2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ウィル・ワイルズ『時間のないホテル』

ウィル・ワイルズ茂木健訳『時間のないホテル』(東京創元社 2017年) タイトルと表紙の絵に惹かれて購入した本。次元SFの一種ですが建築幻想小説のジャンルに入るものと思います。「あとがき」によると、著者は建築やデザイン畑のノンフィクション・ライタ…

Jean Lorrain『LES LÉPILLIER』(ジャン・ロラン『レピリエ一家』)

Jean Lorrain『LES LÉPILLIER』(DU LÉROT 1999年) 長編「Les Lépillier」と、4つの短編「Madame Herbaud(エルボー夫人)」、「Un coup de fusil(発砲)」、「Dans un boudoir(婦人部屋にて)」、「Installation(引っ越し)」が収められています。初版…

高層ビル都市が舞台の小説二作品

ヤン・ヴァイス深見弾訳『迷宮1000』(創元推理文庫 1987年) JAN WEISS『la maison aux mille étages―L’humanité prise au piège(1000階の家―罠にかかった人類)』(MARABOUT 1967年) テア・フォン・ハルボウ秦豊吉譯『メトロポリス』(改造社 1928年) …

建物に関連した幻想文学についての二冊

「幻想文学48 特集:建築幻想文学館」(アトリエOCTA 1996年) 植田実『真夜中の庭―物語にひそむ建築』(みすず書房 2011年) 建築の本の続きですが、しばらく物語の世界に入って行きたいと思います。その道案内となる本を二冊読みました。「幻想文学48」は…

建築に関する本二冊

上田篤『日本人の心と建築の歴史』(鹿島出版会 2006年) 岡野忠幸『建築古事記』(東京美術 1973年) 先日読んだ李家正文の『異国思想の伝来と日本の宗教』のなかにあった神社など日本の建物についての記述が面白く興味が湧いたので、日本建築に関連した本…

李家正文『古代東アジアに遡る』

李家正文『古代東アジアに遡る』(泰流社 1987年) 引き続き李家正文を読みました。前に読んだ『史伝開眼』と同じく、いくつかのテーマを並列に論じたもので、古代東アジアで腰帯にぶらさげていたもの、仏具が金色な訳、異国の花嫁、去勢された男性の実態、…