:四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本祭り

 少し報告が遅くなりましたが、古本市の話題。先週末、大阪で開催された標記古本市は今年も初日が重なり、忙しい一日となりました。

 まず四天王寺からといそいそと出かけましたが、10分前に到着したので、先に近くのI文庫へ。ここはいつも激安。今年は100円均一のコーナーが増殖していて興奮しました。
鶴岡真弓『聖パトリック祭の夜』(岩波書店、93年12月、100円)
乾信一郎『「新青年」の頃』(早川書房、91年11月、100円)
伊藤海彦『渚の消息』(湯川書房、88年8月、1000円)→限定200部著者サイン入り
 の3冊を買ったが、なんといちばん高かった『渚の消息』がW買い。
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 四天王寺会場では、G書の100円均一で、
日夏耿之介譯『東西古今集』(酣燈社詩人全書、昭和25年3月、100円)
→似たようなのはたくさん持っているが、このシリーズでは持ってなかったので。

 Fにて、家内がバスク熱に浮かされているので、お土産として。
司馬遼太郎街道をゆく22南蛮のみちⅠ』(朝日文庫、90年1月、280円)

 どこか不明の店で。
橋間石句集『和栲』(湯川書房、昭和58年2月、1000円)
→俳句は渋すぎて私には似合わないと思ったが装幀が気に入って。

 四天王寺は100円均一コーナーがなくなったのと、いつものK文庫が出店していなかったので、少しさびしい感じがしました。


 昼食をはさんで天神さんに移動。まずY書店絵本コーナー3冊300円で、ほるぷのイギリス挿絵本復刻シリーズ。豪華な本の割には安くて感激。
マーガレット・マローニー他『復刻世界の絵本館 オズボーン・コレクション 解説』(ほるぷ出版、85年7月、100円)
チャールズ・H・ベネット編・画『ばあやが聞かせるわらべうた』(ほるぷ出版、85年、100円)
ウォルター・クレイン画『幼な子のイソップ』(ほるぷ出版、85年、100円)
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 同じくY書店にて。
鈴木信太郎譯『近代仏蘭西象徴詩抄』(春陽堂大正13年9月、300円)→造本が魅力的。だがなぜこんなに安いのか不思議。某書店では6〜7000円で見かけたが。

 ここで100円均一コーナーに移動。
馬渕明子ジャポニスム―幻想の日本』(ブリュッケ、00年5月、100円)→写真多数のきれいな本なのに安い。
安部公房『燃えつきた地図』(新潮文庫、平成5年2月、100円)

 K書店3冊500円コーナーで。
堀口大學『詩集 砂の枕』(岩谷書店、昭和23年7月、167円)
村上総一郎訳『世界名詩選 ゲーテ詩抄』(近代文學研究会、昭和27年2月、167円)→装幀が可愛らしい。
福永武彦『意中の画家たち』(人文書院、昭和48年7月、166円)
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 どこか忘れたお店で、
沼野充義『夢に見られて―ロシア・ポーランド幻想文学』(作品社、90年8月、800円)

 大阪でOB麻雀会の日に、恒例の堺筋本町T書店にて。
中平解『冬の没りつ日』(清水弘文堂、93年2月、410円)→随筆集
岩崎昇一『無みする獣』(日本図書刊行会、97年4月、410円)→無名の詩人だ(と思う)がなかなか面白い。全編から60年代後半の詩にあったような、吃音に満ちたルサンチマンが感じられる。例えば「おどらせやがったな/すずしい顔して あいつ/はれやかな凱旋に立つ/ざわめく恨みのさかんな/拍手が聞こえるか/きっとおまえが寝返った/あの峠の茶屋まで/いけにえにさらされた者の/刺客はせまって来ているが/いまはつかの間 祝福の/あらしの陰で/傀儡の尻尾をつかんでいる/・・・・」(「われる」冒頭)といった具合。
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 なんだかんだと言いながら、結構買ってしまいました。