2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今年は2ヶ月でまだ7冊

今年初めての古本報告です。今年に入って、特別な古本市もなく、わざわざ古書店に行くにも気乗りがせず、興味のある本を細々とネットで注文するのに留まりました。さすがにこれ以上買ってどうする?という声も内から聞こえてきて、この調子で古本買いもその…

博学系評論二冊

篠田一士『三田の詩人たち』(講談社文芸文庫 2006年) 松浦寿輝『黄昏客思(こうこんかくし)』(文藝春秋 2015年) この二冊も、たまたま続けて読んだというだけで、そんなに共通点はありません。強いて言えば、二人とも大学の文学の先生で、文学芸術全般…

森於菟と上林暁の随筆集

森於菟(池内紀解説)『耄碌寸前』(みすず書房 2011年) 上林暁/山本善行編『文と本と旅と―上林暁精選随筆集』(中公文庫 2022年) この二人は、森於菟が1890年生まれ、上林暁が1902年で、年も少し離れていますし、仕事の畑もまったく違って、何の関係もあ…

André Dhôtel『La nouvelle chronique fabuleuse』(アンドレ・ドーテル『新・架空噺』)

André Dhôtel『La nouvelle chronique fabuleuse』(Pierre Horay 1984年) 2年前読んだ『Les voyages fantastiques de JULIEN GRAINEBIS』(2022年1月15日記事参照)が面白かったので、手に取ってみました。期待どおり、不思議な冒険譚の数々が収められてい…

中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』

中西進『ひらがなでよめばわかる日本語』(新潮文庫 2008年) 入院することがあり、ベッドで寝転がっても読める文庫本を持って行ったので、しばらく文庫本が続きます。日本の古語に疎いので、この本を読んでみたところ、新しく知り得たことが沢山ありました…

清水茂の二冊

清水茂『遠いひびき』(舷燈社 2015年) 清水茂『翳のなかの仄明り―詩についての断想』(青樹社 2004年) 先日読んだ『詩と呼ばれる希望』に続いて、清水茂を読んでみました。『遠いひびき』は、11章のそれぞれが独立したテーマをもった随想集、『翳のなかの…