2023年 年末古本報告

 年末恒例の阪神百貨店古書ノ市に、今年も忘年会を兼ねて古本仲間と集まりました。今回は珍しく300円均一の共同コーナーがあり、いい本もたくさん出ていて、けっこう楽しめました。

 いつもどおり真っ先に寸心堂の棚を見ると、4日目にもかかわらず珍しい本が残っていました。
MARCEL BÉALU『LA MORT à Benidorm』(PIERRE FANLAC、85年11月、1800円)→大きな字で印刷している短篇
MARCEL BÉALU『PAIX DU REGARD SANS DÉSIR』(JOSÉ CORTI、88年2月、1800円)→詩集
 ベアリュの本は、奥さんが経営していたパリの古本店「ル・ポン・トラヴェルセ」で何冊か買いましたが、こんな本が出ていたとは知らなんだ。
  
 300円均一コーナーでは、下記4冊。
中沢新一『人類最古の哲学』(講談社、02年1月、300円)
黒村通『やがて獏の背後に』(白地社、88年12月、300円)
→知らない人の詩集。不思議な侘しさが漂う。
越宏一『挿絵の芸術―古代末期写本画の世界へ』(朝日新聞社、89年2月、300円)
→定価2600円、写真図版多数の本がこの値段。
山崎正和『世界文明史の試み―神話と舞踊』(中央公論新社、11年12月、300円)
→定価税抜き3200円、484頁のきれいな本がこの値段。
    

 別の日、散歩途中、近所のBOOK-OFFで。
谷崎潤一郎吉野葛蘆刈』(岩波文庫、17年5月、330円)

 オークション、アマゾン古本では、下記。
吉田正俊『異説大正期の文学』(共立女子大学文芸学部、昭和39年6月、440円)
→海外文学の影響を論じているようだ。珍しい本だと思う。
阿部一『日本空間の誕生―コスモロジー・風景・他界観』(せりか書房、95年2月、902円)
浅見克彦『響きあう異界―始源の混沌 神の深淵 声の秘儀』(せりか書房、12年4月、1108円)
ミール・アンマン蒲生礼一訳/麻田豊補筆『4人の托鉢僧(ダルヴェーシュ)の物語』(東洋文庫、90年10月、987円)
    

 来年も細々と古本を買い続けることになるでしょう。どんな本と出合えるか楽しみです。