2011-08-01から1ヶ月間の記事一覧

:J.M.A.PAROUTAUD『LA VILLE INCERTAINE』(ROBERT MARIN 1950年)(J・M・A・パルトー『さだかでない町』)

生田耕作旧蔵書の1冊。1965年7月25日の日付が鉛筆で書いてあるのは読了日でしょうか。またところどころ丁寧な字で単語訳の書き込みがあり、けっこう几帳面な性格だったことがわかります。 読み始めは少してこずりそうな予感がしましたが、字も大きくて、ペー…

:関西の詩人が書いたエッセイ・評論三冊

/// 杉山平一『詩への接近―詩と詩人への芸術論的考察』(幻想社 1980年) 清水正一『犬は詩人を裏切らない』(手鞠文庫 1982年) 桑島玄二『花ごよみと詩人』(編集工房ノア 1986年) この三冊に共通しているのは、関西の詩人が書いた本で、いずれも1980年代…

:名古屋の古本屋ほか

前回報告漏れのもの。 先々週末、学生時代の仲間と知多半島へ海の合宿へ行った帰りに、古本好きの有志で名古屋の鶴舞から上前津にかけての古本屋を回りました。お盆休みでみな閉まっているかと思ったら、ほとんどのお店が開いておりました。名古屋の古本屋は…

:渦巻と螺旋についての本2冊

/// 千田稔『うずまきは語る―迷宮への求心性』(福武書店 1991年) ジル・パース高橋巌訳『螺旋の神秘―人類の夢と怖れ』(平凡社 1983年) 先日この欄でも紹介した篠田知和基『ヨーロッパの形』で螺旋や渦巻について関心を抱いたので、上記2冊を読んでみま…

:京都下鴨納涼古本まつり

先週木曜日、下鴨の古本市の初日に行ってまいりました。早く着きすぎたので30分ほど、緋毛氈の涼み台で本を読みながら待機。しかし意気込みの割にはこれといった収穫はありませんでした。 古本仲間と出町柳まで出て、ゆっくり昼飯とお茶をしたため、午前中2…

:MAURICE RENARD『LE VOYAGE IMMOBILE SUIVI D’AUTRES HISTOIRES SINGULIÈRES』(LES ÉDITIONS G. CRÈS ET Cie 1922年)(モーリス・ルナール『動かない旅―奇譚集』)

生田耕作旧蔵の1冊。 ルナールの名前はよく耳にしますがまだ読んでいませんでした。『フランス幻想文学傑作選③』(白水社)に二篇収められていますが、これも置いてあるだけです。 冒頭の一篇を読み始めるや、冒険小説のような波乱に富んだその語り口のうま…

:立田洋司『唐草文様―世界を駆けめぐる意匠』(講談社選書メチエ 1997年)

学生時代にW・カイザーの『グロテスクなもの』を読んでグロテスク文様なるものがあることを知り、その後ウフィッツィ美術館かフィレンツェ市庁舎かの廊下の天井に、びっしりと描かれたグロテスク文様を見て感激したことをよく覚えています。以来グロテスク文…

:オークション惨敗に継ぐ惨敗

このところ大阪へ出ることもあまりなく、たまに出かけたらいつものT書店が3300円均一でさすがに手が出ず、もっぱらネットとオークションで渉猟することとなりました。 ところが世の中には虎視眈々とうかがっている人が多いのか欲しい本はすぐに値が吊り上が…

:R・ウィトカウアー大野芳材、西野嘉章訳『アレゴリーとシンボル―図像の東西交渉史』(平凡社 1991年)

ヴァールブルク・コレクションの一冊。堅牢で重たい印象があり長らく寝かしておいた本。 バルトルシャイティスの『幻想の中世』の東方からのイメージの伝播への関心と共通の部分が見られるので読んでみました。印象を言えばバルトルシャイティスのほうが奇形…