:パリ古本ツアー報告第一弾と『Tankas』

 前回(2012年7月の記事参照)からほぼ4年ぶりに、パリへ古本買いに行ってまいりました。滞在は7日間で、1日をランス・シャンパーニュ地方へのバスツアー、1日をお土産買いその他に費やしたので、実働5日間。前回よりも冊数は少なかったものの、充実した内容でとても満足しております。郵便局からコリッシモ大二函で送った分は後程ご報告することにして、とりあえずトランクに入れて持ち帰った分を記します。

 ルリュールされた本だけ先に映像を紹介。

 パリ到着翌日、ブラッサンス古本市にて下記。近所のレストランで昼食を取り、ほぼ一日中見て回りました。4月の上旬のパリは寒く芯まで冷えました。他に10冊購入、次回報告します。
ALBERT SAMAIN『CONTES』(MERCURE DE FRANCE、1907年7月、30ユーロ)
HENRI DE RÉGNIER『LES JEUX RUSTIQUES ET DIVINS』(MERCURE DE FRANCE、1914年、15ユーロ)
HENRI DE RÉGNIER『L’ALTANA OU LA VIE VÉNITIENNE 1899-1924 Ⅰ』(MERCURE DE FRANCE、28年、4ユーロ)
PAUL CLAUDEL『DODOITZU』(Gallimard、45年5月、20ユーロ)→原田梨白絵、75部特装版の19番。
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 その翌日は、パリマラソンで大勢の人出、ブラスバンド演奏の賑わいのなか、セーヌ河岸古本屋を右岸から左岸にかけてほとんど見て回りました。午前中は閉まっている店も多かったですが、ほかに8冊購入。河岸古本屋もけっこういい本があります。
HENRI DE RÉGNIER『La Cité des Eaux』(MERCURE DE FRANCE、1911年、8ユーロ)→ルリュール本でこの値段。
PIERRE LOTI『LES TROIS DAMES DE LA KASBAH―CONTE ORIENTAL』(CALMANN-LÉVY、刊行年不詳、3ユーロ)
COMTESSE DE NOAILLES『LES VIVANTS ET LES MORTS』(ARTHÈME FAYARD、1913年、20ユーロ)→この本を買ったところでは、他にも何冊か買ったこともあり、名刺をくれた。Pascal Corseauxという店。

 古本屋回りは、効率を考えて、5区6区で前回収穫のあったところを中心に訪ねました。ホテルもそのことを考えて、ジベール・ジョセフの2軒隣のホテルに取りました。玉村豊男氏が常宿と書いていたホテルも近くにあったが、こちらの方が安い。

パリ滞在7日目は郵便局で、それまでの本を送ってから、地下鉄でVavin近くのL’âme et le rêveへ行きました。

 ここで下記を購入。
LUC ESTANG他『JEAN de BOSCHÈRE l’ADMIRABLE』(Au Parchemin d’Antan、52年、6ユーロ)

 その後いろいろ回りましたが収穫なく、いったんホテルへ戻った後、ホテルの西の方を探訪。まずF.CHANUT。

 この頃は本棚を丁寧に見るのに疲れてきたこともあって、探索本の作家名を告げて探してもらいました。自分で見るよりも確実に探すことができました。今度からこの方法を使ってみよう。前にも書きましたが、フランスの本は背表紙に小さな字で印刷されているのでとても見にくい。
ALBERT SAMAIN『AUX FLANCS DU VASE』(GEORGE CRÈS、19年5月、20ユーロ)
ÉMILE VERHAEREN『Choix de Poèmes』(MERCURE DE FRANCE、27年6月、10ユーロ)
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 次にサンシュルピスを眺めた後、CLAUDE BUFFET。

 上記の方法でJean Lorrainと告げると、下記の本が出てきました。少々高値でしたが、欲しかった本なので思い切って購入。初版本ではないですが、きれいな本です。
JEAN LORRAIN『LE SANG DES DIEUX』(EDOUARD-JOSEPH、20年9月、55ユーロ)→この本屋ではいつまでパリに滞在するかと聞かれ、二日後に帰ると言っているのに、下旬の古本サロンの招待状をくれた。言葉が通じなかったのか。
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 最終日、土産物の買い物をした後、フェルー通りの歴史書専門店へ。

 店頭均一本で。
GUSTAVE KAHN『Le Roi Fou』(G.HAVARD FILS、1896年、6ユーロ)

 最後に行った古本屋は、LE PONT TRAVERSÉ。

 ここではLorrainやSamain、Pons、M・Renardの名前を告げましたが、持っている本ばかりで、結局下記を購入。
MARCEL BÉALU『POÈMES 1936-1960』(LE PONT TRAVERSÉ、76年12月、6ユーロ)
MARCEL BÉALU『POÈMES 1960-1980』(LE PONT TRAVERSÉ、81年、6ユーロ)

 ところで、カナダの古本屋に発注し行方不明になっていたため払い戻しを受けた堀口大學譯の日本詩歌集が、パリ出発の前々日、なぜか3ヶ月近くも経ってから届きました。あわてて古本屋に連絡し再支払いをしました。なかなかきれいな洒落た本、この値段では安い。
Nico-D.HORIGUTCHI『Tankas―Petits Poèmes Japonais』(FAUCONNIER、21年12月、2138円)
表紙
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