2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

2023年 年末古本報告

年末恒例の阪神百貨店古書ノ市に、今年も忘年会を兼ねて古本仲間と集まりました。今回は珍しく300円均一の共同コーナーがあり、いい本もたくさん出ていて、けっこう楽しめました。 いつもどおり真っ先に寸心堂の棚を見ると、4日目にもかかわらず珍しい本が残…

吉武好孝『翻訳事始』

吉武好孝『翻訳事始』(早川書房 1995年) 前回読んだ『明治・大正の翻訳史』(初版は1959年)と同じ著者の本。ハヤカワ・ライブラリで1967年に出た初版の再版です。同じ時代の同じ現象を扱っている訳ですから、当然同じ記述がありますが、異なった角度から…

ALEXANDRE DUMAS『Sur Gérard de Nerval』(アレクサンドル・デュマ『ネルヴァルについて』)

ALEXANDRE DUMAS『Sur Gérard de Nerval―Nouveaux Mémoires(ジェラール・ド・ネルヴァルについて―新たな思い出)』(Complexe 1990年) デュマが書いたネルヴァルの思い出となれば、読まずにはおれません。この本が世に出ることとなったいきさつをクロード…

吉武好孝『明治・大正の翻訳史』

吉武好孝『明治・大正の翻訳史』(研究社 1972年) タイトルどおり、明治から大正にかけて外国の小説、評論、詩の翻訳がどう行なわれていったかを、時系列に追ったものですが、それにとどまらず、日本語の文章が翻訳が進むに連れてどう変わっていったか、ま…

野上豐一郎『翻譯論』

野上豐一郎『翻譯論―翻譯の理論と實際』(岩波書店 1938年) 翻訳史でもなく、翻訳作品の解説でもなく、翻訳という行為そのものについて、原理的に考究した本。英文学、能楽の研究者の立場から、具体例を引用しながら、論を展開しています。常識的な発想から…

島田謹二『翻譯文學』

島田謹二『翻譯文學』(至文堂 1951年) 「日本文學教養講座」というシリーズのうちの一冊。このシリーズでは、ほかに『神話傳説説話文學』というのを持っています。島田謹二の本はいろいろ持っていますが、読んだのは『ポーとボードレール』だけ。文章が論…