2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

須賀敦子『霧のむこうに住みたい』

須賀敦子『霧のむこうに住みたい』(河出書房新社 2003年) これで須賀敦子を読むのはいったん終わりにします。この本は、単行本化されていなかった新聞雑誌への寄稿を、彼女の死後にまとめたもので、イタリア生活の思い出、イタリア各都市の素描、日本の学…

須賀敦子の二冊・続き

須賀敦子『地図のない道』(新潮社 1999年) 須賀敦子『時のかけらたち』(青土社 1998年) この二冊は、須賀敦子の中期から後期にかけての作品。これまで読んできた物語の続篇のような世界が描かれつつも、語り口が少し変わって来ていて、『地図のない道』…

須賀敦子の二冊

須賀敦子『ヴェネツィアの宿』(文春文庫 1999年) 須賀敦子『トリエステの坂道』(みすず書房 1998年) 須賀敦子を続けて読んでいます。前回は比較的初期の作品として、『イタリアの詩人たち』(1977~79)と『コルシア書店の仲間たち』(92)を取りあげま…

NOËL DEVAULX『Instruction civique』(ノエル・ドゥヴォー『市民教育』)

NOËL DEVAULX『Instruction civique』(Gallimard 1986年) ノエル・ドゥヴォーをフランス書で読むのは、『LA DAME DE MURCIE(ムルシアの貴婦人)』(2022年4月5日記事参照)、『L’auberge Parpillon(パルピヨン館)』(2023年3月20日)、『LE PRESSOIR MY…