:四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本まつり

 昨日は、四天王寺秋の大古本祭りと天神さんの古本まつりの二つの古本市に行ってまいりました。両方ともそろって初日というのは初めてではないでしょうか。かなりハードな一日となってしまいました。おまけに天気予報は雨マークが出ていたので、帽子もかぶらずにふらふらと出て行ったところ、「下鴨より暑い」という声が聞こえてくるほどの陽射しで、熱中症になりかけました。

 四天王寺を最初に目指しましたが、開場10時の15分前ぐらいに着きそうになったので、I文庫の方角を覗いてみると、珍しくオープンしていました。すでに同じような古本客で満杯状態。そこで、
来嶋靖生編『東海道品川宿岩本素白随筆集』(ウェッジ文庫、07年12月、350円)
竹中郁『巴里のてがみ』(編集工房ノア、86年3月、800円)
をとりあえず購入。小酒井不木の『生命神秘説』とかいうのが100円でありましたが、読みそうにないのでパス。
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 会場では、100円均一には見るべきものなし。いつも時間をロスすること夥しいK文庫の5冊1000円の罠にはまらないように避けて、しばらくうろうろするも収穫なく焦っていたところ、I書店で、探していた本が次々と見つかり嬉しくなりました。
牧野虚太郎詩集』(国文社、78年10月、1500円)→少々高いが他では見ないので。
レオン・ブロワ田辺保訳『薄気味わるい話』(国書刊行会、89年5月、1200円)
村松嘉津『ヴェルサイユ春秋』(東京創元社昭和32年11月、500円)→箱は汚れていたが中は美本。

 D堂で、いまフランス中世に凝っているので、
ルノー・ドゥ・ラ・クロワ吉田春美訳『中世のエロティシズム』(原書房、02年8月、1000円)

 P文庫の200円均一で、
佐々木幹郎詩集『死者の鞭―1967〜1970』(構造社、昭和45年10月、200円)→大昔持っていたのを買い直し。
丸山圭三郎『言葉とは何か』(夏目書房、95年8月、200円)

 Eブックスの300円均一で、
佐保田鶴治譯『ウパニシァッド』(弘文堂書房、昭和20年3月、300円)→会話体が読みやすそうだったので。
堀田善衛『聖者の行進』(筑摩書房、86年11月、300円)→中世もの。柄澤齋の版画入りの豪華本。

 どこか忘れたところで、
西永良成『「超」フランス語入門―その美しさと愉しみ』(中公新書、04年4月、200円)

 そろそろ天神さんへ移動しようかと思って、休憩所近くまで戻ってきたら、G書の三冊600円で、
相場信太郎編堀井梁歩訳『異本ルバイヤット』(叢園社、昭和53年8月、200円)→昭和22年刊の旧版は持っているが安いので。
日夏耿之介『耐病秘記』(東峰書房、昭和18年3月、200円)
柳田國男『火の昔』(實業之日本社、昭和21年3月、200円)→装幀がなんとも言えず柳宗悦のものと共通する味わいがある。
ついでにG書の普通の棚も見て、下記のタイトルに惹かれて、
南日恒太郎『英詩藻塩草』(北星堂、大正12年6月、500円)
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 次の天神さんへ着いた頃には、すでに本の重さでくたくたになっていました。
100円均一で、
山折哲雄『神秘体験』(講談社現代新書、89年4月、100円)
村野四郎編『西脇順三郎詩集』(新潮文庫、昭和40年1月、100円)
ル・コック木下龍也訳『中央アジア秘宝発掘記』(角川文庫、昭和37年10月、100円)

 Mがたくさん雑誌を出していて、ぺらぺらだが豪華執筆陣に惑わされて、
辰野隆他「襍志4 特輯 顔について」(同學社、昭和21年9月、300円)→日夏耿之介鈴木信太郎、呉茂一、小牧健夫、石川道雄など。表紙が面白い。世亭巴丹という人が表紙の装幀を担当した六隅許六の業績を紹介しているが、いずれも渡辺一夫ペンネームだろう。

 Kの一冊300円二冊500円のコーナーで、一冊のみ。
『世界短篇文学全集5 フランス文学 中世〜18世紀』(集英社、昭和38年12月、300円)
どっと疲れが出ました。

 オークションでは、ひとりの出品者からドイツ文学関係が大量に出ていたなかから、いくつか購入。
シュトルム『グリースフース年代記』(白水社昭和16年3月、121円)
小牧健夫『ノヴァーリス』(櫻井書店、昭和24年12月、331円)
小牧健夫『独逸文学鑑賞』(小山書店、昭和17年4月、300円)
オスカル・ヴァルツェル飯田安譯『ロマン主義の世界観と芸術観』(第一書房昭和10年7月、500円)

 他に、
粕谷栄市詩集『世界の構造』(詩学社、71年10月、565円)

 しばらく自粛をして、次の百万遍に備えましょう。