2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Rachilde『LA FEMME AUX MAINS D’IVOIRE』(ラシルド『象牙の手をした女』)

Rachilde『LA FEMME AUX MAINS D’IVOIRE』(J.FERENCZI ET FILS 1937年) 原著は1929年刊ですが、「LE LIVRE MODERNE ILLUSTRÉ」というシリーズでの再刊本。このシリーズは、数冊所持していますが、少し幅広の判型で表紙のデザインも統一され、版画の挿画が…

寺山修司『棺桶島を記述する試み』と金井美恵子『春の画の館』

寺山修司『棺桶島を記述する試み』(サンリオ出版 1973年) 金井美恵子『春の画の館』(講談社文庫 1979年) 異界と奇想をテーマとした散文詩ということでまとめてみました。両作はテイストはまったく異なります。好悪で言えば、『棺桶島』が圧倒的に面白く…

百万遍の秋の古本まつりほか

報告が遅くなりましたが、百万遍の秋の古本まつりは、二日目の10月30日(日)に行ってきました。食あたりで体調が悪いなか、古本仲間との約束もあり無理して出かけましたが、精神が集中できず、茫然と古本テントのあいだをさ迷うのみとなりました。以下購入…

高橋優子の三冊

高橋優子『冥界(ハデス)の泉』(沖積舎 1997年) 高橋優子『薄緑色幻想』(思潮社 2003年) 高橋優子『薔薇の合図(シーニュ)―Signe de la rose』(天使舎 2003年) 高橋優子はまったく知らない人でしたが、オークションで、『薔薇の合図(シーニュ)』が…

上田周二の詩集二冊

上田周二『死霊の憂鬱』(沖積舎 2000年) 上田周二『彷徨』(沖積舎 2009年) 前回、学生の頃に矢島輝夫に衝撃を受けたと書きましたが、上田周二も、『闇の扉』を学生時代に読んで、同様の衝撃を受けたことを覚えています。今回は、タイトルに惹かれて買い…

J.-H.Rosny ainé『L’ÉNIGME DE GIVREUSE』(J=H・ロニー兄『ジヴリューズの謎』)

J.-H.Rosny ainé『L’ÉNIGME DE GIVREUSE suivi de LA HAINE SURNATURELLE』(Bibliothèque nationale de France 2017年) フランスSFの祖の一人と言われるロニー兄の作品を読んでみました。これまで『フランス幻想文学傑作選3』(白水社)や『19世紀フランス…