2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

:折口信夫『死者の書』

折口信夫『死者の書』(中公文庫 1974年) 「死者の書」ともう一篇「死者の書」の注釈とも言える「山越しの阿弥陀像の画因」が収められています。先週、當麻寺に行った際、當麻曼荼羅を織った中将姫のことが書かれていたこの本のことを思い出し、往復の車中…

:Maurice Pons『Délicieuses frayeurs』(モーリス・ポンス『甘美な恐怖』)

Maurice Pons『Délicieuses frayeurs』(Le Dilettante 2006年) 引き続きモーリス・ポンスを読みました。3年前パリの古本屋ジベール・ジョセフでの購入本。出版社の「Dilettante」はパリのオデオン座近くにあり、1Fで古本屋を営んでいます。 121ページの薄…

:読書に関する二冊

/// 鹿島茂『成功する読書日記』(文藝春秋 2002年) エミール・ファゲ石川湧訳中条省平校注『読書術』(中公文庫 2004年) 今さら読書に関する本を読んでもとは思いましたが、やみくもに本を読んでつたない感想を綴っている私としては、少しでもこのブログ…

:年末から新年の買い物

速いもので、もう一月も半ばを過ぎてしまいました。報告が遅くなりましたが、昨年末、H百貨店の年末恒例の古本市に行きました。ここは値付けが少々高くて手が出ず、お付き合い程度になりました。 エーバーハルト・ロータース金森誠也訳『E.T.A.ホフマンの世…

:Maurice PONS『LES SAISONS』(モーリス・ポンス『季節』)

Maurice PONS『LES SAISONS』(CHRISTIAN BOURGOIS 2010年) 一読驚嘆!世紀の怪作!これは『ビール醸造業館』と並ぶPonsの最高作ではないでしょうか。本の裏表紙に、「この作品はMalcolm Lowry、Julio Cortàzarの読者と同じような熱狂的なカルトに支持され…

:『幻想空間の東西―フランス文学をとおしてみた泉鏡花』

平川祐弘他『幻想空間の東西―フランス文学をとおしてみた泉鏡花』(十月社 1990年) 大学時代の後半、改造社文学全集などで鏡花を読み、「一之巻」〜「誓之巻」「笈摺草紙」「高野聖」「薬草取」「春晝」「春晝後刻」「龍潭譚」「草迷宮」などの作品世界に夢…

:湯沢英彦『魂のたそがれ』

湯沢英彦『魂のたそがれ―世紀末フランス文学試論』(水声社 2013年) 珍しく新刊本。本屋でタイトルに惹かれ、目次のジャン・ロラン『象牙と陶酔のお姫さまたち』が目に留まり、迷わずに買いました。 一読後の印象は、副題の「世紀末フランス文学試論」に充…

:杉田英明『日本人の中東発見』

杉田英明『日本人の中東発見―逆遠近法のなかの比較文化史』(東京大学出版会 1995年) 古代日本とイランとの関係の本を読んできましたが、最後の総まとめにふさわしく日本と中東との関係を総覧した本を取り上げてみました。 伊藤義教や井本英一とは親子以上…