2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

:ヴュータン「ヴァイオリン協奏曲第4番 二短調 作品31」

アンリ・ヴュータン「ヴァイオリン協奏曲 第4番 二短調 作品31」「ヴァイオリン協奏曲 第5番 イ短調 作品37」(PHILIPS) ヴァイオリン:アルチュール・グリュミオー コンセール・ラムール管弦楽団 指揮:マニュエル・ロザンタール このところ、このCDをよ…

:ピエール・ロチ遠藤文彦訳『倦怠の華』(水声社 2009年)

ピエール・ロティの物語をもう一つ読んでみました。彼の比較的初期の作品(四番目)ですが、他の作品と違ってロティとプラムケットという友人との対話の形式になっています。 刊行者による注では「ロチとプラムケットとの共同制作」ということになっており、…

:ピエル・ロティが若き日を回想する物語三篇

/// ピエル・ロティ津田穰譯『少年の物語』(岩波文庫 1943年) ピエール・ロチ大塚幸男譯『青春』(白水社 1941年) ピエール・ロチ大塚幸男譯『死と憐れみの書』(白水社 1952年) 岡谷公二の『ピエル・ロティの館』に感銘を受けて(10月5日記事参照)、異…

:天神さんの古本まつりほか

報告が遅くなりましたが、先々週末、関西の古本仲間三名と一緒に、天満宮の古本市に行ってきました。 早く着いたのに百円均一の棚が二つあるのに気づかず、別のところをぶらぶらしている間に、仲間に何冊か抜かれてしまいました。 がY書房で『虵本稗史小説…

:CLAUDE FARRÈRE『L’autre côté...―CONTES INSOLITES』(ERNEST FLAMMARION 1928)(クロード・ファレール『彼岸―奇譚集』)

これも生田耕作旧蔵書。ファレールにも幻想的な作品があることは聞き及んでおりましたが、この本はそのうちの一つに違いありません。 「autre côté(彼岸)」というタイトルに見られるように、現実離れした話を集めた短編集。「RÊVES(夢)」「FANTÔMES(幽霊たち)…

:神谷光信『へりくだりの詩学』(マイブックル 2011年)

9月20日の日記で話題にしたオンデマンド本です。 さまざまな雑誌に掲載した現代詩人論を集めたものと「あとがき」に書いてありますが、ここに取り上げられた多田智満子、高橋睦郎、呉茂一、有田忠郎、神谷美恵子らの詩人に共通するのは、宗教性や聖性につな…

:四天王寺秋の古本祭り

四天王寺秋の古本祭り初日に行ってまいりました。 心配していた雨も上がり暑いぐらいの良いお天気でしたが、地面が一部ぬかるんでいて、運動靴の底からじわりと湿り気が伝わってきました。 四天王寺はなにせ安い。3冊500円、5冊1000円のコーナーがあちこち…

:岡谷公二『ピエル・ロティの館―エグゾティスムという病い』(作品社 2000年)

むかし『Azyade』を読みそのフランス語の美しさに感嘆したことがあったこと、また異郷趣味への興味から読んでみました。とても面白く読めました。導入部はなかなか読ませます。自らの体験から入って行く姿勢に説得力があって好ましく感じられます。 全体を通…

:佐藤朔のエッセイ第三弾

/// 佐藤朔『ボオドレエル覺書』(講談社 1949年) 佐藤朔『セーヌ河畔みぎひだり』(章文社 1958年) 佐藤朔『近代詩人論』(理想社 1971年) 『ボオドレエル覺書』はボオドレエル関連が190ページ近く、残りもフランス詩についてのものばかり、『セーヌ河畔…