2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

:マラルメの著作二冊(散文を中心に)

/// ステファヌ・マラルメ松室三郎訳『詩と散文』(筑摩書房 1989年) ステファヌ・マラルメ岩田駿一訳『ヴィリエ・ド・リラダン』(東京森開社 1977年) マラルメについての本ばかり読んできましたが、マラルメ本人の作品に移ります。他にもマラルメについ…

:「プーシキン美術館展―旅するフランス風景画」カタログ

山梨俊夫ほか『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』(朝日新聞社 2018年) 今回は番外編と言ってもいいぐらいで、美術に関する話題。先日、奈良日仏協会で美術鑑賞会を開催した際に訪れた展覧会とカタログの感想です。 私のベスト7は、クロード・ロラ…

:jean louis bouquet『MONDES NOIRS』(ジャン=ルイ・ブーケ『闇の世界』)

jean louis bouquet『MONDES NOIRS』(UNION GENERALE D’EDITIONS 1980年) 初めてパリのブラッサンス広場古本市へ行った時に買った本。この本を買うときに、店の人が「この本は面白い。いい作家だ」と聞きもしないのに喋ってきたことを覚えています。ブーケ…

:ギィ・ミショー『ステファヌ・マラルメ』

ギィ・ミショー田中成和訳『ステファヌ・マラルメ』(水声社 1993年) 本国の方のマラルメ論を読んでみました。訳文はきわめて読みやすく、二段組280頁という比較的大部の本ですが早く読めました。この本は、著者も自認しているように、執筆当時全盛を誇って…

:秋田の古本屋ほか

前回古本報告から1ヵ月近く経ったので、冊数は少ないですが月例報告といたします。特筆すべきは、先月下旬に秋田へ大曲の花火大会を見に行ったついでに、古本友だちと秋田市の古本屋に行ったこと。ただ残念ながら体力も時間もなかったので、市内中心部に限ら…

:柏倉康夫『マラルメ探し』

柏倉康夫『マラルメ探し』(青土社 1992年) 柏倉康夫の三冊目。三冊のなかでは、いちばんマラルメ詩の秘密に接近しているように思えました。とくに、マラルメの詩のあり方の基礎を作った若き日の詩作について、詳細に語られていました。詩のテクストの異同…

:柏倉康夫『パリの詩・マネとマラルメ』

柏倉康夫『パリの詩・マネとマラルメ』(筑摩書房 1982年) この本は、前回読んだ『マラルメの火曜会』より前に書かれた本で、この本の結末の文章には、「マラルメの火曜会」について将来書くことを予告するような文章がありました。読む順序が逆だったよう…