2014-01-01から1年間の記事一覧

:井本英一の本二冊

/// 井本英一『古代の日本とイラン』(學生社 1984年) 井本英一『飛鳥とペルシア―死と再生の構図にみる』(小学館 1984年) 日本とペルシアに関する本を続けて読んでいます。この二冊は刊行年は同じように見えても、『古代の日本とイラン』は初刷りが1980年…

:仙台の古本屋と全大阪古書ブックフェア

このところ毎年末に、大学時代の友人らと仙台で冬合宿があり、今年も行ったついでに古本屋を一軒覗いてきました。S書店というところで何年か前に行ったM書店の姉妹店だそうです。地下1階、地上3階の大規模なお店で、1〜2時間では見て回れないぐらいの量で…

:Patrick Modiano/Sempé『Catherine Certitude』(パトリック・モディアーノ/サンペ『カトリーヌ・セルティチュード』)

Patrick Modiano/Sempé(挿絵)『Catherine Certitude』(Gallimard 2012年) 久しぶりにModianoを読みました。実は、フランス語も本を読んでいるだけで、会話も作文もまったくできないので、少しはバランスも必要だと、フランス語のレッスンを受けています。…

:天平時代の渡来ペルシア人関連本二冊

/// 伊藤義教『ペルシア文化渡来考―シルクロードから飛鳥へ』(岩波書店 1980年) 杉山二郎『天平のペルシア人』(青土社 1994年) 正倉院展以来、森豊の海獣葡萄鏡、李家正文の正倉院随想から渡来ペルシア人李密翳の本へと移ってきましたが、今回はペルシア…

:Alexandre Dumas『Histoire d’un Mort racontée par lui-même』(アレクサンドル・デュマ『死者自らが語る話』)

Alexandre Dumas『Histoire d’un Mort racontée par lui-même』(UNION GÉNÉRALE D’ÉDITIONS 1980年) 一昨年パリでの購入本。序文は難しいが、デュマの本文はとても読みやすい文章。いつもは音読してから、辞書を引きながら黙読し、次に骨子を要約するとい…

:日夏耿之介の仏訳詩集を購入

前回予告していた本が届きました。堀口大學仏訳『日夏耿之介の詩』です。こんな本が出ているのはまったく知りませんでした。 traduits en français par Nico-D.Horigoutchi『POÈMES de Konosouké Hinatz』(Fauconnier、1923年4月、6540円送料込) 実はオー…

:李家正文の本2冊

/// 李家正文『正倉院随想』(鹿島研究所出版会 1965年) 李家正文『天平の客、ペルシア人の謎―李密翳と景教碑』(東方書店 1986年) この李家正文の本もたくさん所持していていますが、一冊も読んだことがありません。正倉院の宝物についていろいろ書いてあ…

:森豊の葡萄文様に関する本2冊

/// 森豊『海獣葡萄鏡―シルクロードと高松塚』(中公新書 1973年) 森豊『葡萄唐草―シルク・ロード幻想』(小峯書店 1968年) 先月、奈良国立博物館に正倉院展を見に行きました。正倉院展は行ったことがなかったので、その混雑ぶりに驚いてしまいました。人…

:いこま国際音楽祭

今年も、いこま国際音楽祭に行ってきました。今年のテーマは「スラブとラテンの熱い風」。3つのコンサートと、マスタークラス、3つの学校訪問公演があったようですが、私の行ったのはコンサートの真中の日「ガラ・コンサートPart2」で、演奏曲は下記のとおり…

:山内義雄譯『仏蘭西詩選』ほか

先日、阿倍野で昔の会社仲間と夕刻飲むのに合わせて、堺筋本町、夕陽丘と寄り道をして、古本屋を訪ね歩きました。まず一軒目はいつものT書店にて、 宮下志朗『書物史のために』(晶文社、02年4月、734円)→フランス書物史の本。「パリ電脳図書館便り」という…

:佐々木敦『あなたは今、この文章を読んでいる。―パラフィクションの誕生』

佐々木敦『あなたは今、この文章を読んでいる。―パラフィクションの誕生』(慶應義塾大学出版会 2014年) 『カター・サリット・サーガラ』『千夜一夜物語』やM・エリアーデ『ムントゥリャサ通りで』など枠物語に昔から興味があったので、それに関連する本と…

:立花種久3冊

/// 立花種久『獺の日』(パロル舎 1998年) 立花種久『大蜥蜴』(パロル舎 2001年) 立花種久『不明の時間―幻想小説短編集』(パロル舎 2002年) 引き続き立花種久の本を読んでみました。これらの本以外に『電気女』『眠る半島』という近作が出ているようで…

:ANDRÉ DE RICHAUD『LA NUIT AVEUGLANTE―Le livre maudit d’un écrivain maudit』(アンドレ・ド・リショー『目眩む夜―呪われた作家による呪われた書物』)

ANDRÉ DE RICHAUD『LA NUIT AVEUGLANTE―Le livre maudit d’un écrivain maudit』(MARABOUT 1972年) 一昨年、パリの「L’Amour du Noir」というミステリー専門古書店での購入本。作者についてはまったく知りませんでしたが、マラブ叢書ということと、タイト…

:立花種久の2冊

/// 立花種久『私設天文台』(パロル舎 1988年) 立花種久『森のなかで』(パロル舎 1990年) これらの本は、むかし同著者の『喪われた夜』『にぎやかな夜』を読んで、夢のなかをさ迷うような感じの物語を探していた私の感覚にぴたっとマッチしたので、その…

:京都百万遍秋の古本まつり

先週、百万遍秋の古本まつり初日に行ってまいりました。まず、今出川通りR書店恒例のバーゲンセールを目指して、9時20分ごろ到着したらすでに黒山の人だかり。9時からオープンとのこと。ここはいつもフランス語の箱があり、安い。さっそくModianoが大量に出…

:新潟古本ツアーほか

このところ毎年、古本友だちと各地の古本屋めぐりを目的とした旅行をしています。今年は新潟方面へ行ってきました。新潟へ行くと別の仲間に言ったら、古本屋は潰れてほとんど残ってないのにと馬鹿にされましたし、ネットでいろいろと調べてみるとやはり壊滅…

:ドヴォルザーク「糸杉―弦楽四重奏による」

最近ドヴォルザークの弦楽四重奏による「糸杉」をよく聴いています。穏やかな美しい曲で心が洗われるようです。 DVOŘÁK作曲Vlach Quartet Prague演奏『Works for String Quartet Cypresses』(NAXOS) この曲はドヴォルザークの番号のつけられた弦楽四重奏曲と…

:井辻朱美『風街物語』

井辻朱美『風街物語』(哲学書房 1988年) これもずっと以前に買って温めていた本。井辻朱美はファンタジーの人という先入観があって、少し敬遠気味にしておりました。この本は5つの作品が収められていますが、風合いがそれぞれ異なっていて、あきらかに海外…

:四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本祭り

少し報告が遅くなりましたが、古本市の話題。先週末、大阪で開催された標記古本市は今年も初日が重なり、忙しい一日となりました。 まず四天王寺からといそいそと出かけましたが、10分前に到着したので、先に近くのI文庫へ。ここはいつも激安。今年は100円…

:Marcel Béalu『Mémoires de l’ombre』(マルセル・ベアリュ『影の回想』)

Marcel Béalu『Mémoires de l’ombre』(Phébus 1986年) 一昨年パリのモンジュ広場の古本市で、30ユーロの本をいったんレジに持って行って、価格交渉の末、帰るふりをして27ユーロに負けてもらった本。 ひとことで言って、この作品はベアリュの最高作ではな…

:谷川健一『神に追われて』他

/// 谷川健一『神に追われて』(新潮社 2000年) 白鳥賢司『模型夜想曲』(アーティストハウス 2002年) 幻想小説を続けて読んでいますが、この2冊は幻想小説のジャンルに入るものかどうか。それに両者はまったくテイストの違う作品で、一緒に取り上げるのも…

:リーグル『美術様式論』ほか

今回はオークションで探求書を安く入手することができました。数か月前にもその本がオークションに出ていましたが、高値(と言っても2000円ぐらいだったか)になって競り負けてしまいました。オークションはその時々で状況が変わるものなんですね。 アロイス…

:日本の幻想小説2冊

/// 天沼春樹『猫町∞』(パロル舎 1997年) 私市保彦『琥珀の町―幻想小説集』(国書刊行会 1998年) 今回は日本の小説にまた戻りました。2冊ともずっと以前に新刊で買って積んでいた本。私市保彦は『幻想物語の文法』『ネモ船長と青ひげ』とベックフォードの…

:モーリス・ブランショ『アミナダブ』

モーリス・ブランショ清水徹訳『アミナダブ』(集英社 1968年) このところ幻想小説を読んでいます。ロブ=グリエ『迷路のなかで』(9月8日)に続いてのフランスのヌーボー・ロマン。文章の断片はとても魅力的ですが、読み終わってもよく分からないというの…

:ERCKMANN-CHATRIAN(エルクマン-シャトリアン) の2冊

/// Erckmann-Chatrian『Le requiem du corbeau-Contes fantastiques TomeⅠ』(L’ARBRE VENGEUR 2008年)(エルクマン-シャトリアン『鴉のレクイエム―幻想物語集Ⅰ』) ERCKMANN-CHATRIAN『HUGUES-LE-LOUP et autres contes fantastiques』(Marabout 1966年…

:オークション、ネット購入の陥穽

以前も一度書いたような気がしますが、オークションやネットで、本のタイトルや、著者の名前だけを頼りに買うと、どえらい失敗をすることがあります。今回も、『ブロッケン山の妖魔』の著者というだけで、下記の本を買いました。『山岳征服冒險記』というタ…

:日本の迷宮的小説2冊

/// 竹本健治『匣の中の失楽―新本格推理の原点』(講談社ノベルス 1991年) 大西巨人『迷宮』(光文社文庫 2003年) この2冊を同列に並べるのはとんでもないことでしょうが、たまたま同じ時期に読んだというだけで他意はありません。共通項は、大西巨人の作…

:日本の幻夢小説2冊

/// 森内俊雄『夢のはじまり』(福武文庫 1987年) 藤沢周『境界』(講談社 1998年) 次は日本の作家の作品ですが、何か脈絡があって選んだわけでもありません。たまたま最近買ったものから選んでみました。 森内俊雄は、むかし『真名仮名の記』を読んで、古…

:ロブ=グリエ平岡篤頼訳『迷路のなかで』

ロブ=グリエ平岡篤頼訳『迷路のなかで』(講談社文芸文庫 1998年) 「幻想小説」と書くともはや手垢がつき過ぎたという感じで、恥ずかしさが先立ってしまいますが、これからしばらく幻想小説を読んでいこうと思っています。ロジェ・カイヨワが定義した「現…

:古本購入フェイドアウトの時近づく?

もう64歳ともなると、いくら本を買っても、どのくらい読めるか分からなくなってきます。それは前からもある程度分かっていて、承知のうえで買い続けているわけですが、本の置場がいよいよなくなってきて、これまで古本に理解のあった家人からもついに、「そ…