2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

:バルトルシャイティス著作集3『イシス探求―ある神話の伝承をめぐる試論』

ユルギス・バルトルシャイティス有田忠郎訳『イシス探求―ある神話の伝承をめぐる試論』(国書刊行会 1992年) いよいよこのシリーズも最終です(『アベラシオン』は刊行時に読んだので)。この一冊だけ視覚や見え方を問題にした他の三冊と少し色合いが違うと…

:畑耕一『随筆 愚人の祭壇―変質文斈者として』ほか

今回はいつになく高い本を買ってしまいました。というのは、オークションで2800円スタートの本を誰かが落札してくれるだろうと高をくくってジャスト2800円をつけたところ、誰も競合者が現われずすんなりと落札してしまったからです。こういうこともあるので…

:バルトルシャイティス著作集4『鏡』

ユルギス・バルトルシャイティス谷川渥訳『鏡―科学的伝説についての試論、啓示・SF・まやかし』(国書刊行会 1994年) 三巻目の『イシス探究』をすっ飛ばして、『アナモルフォーズ』にテーマが近いと思われる『鏡』から先に読んでみました。訳者の谷川渥、栞…

:バルトルシャイティス著作集2『アナモルフォーズ』

ユルギュス・バルトルシャイティス高山宏訳『アナモルフォーズ』(国書刊行会 1992年) 見る角度を変えて見ると、正面から見たのとまったく別の像が見えてくるというアナモルフォーズの絵をはじめて知ったのは、ちょうど出たばかりの澁澤龍彦の『幻想の画廊…

:浜本隆志・柏木治・森貴史編著『ヨーロッパ人相学―顔が語る西洋文化史』

浜本隆志・柏木治・森貴史編著『ヨーロッパ人相学―顔が語る西洋文化史』(白水社 2008年) 偶然古本屋の店頭で見つけた本です。こんな本が出ているのは知りませんでした。著者陣も知らない人ばかりですが、関西の先生方で、共同研究をまとめたものです。 「…

:秋古本シーズン到来。四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本まつり。

大阪のふたつの古本市に行ってきました。 まず、四天王寺は初日。天気予報は曇のち晴なのに、朝からずっと小雨が降り続いて、開場の10時になっても100円均一や各書店均一平棚のテントは蔽われたままの状態。仕方なく、テントの中の高い本から見て行きました…

:JEAN MISTLER『Gare de l’Est』(ジャン・ミストレール『パリ東駅』)

JEAN MISTLER『Gare de l’Est』(Grasset 1975年) マルセル・シュネデールの『フランス幻想文学史』のミストレールの項では「ドイツ・ロマン派の後継者で、数多くの幻想的な作品を世に出し」と紹介されていましたが、この小説は幻想小説というよりは正統的…

:古本購入減退すれど収穫多し

このところ古本を買う機会、点数ともに減少しているという実感があります。いろんな要素があると思いますが、ひとつはやはり高齢なだけにこれ以上買っても読めるのかと内心うすうす思っていること、50年も買い続けて買うべき本はだいたい買ってしまったとい…