:百万遍秋の古本まつりと岡山古本ツアーほか

 秋は古本のシーズン。百万遍の古本まつりに重なるように岡山古本ツアーを挙行いたしました。というのはいつも一緒に地方の古本屋巡りをしている古本仲間が、東京から百万遍古本市に来たついでに、足を延ばして岡山へも行こうという算段。岡山シンフォニービルの古本市にもうまく合いました。

 百万遍秋の古本まつりは初日に参戦。いつものように出町柳で降りてR書店のバーゲンセールに駆けつけましたが、すでに黒山の人だかりで、収穫なし。本会場では、古本仲間の一人がここが一番と太鼓判を押すK書店3冊500円均一台前で開場を待つ。他の人が山のように古本を抱えるなかで、私は2冊を手にしたままうろうろする状態が続きましたが、別の台にも3冊500円コーナーが続いていることを知って、2セット買うことができました。
山田稔『旅のいざない』(冬樹社、昭和49年6月、166円)
生島遼一『鏡花万華鏡』(筑摩書房、92年6月、167円)
窪田般彌他編『フランス―絵画と文学の心』(小沢書店、昭和55年9月、167円)
大塚幸男『アルフレッド・ド・ヴィニ―その生涯・その作品』(白水社、71年10月、167円)
江國滋『旅券は俳句』(新潮社、90年6月、166円)
竹下節子『パリのマリア―ヨーロッパは奇跡を愛する』(筑摩書房、94年3月、167円)
が、これも本命というにはほど遠い。
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 次にA堂の3冊500円コーナーに移って、
出口保夫『イギリス文芸出版史』(研究社出版、昭和61年9月、167円)
園部四郎『チャイコフスキー物語』(岩波新書、昭和24年9月、167円)
ベネット山内義雄訳『文学趣味―その養成法』(岩波文庫、昭和48年3月、166円)
の3冊を購入。これもお付き合い程度。ついでにテントの中を見ると、ようやく探していた本が見つかりました。
『書物の王国①架空の町』(国書刊行会、97年10月、1000円)
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 昼からの部は快調に探求書をゲット。まず、S堂で
A・ロブ=グリエ江中直紀訳『幻影都市のトポロジー』(新潮社、79年2月、800円)
マリウス=フランソワ・ギュイヤール福田陸太郎訳『比較文學』(白水社、64年5月、300円)
次に、H書房で、
『総展望 フランスの現代詩』(思潮社、90年6月、1200円)
藤澤衞彦『印度の傳説』(天佑書房、昭和17年9月、500円)→この日唯一のW買い。
O堂では、これも長らく探していた本が安く入手できました。
『さらば夏の光りよ 津村信夫詩集』(矢代書店、昭和23年1月、500円)
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あとは下記のとおり。
「翻訳の世界 特集:堀口大學」(日本翻訳家養成センター、79年1月、200円)→Kブックスにて。
ヴァルター・フリートレンダー斎藤稔訳『マニエリスムバロックの成立』(岩崎美術社、79年2月、200円)
クルティウス大野俊一譯『現代ヨーロッパに於けるフランス精神』(生活社、昭和19年3月、200円)→以上F屋書店。
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 岡山古本ツアーは、10月31日出発で昨日帰着。岡山、倉敷と二日間5軒と古本市一カ所をまわって9冊。古本ツアーと言いながらあまり買いませんでしたが、実はふらふらと酒を飲むのが本当の目的なので、こんなもんでしょう。岡山シンフォニービルの古本まつりで、
鎌田茂/上山春平『仏教の思想6 無限の世界観〈華厳〉』(角川文庫、平成8年10月、350円)
塚本邦雄虹彩和音』(季刊銀花、76年6月、1000円)→500部限定。

 M書店本店は、聞きしに勝る物凄い分量の本に圧倒されましたが、値付けが高くて手が出せません。かろうじて下記2冊を購入。
サブリナ・エレオノーラ/豊田菜穂子訳『プロコフィエフ短篇集』(群像社、09年8月、857円)→プロコフィエフが小説も書いていたとは知らなんだ。
R.L.Brett児玉実英訳『空想と想像力』(研究社出版、昭和46年4月、571円)
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 N荘は本がうずたかく積み上げられていて、足の踏み場がないとはこのことか。
井尻正二編『詩人吉田一穂の世界』(築地書館、昭和50年7月、1000円)
『續仏蘭西詩集』(青磁社、昭和22年3月、500円)→普通の大きさの本で持っているが、文庫の形は珍しいので。
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 G堂は今風の洒落たつくりの古書店、いい本が置いてありました。
嶋岡晨『詩のある俳句』(飯塚書店、94年4月、800円)
森敦『星霜移り人は去る―わが青春放浪』(角川文庫、昭和55年1月、300円)
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 倉敷では、M文庫に寄りました。充実した品ぞろえでしたが、残念ながら希望の本にはめぐりあえず。N書店で今興味のある下記を購入。
杉山二郎『大仏以後』(学生社、昭和61年7月、1260円)

 それ以外の古本報告は下記のとおり。
麻雀会の途上立ち寄るいつもの堺筋本町T書店で、
柏倉康夫『マラルメ探し』(青土社、92年9月、1058円)
イアン・ベッグ林睦子訳『黒い聖母崇拝の博物誌』(三交社、94年7月、1058円)

 オークションでは、
田中規久雄『詩洋五十年史 中巻(4)』(アポロン社、昭和62年12月、1000円)→これは珍しい本。
「流域 10号」(青山社、昭和57年11月、300円)
「流域 11号」(青山社、昭和58年5月、300円)