最近読んだ本・フランス書

Frédérick Tristan『Les égarés』(フレデリック・トリスタン『迷える人たち』)

Frédérick Tristan『Les égarés』(Balland 1984年) 439ページもある長編。しかも文字が小さくて1ページに41行もあり、通常のフランス書なら3冊分ぐらいの量です。いつものように三分の一程度に抄訳しながら読んでいたら、A4で75ページにもなってしまいまし…

Frédérick Tristan『La fin de rien』(フレデリック・トリスタン『くだらない結末』)

Frédérick Tristan『La fin de rien』(le cherche midi 2015年) トリスタンを読むのはこれで、10冊目のはず。登場人物は少なく、文章もきわめてやさしくて、読みやすい。フランス語初級講読の教本に使えそうな感じです。これまで読んだトリスタン作品のな…

Frédérick Tristan『L’atelier des rêves perdus』(フレデリック・トリスタン『叶えられなかった夢の工房』)

Frédérick Tristan『L’atelier des rêves perdus』(l’aube 1991年) 引き続いてフレデリック・トリスタンを読みます。前回読んだ『La Femme écarlate(深紅の女)』は現代小説でしたが、本作は、宗教改革の時代のヨーロッパとトルコが舞台で、あちこちをさ…

Frédérick Tristan『La Femme écarlate』(フレデリック・トリスタン『深紅の女』)

Frédérick Tristan『La Femme écarlate』(Fallois 1988年) これからしばらくフランス書はフレデリック・トリスタンを読んでいきます。昨年12月に読んだ『LA GESTE SERPENTINE(蛇状叙事詩)』があまりにも面白かったので。ところが本作の小説の作り方は、…

G-O・Châteaureynaud『Le château de verre』(G・O・シャトレイノー『ガラスの城』)

Georges-Olivier Châteaureynaud『Le château de verre』(JULLIARD 1994年) 久しぶりにシャトレイノーを読みました。これで9冊目のはずです。正直な感想としては、期待していたほどではなく、きわめて普通の小説。中世が舞台であったり、ブルターニュの海…

FREDERICK TRISTAN『LA GESTE SERPENTINE』(フレデリック・トリスタン『蛇状叙事詩』)

FREDERICK TRISTAN『Curieuse histoire de la GESTE SERPENTINE racontée par Jean-Arthur Sompayrac, accompagnée de notes et commentaires rédigés par le Professeur Adrien Salvat(ジャン=アルトゥール・ソンペイラックが語り、アドリアン・サルヴァ…

Frédérick Tristan『Le fils de Babel』(フレデリック・トリスタン『バベルの息子』)

Frédérick Tristan『Le fils de Babel』(Balland 1988年) 久しぶりに、フレデリック・トリスタンを読みました。と言っても1年半ぶり。これで6冊目になるでしょうか。ひとことで言って、奇想の書、怪作です。最後の部分を除き、冒頭からすべてが、狂気に陥…

MARCEL BÉALU『PAIX DU REGARD SANS DÉSIR』(マルセル・ベアリュ『欲望なき眼差しの平和』)

MARCEL BÉALU『PAIX DU REGARD SANS DÉSIR』(JOSÉ CORTI 1988年) マルセル・ベアリュの作品はこれまでもたびたび取り上げていますが、詩を読むのは初めて。ウィキペディアの記事によると、詩集はたくさん出されているようで、私も1936年から1980年までの詩…

Maurice Renard『Le péril bleu』(モーリス・ルナール『青い脅威』)

Maurice Renard『Le péril bleu』(Infolio 2010年) モーリス・ルナールを読むのは、『LE MAÎTRE DE LA LUMIÈRE(光を支配するもの)』以来、1年ぶり、これで8冊目になります。本作は、初期の長編小説で、けっこうなヴォリューム(438ページ)があります。S…

JEAN LORRAIN『LE SANG DES DIEUX』(ジャン・ロラン『神々の血』)

JEAN LORRAIN『LE SANG DES DIEUX』(EDOUARD-JOSEPH 1920年) 10年ほど前、パリのサン=シュルピス教会近くの古本屋CLAUDE BUFFETで買った詩集。Émile ALDERという人の木版画挿絵が10点ついた1920年の再版です。初版は1882年、ジャン・ロラン27歳のときに自…

RENÉ-JEAN CLOT『L’amour épouse sa nuit』(ルネ=ジャン・クロ『愛は夜と結婚する』)

RENÉ-JEAN CLOT『L’amour épouse sa nuit』(Grasset 1991年) ルネ=ジャン・クロの名前を知ったのは、たしか大学に入ってすぐに買った『Dictionnaire de la littérature française contemporaine(現代フランス作家辞典)』で、fantastique(幻想的)とかm…

JACQUES SADOUL『les Hautes Terres du Rêve』(ジャック・サドゥール『夢の高地』)

JACQUES SADOUL『les Hautes Terres du Rêve』(J’ai Lu 1980年) 13年ほど前、パリのクリニャンクール蚤の市で買った本。ジャック・サドゥールについては、比較的日本でも知られていて、『現代SFの歴史』という評論と、『太陽の下、三死体』というミステリ…

JEAN MISTLER『Le Jeune Homme qui rôde』(ジャン・ミストレル『さすらう若人』)

JEAN MISTLER『Le Jeune Homme qui rôde』(Grasset 1984年) ミストレルの小説は、これまで『Gare de l’Est(パリ東駅)』、『Ethelka(エテルカ)』、『La maison du Dr Clifton(クリフトン博士の家)』、『L’ami des pauvres(貧者の友)』、『Le bout du mond…

HENRI DE RÉGNIER『L’ALTANA OU LA VIE VÉNITIENNE 1899-1924 Ⅰ』(アンリ・ド・レニエ『アルタナ―ヴェニスの生活Ⅰ』) 

HENRI DE RÉGNIER『L’ALTANA OU LA VIE VÉNITIENNE 1899-1924 Ⅰ』(MERCURE DE FRANCE 1928年) フランス書では、レニエの弟子筋にあたるジルヴェール・ド・ヴォワザンとジャン=ルイ・ヴォードワイエを続けて読んできましたが、久しぶりに師匠のレニエ本人…

JEAN-LOUIS VAUDOYER『L’AMOUR MASQUÉ』(ジャン=ルイ・ヴォードワイエ『仮面の恋』)

JEAN-LOUIS VAUDOYER『L’AMOUR MASQUÉ』(NELSON 出版年不詳) 出版年不詳ですが、初版は1908年に刊行されています。廣瀬哲士『新フランス文学』では、前回読んだジルベール・ド・ヴォアザンとともにレニエの弟子筋として紹介されていましたが、こちらの方が…

GILBERT DE VOISINS『LE BAR DE LA FOURCHE』(ジルベール・ド・ヴォワザン『岐路の酒場』)

GILBERT DE VOISINS『LE BAR DE LA FOURCHE』(DU HOUBLON 発行年不詳) 生田耕作が、「私の選んだ『フランス小説ベスト…』」の中に入れていたのと、廣瀬哲士の『新フランス文学』で、エドモン・ジャルーやジャン・ルイ・ヴォドワイエーらとともに、アンリ・…

『CHOIX DE POÉSIES DE MAURICE ROLLINAT』(『モーリス・ロリナ詩選集』)

扉の蔵書印 『CHOIX DE POÉSIES DE MAURICE ROLLINAT』(CHARPANTIER 1926年) 15年ほど前、神田の洋書市で生田耕作旧蔵書をまとめて買った時の一冊。編者は不明。処女詩集から死後の刊行まで、『DANS LES BRANDES(荒地にて)』(10篇)、『LES NÉVROSES(…

Remy de Gourmont『Histoires magiques et autres récits』(レミ・ド・グールモン『魔術物語、その他の物語』)

Remy de Gourmont『Histoires magiques et autres récits』(Union Générale d’Éditions 1982年) 新書サイズですが、読んでいる途中でページがバラバラになってしまうほど分厚い本。グールモンは、「フランス世紀末叢書」の『仮面の書』(2010年11月13日記…

MAURICE MAGRE『LA PORTE DU MYSTÈRE』(モーリス・マグル『神秘の扉』)

表紙扉「神戸奢霸都館呈蔵」の印ありMAURICE MAGRE『LA PORTE DU MYSTÈRE』(CHARPANTIER 1924年) 生田耕作旧蔵書、神保町田村書店での購入本。モーリス・マグルは、やはり生田耕作蔵書ということで購入した『Lucifer』でその名を知り、その後、梶浦正之『…

PONSON DU TERRAIL『LA BARONNE TRÉPASSÉE』(ポンソン・デュ・トライユ『他界した男爵夫人』)

PONSON DU TERRAIL『LA BARONNE TRÉPASSÉE』(JOËLLE LOSFELD 1998年) ポンソン・デュ・トライユは、10年以上前に、生田耕作蔵書の『ROCAMBOLE―TURQUOISE LA PÉCHERESSE(ロカンボール―罪深い女テュルクワーズ)』を読んで以来です(2011年4月27日記事参照…

MARCEL BÉALU『La Vie en rêve』(マルセル・ベアリュ『夢の人生』)

MARCEL BÉALU『La Vie en rêve』(PHÉBUS 1992年) 久しぶりにベアリュを読みます。「La Vie en rose(薔薇色の人生)」を模したようなタイトル。内容は、これまでの作品とは違って、一種のエッセイとなっています。夢に関してのエッセイ「La Vie en rêve」…

ERNEST HELLO『Contes Extraordinaires』(エルネスト・エロ『異常な話』)

ERNEST HELLO『Contes Extraordinaires』(PERRIN 1921年) 生田耕作旧蔵書。扉に「神戸奢霸都館呈蔵」という印が捺してありました。また最後の目次の頁の「Caïn(カイン)」に下線が引かれ、ページの下にコメントが鉛筆で書かれていたので、画像を添付する…

NOËL DEVAULX『Instruction civique』(ノエル・ドゥヴォー『市民教育』)

NOËL DEVAULX『Instruction civique』(Gallimard 1986年) ノエル・ドゥヴォーをフランス書で読むのは、『LA DAME DE MURCIE(ムルシアの貴婦人)』(2022年4月5日記事参照)、『L’auberge Parpillon(パルピヨン館)』(2023年3月20日)、『LE PRESSOIR MY…

Iwan Gilkin『Ténèbres』(イヴァン・ジルキン『暗闇』)

Iwan Gilkin『Ténèbres』(Edmond Deman 1892年)のリプリント 5、6年前にこの本の原本初版がオークションで出品されていて、初めてこの詩人のことを知りました。そのとき、面白いと思ったので入札しましたが当然高値で落札できず、bookfinderで検索して、イ…

Paul Féval『Le cavalier Fortune』(ポール・フェヴァル『幸運という名の騎士』)

Paul Féval『Le cavalier Fortune』(OLIVIER ORBAN 1982年) ポール・フェヴァルは、10年ほど前に読んだ『Le Chevalier Ténèbre(暗黒騎士)』以来です(2014年1月11日記事参照)。chevalierとかcavalierとか騎士がお好きな人みたい。フェヴァルの本は日本…

Émile Verhaeren『Le Travailleur étrange』(エミール・ヴェルハーレン『奇妙な仕事師』)

Émile Verhaeren『Le Travailleur étrange』(Ombres 2013年) この本は、8年前ぐらいにジベール・ジョゼフでたまたま目にした「PETITE BIBLIOTHÈQUE OMBRES(影叢書)」の一冊で、この叢書には、以前読んだPaul Févalの『Le Chevalier Ténèbre(暗黒騎士)…

FRÉDÉRICK TRISTAN『La cendre et la foudre』(フレデリック・トリスタン『灰と雷』)

FRÉDÉRICK TRISTAN『La cendre et la foudre』(BALLAND 1982年) フレデリック・トリスタンを読むのは、これで5冊目だと思います。ネットで見ると、トリスタンの作風には、中国もの、幻想驚異もの、偽史もの、迷宮ものの4種あるとしています。なぜ中国もの…

André Dhôtel『La nouvelle chronique fabuleuse』(アンドレ・ドーテル『新・架空噺』)

André Dhôtel『La nouvelle chronique fabuleuse』(Pierre Horay 1984年) 2年前読んだ『Les voyages fantastiques de JULIEN GRAINEBIS』(2022年1月15日記事参照)が面白かったので、手に取ってみました。期待どおり、不思議な冒険譚の数々が収められてい…

J.-H.ROSNY AINÉ『LA FEMME DISPARUE』(J=H・ロニー兄『消えた女』)

J.-H.ROSNY AINÉ『LA FEMME DISPARUE』(COSMOPOLITES 1925年?) 幻想小説アンソロジーでよく掲載されているロニー兄の作品です。以前、『L’ÉNIGME DE GIVREUSE(ジヴリューズの謎)』という分身を扱った超自然的小説を読んだことがありますが(2022年11月5…

EDMOND JALOUX『LA FIN D’UN BEAU JOUR』(エドモン・ジャルー『好日の終わり』)

EDMOND JALOUX『LA FIN D’UN BEAU JOUR』(ARTHÈME FAYARD 1930年) エドモン・ジャルーを読むのは初めて。廣瀬哲士の『新フランス文学』で、アンリ・ド・レニエの弟子筋と紹介されていたので、読んでみました。「LE LIVRE DE DEMAIN」という叢書の一冊で、…