2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

HUBERT HADDAD『Un rêve de glace』(ユベール・アダッド『氷の夢』)

HUBERT HADDAD『Un rêve de glace』(ZULMA 2006年) 前回読んだ『Géographie des nuages(雲の地誌)』が出色の出来ばえだったので、勢いこんで読みましたが、若干期待外れ。アダッドの小説の処女作のようです。そのせいか文章が凝っていて、単語も聞きなれ…

アルベール・カミュ『ペスト』

アルベール・カミュ宮崎嶺雄訳『ペスト』(新潮文庫 2020年) 奈良日仏協会の催しで、「カミュ『ペスト』を読む」という講演会があったので、原作を読んでおこうと手にしました。最近のコロナ騒ぎに見られる社会現象を考えるうえで参考になるかなという関心…

中平解の回顧随筆二冊

中平解『霧の彼方の人々』(清水弘文堂 1991年) 中平解『冬の没(い)りつ日』(清水弘文堂 1993年) 前回読んだ『フランス語學新考』の戦前の文章と比べると書き方がずいぶんやさしくなっています。中平解が晩年に人生を振り返って、主に人との交流の思い…

中平解『フランス語學新考』

中平解『フランス語學新考 改訂版』(三省堂 1943年) 著者が1935年に最初に書いた本の改訂版。この後、もう一度改訂しているようです。初歩の文法では些末なこととしてあまり説明されないが、実際の読書ではひっかかるような27の表現を取りあげて、本国の文…

中平解のフランス動植物随筆二冊

中平解『風流鳥譚―言語学者とヒバリ、その他』(未来社 1983年) 中平解『鰻のなかのフランス』(青土社 1983年) この二冊は、中平解のなかでは、『郭公のパン』と並んで、かなりまともな随筆の部類ではないでしょうか。『語源漫筆』や『フランス語博物誌』…

百万遍の「秋の古本まつり」ほか

百万遍の「秋の古本まつり」初日へ行ってきました。京都の大型古本市が1年ぶりに再開したということでしたが、今年は古本仲間も集まらず、一人寂しく会場をさまよいました。 古本市に行く途中にある臨川書店に、開店前に到着しましたが、今回はフランス語の…