2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

:小沼丹『椋鳥日記』と結城信一『空の細道』

/// 小沼丹『椋鳥日記』(河出書房新社 1974年) 結城信一『空の細道』(河出書房新社 1980年) 小沼丹の本は、山田稔の『マビヨン通りの店』の「小沼丹で遊ぶ」の文章に触発されて読んでみようと思いました。小沼丹について次のように紹介していたからです…

:山田稔の本二冊

/// 山田稔『マビヨン通りの店』(編集工房ノア 2010年) 山田稔『北園町九十三番地―天野忠さんのこと』(編集工房ノア 2000年) 山田稔の本は、学生の頃は、若気の至りで激越な調子のものを崇拝していたせいで物足りなく感じ、ほとんど読まずにいました。10…

:JEAN-PAUL RAEMDONCK『HAN』(ジャン・ポール・レムドンク『ハン』)

JEAN-PAUL RAEMDONCK『HAN』(MARABOUT 1972年) 発音がよく分からないので、「レムドンク」とか「ハン」とか勝手につけています。この本も学生時代注文して買ったまま大事に置いておいた本(だと思う)。「ジャン・レイ賞」という幻想文学賞を1972年に受賞…

:大阪古書会館のたにまち月いち古書即売会ほか

しばらく古本報告を怠っておりました。というのも、フランスでの大量購入の後、若干ペースが緩くなってきているからです。 昨日、大阪古書会館の古書即売会に行ってまいりました。建物に入った途端篠突く雨、2時間近く居て出たときは太陽がまぶしいくらいで…

:柳宗玄『西洋の誕生』

柳宗玄『西洋の誕生』(新潮社 1971年) 私の持っている柳宗玄の本はこれが最後になりました。読む順番が逆になって初期の著作を後になって読むことになってしまいました。若くしてすでになじみのテーマがこの本にはほとんど顔を出しています。この本で扱っ…

:柳宗玄『虚空散華』『黒い聖母』の二冊

/// 柳宗玄『虚空散華―生命のかたち』(福武書店 1986年) 柳宗玄『黒い聖母』(福武書店 1986年) この二冊は、『虚空散華』「あとがき」で記しているように、老齢に至った著者が「新しい時が来ると、若者は一年を得、老人は一年を失う(古代中国の言葉)/p27…

:PIERRE LOTI『LES DÉSENCHANTÉES』(ピエール・ロティ『魔法を解かれた女たち』)

PIERRE LOTI『LES DÉSENCHANTÉES』(CALMANN-LÉVY 1970年) ロティのイスタンブールを舞台にした小説は『Azyadé(アジアデ)』『東洋の幻影』に続きこれで三作読んだことになります。 /// この三作の関係は、『Azyadé』がロティの処女作で、トルコ女性ハジー…