでみました。著者は国際俳句協会にも所属されているようです。少し若…

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩』

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩―一茶・クローデル・国際ハイク』(永田書房 2005年) フランスの日本文学研究者であり、自らも俳句を作っている人が一茶や、クローデルの短詩について書いた本。クローデルの『百扇帖』はまだ全訳が出て…

P=L・クーシュー『明治日本の詩と戦争』

P=L・クーシュー金子美都子/柴田依子訳『明治日本の詩と戦争』(みすず書房 1999年) また新しい一年を迎えました。今年もよろしくお願いします。年末から引き続き、海外の短詩に関する本、とりわけ必ずといって引用されるクーシューの著書を読みました。昔…

:佐藤和夫『海を越えた俳句』

佐藤和夫『海を越えた俳句』(丸善ライブラリー 1991年) 海外で作られている俳句というかハイクについて書いた本。著者は英文学がご専門で比較文学の研究者。長年、海外でのハイク活動に関わり、みずからも俳句を作られるだけあって、海外の俳句の動きにつ…

:鶴岡善久『超現実主義と俳句』

鶴岡善久『超現実主義と俳句』(沖積舎 1998年) 12年前に一度読んだ本の再読。といってもほとんど覚えていないので、初めて読むのと同じ。俳人20人の一人一人について、シュルレアリスムとのかかわりあいの視点から鑑賞したもの。各人の俳句について代表作…

:嶋岡晨の俳句の本二冊

/// 嶋岡晨『イメージ比喩―俳句創作百科』(飯塚書店 1996年) 嶋岡晨『詩のある俳句』(飯塚書店 1994年) 短詩の次は、詩人の書いた俳句の本。イメージや比喩という詩の理論を援用して、詩人の目で俳句を見るとどうなるか期待して読みました。結論から言う…

:篠原資明『心にひびく短詩の世界』

篠原資明『心にひびく短詩の世界』(講談社現代新書 1996年) 以前から短詩に興味がありましたが、俳句や短歌の本はたくさん出ていても、短詩に関してまとまった本があまり見当たりませんでした。この本は広く日本の詩人の作品のなかから短詩を拾い出して、…

:「ユリイカ 総特集―ステファヌ・マラルメ」

「ユリイカ 総特集―ステファヌ・マラルメ」(青土社 1986年) 440頁もある大部の本で、いろんな人がいろんな角度からマラルメを論じています。なかには、本人も自分で何を書いているのか本当に分かっているのかと首を傾げるような意味不明な論文もけっこうあ…

:マラルメ詩集(渡辺守章訳)

渡辺守章訳『マラルメ詩集』(岩波文庫 2014年) 岩波文庫のマラルメ詩集は鈴木信太郎というのが学生の頃からの定番でしたが、ついに世代交代しました。新刊書店にあまり行かなくなったので、ついぞ知らぬままに過ごしていました。時々は岩波文庫棚を見てい…