2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

:伊藤進『怪物のルネサンス』

伊藤進『怪物のルネサンス』(河出書房新社 1998年) この本は、主として中世から16世紀頃までのヨーロッパで報告されている怪物について書かれています。もともと著者は16世紀フランス文学が専門のようですが、パリの裁判所員だった人の日記を読んで、驚異…

:Marcel Brion『La fête de la Tour des Ames』(マルセル・ブリヨン『魂の塔の祭』)

Marcel Brion『La fête de la Tour des Ames』(ALBIN MICHEL 1974年) この本は国内の古本市で買った本。ブリヨンの晩年(78歳)の作。久しぶりに、ブリヨンを読みました。これでブリヨンのフランス書を読むのは12冊目のはずです。今回は、久しぶりなことも…

:水の都の古本展ほか

購入が進まないせいで、ひと月近く古本報告をしておりませんでした。いよいよ加齢とともに本を買うのも慎重になってきたようです。標記の古本市は、先月下旬に大阪中之島の中央公会堂で行なわれた少し洒落た感じの古本市。下記2冊を購入。 鈴木道彦『フラン…

:人魚と河童の本

/// 笠間良彦『人魚の系譜―愛しき海の住人たち』(五月書房 1999年) 大野桂『河童の研究』(三一書房 1994年) 読んだ順番。人魚も河童も水の中に棲息する生き物であることと、両者とも実在しないが一時期実在するものとして扱われていたことがあり、また怪…

:一角獣の本二冊

/// 杉橋陽一『一角獣の変容』(朝日出版社 1980年) 種村季弘『一角獣物語』(大和書房、1985年) 種村季弘の本は新刊で出た直後に読んでいて2回目。一角獣については、張競『天翔るシンボルたち』や立川武蔵『聖なる幻獣』でも部分的には取り上げられてい…

:吉永邦治『東洋の造形』

吉永邦治『東洋の造形―シルクロードから日本まで』(理工学社 1993年) 直接幻獣とは謳っておりませんが、獅子、魔竭魚、龍神、迦楼羅について言及されているので、読んでみました。仏像の周縁に描かれている飛天や金剛力士、あるいは蓮華や唐草、霊芝雲など…