:下鴨納涼古本まつりほか

 下鴨古本市にはだいたい初日に行くことにしていますが、今年は旅行が入ったので、何十年と通って初めて最終日を体験しました。最終日はプライスダウンがあるということでしたが、聞きしに勝る安さです。3冊500円のはだいたい5冊500円に訂正されていました。友人が500円で40冊ほど買ったという袋詰めは見逃してしまいましたが。

 9時半に会場に到着すると、10時開場なのに、半分近くのお店がもう開いていました。初日に比べるとあまり厳しく管理していないようです。まず、吉岡書店。ここはすべて値札を半額にしていました。なので、初日だったら1200円したはずの下記の本が600円。
ジェラール・ド・ネルヴァル篠田知和基訳『ローレライ』(思潮社、94年8月、600円)

 その後しばらく買えずにうろうろしていましたが、いちばん端っこの2軒で大量に発掘しました。
小笠原洋子『フリードリヒへの旅』(角川学芸出版、平成21年9月、300円)→新刊同様の状態で定価2500円もする本がこの値段。
フランシス・ポンジュ阿部弘一訳『物の味方』(思潮社、69年7月、300円)→学生時代に持っていたが手放していたので再購入。
gilbert LAFFAILLE『LA BALLADE DES PENDULES』(CHRISTIAN PIROT、94年9月、300円)→作者はどんな人か知らないがグランヴィルの挿絵がついていたので。
以上口笛文庫300円均一平台
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大塚幸男『閑適抄―ギッシングとともに』(第三書房、75年10月、300円)→函なし
倉長眞『中世紀に於ける英吉利藭秘文學』(教文館昭和15年9月、300円)→時たま見かける本、この安さなら。函は壊れていたが修復。
堀江珠喜『ベルエポック花模様』(北宋社、92年11月、300円)
高原英理『ゴシックハート』(講談社、04年9月、300円)
以上サンコウ300円均一平台
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 これでリュックが一杯になりかけたのでセーヴ。萩書房にて本日最高価格。
C.M.バウラ小林忠夫訳『象徴主義の遺産』(篠崎書林、昭和50年1月、800円)

 最後に紫陽書院100円均一平台にて。
野見山朱鳥『忘れ得ぬ俳句』(朝日選書、87年11月、100円)

 仲間と出町商店街の中のカフェで昼食後、みんなで商店街の中に最近できた古本屋に寄りました。なかなかいい本がありましたし、百円均一の棚がたくさんあるのに驚きました。が一冊も買わず。


 下鴨以外では、阪神百貨店の「古書ノ市」初日で、
葛原妙子『歌集 葡萄木立』(白玉書房、昭和38年11月、1000円)→裸本
春山行夫『詩人の手帖』(河出新書、昭和30年10月、300円)→W買い
九鬼周造『「いき」の構造』(岩波文庫、11年1月、300円)
九鬼周造随筆集』(岩波文庫、91年9月、300円)

 友人から奈良に最近また新しく古本屋ができたと聞き、ついでがあったのでさっそくその「柘榴の國」に行ってきました。日本の近代文学が充実しています。値段もそう高くない。
西條八十譯詩集』(交蘭社、昭和2年7月、900円)
矢山哲治『詩人の死』(風信社、75年9月、1500円)→900部の内140。立原道造と交流のあった夭折詩人。
篠田一士『三田の詩人たち』(講談社文芸文庫、06年1月、600円)→これもW買い
吉田健一『絵空ごと/百鬼の会』(講談社文芸文庫、91年6月、400円)
日夏耿之介全詩集』(創元社、昭和27年1月、1000円)→なぜか持ってなかったので。
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 オークション・ネットでは、下記3冊。
「流域 33」(青山社、平成4年12月、300円)
宇佐美斉編著『日仏交感の近代―文学・美術・音楽』(京都大学学術出版会、06年5月、3000円)
『フランス語教養講座Ⅵ フランス詩の鑑賞』(河出書房、昭和27年10月、1383円)
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