:京都下鴨納涼古本まつり

 今年の下鴨古本まつりは、台風11号の影響で初日中止順延という一大事となりました。会場で「27年間で初めて」という古書店主の声も聞こえました。その順延された初日も前夜から激しい雨でどうなるかと思いましたが、幸いオープン直前に雨も上がりました。地面が濡れ、木々の葉から雫がぽつぽつ落ちるという状態でしたが、テント外の均一本も何とか見ることができました。

 スタートして1時間経ってもまったく収穫なく焦りましたが、K文庫均一コーナーでまず、
江國滋俳句館』(朝日新聞社、昭和61年3月、200円)
を購入。これで江國滋の俳句シリーズはほぼ揃ったのではないか。

 次に、古書H(だと思う)の均一コーナーで、
田辺保『フランスにやって来たキリストの弟子たち―「レゲンダ」をはぐくんだ中世民衆の心性』(教文館、02年3月、200円)
山本善行上林暁傑作小説集『星を撒いた街』(夏葉社、12年4月、200円)→山本さん、新刊を買わずに申し訳ありません。
現代日本文學全集第三十六編『紀行随筆集―附「春」「嵐」』(改造社昭和4年8月、200円)
の3冊を購入。
『キリストの弟子たち』も『星を撒いた街』もともに美本だが外カバーなし。それで破格の安値だったんでしょうね。『紀行随筆集』も古い割には美本。平田禿木戸川秋骨、吉江孤雁らも入っている。

 A堂の3冊500円しかも1冊売りはしませんというコーナーで、3冊そろえるのに難儀しましたが・・・
『dictionnaire analogique』(Larousse、92年4月、166円)
『nouveau dictionnaire des synonymes』(Larousse、92年3月、167円)→古い版は持っているので差し替え。
内田百輭百鬼園俳句』(青磁社、昭和18年10月、167円)


 車で来ていた古本仲間と岡崎まで遠征して、昼飯がてら新しくできたHという古本屋へ。近年まれに見るなかなかの品揃え。長らく探していたが高値で手が届かなかった下記をゲット。本当は値付けはもっと高かったんですが、同じ本をもう1冊入荷したとのことでまけてくれました。
H・ブルーメンベルク生松敬三/熊田陽一郎訳『光の形而上学―真理のメタファーとしての光』(朝日出版社、昭和52年10月、1500円)

 また下鴨に戻って閉場間際まで奮闘しましたが、結局下記のみ。
ドーマル巖谷國士訳『類推の山』(白水社、78年4月、800円)
宗左近詩集『魔法瓶』(文学書林、昭和48年6月、200円)
モーリス・バレス関口俊吾/三輪啓三譯『エル・グレコ―トレードの秘密』(白水社昭和18年5月、200円)
石原孝哉/市川仁『ロンドン・パブ物語』(丸善ライブラリー、平成9年12月、250円)
原孝一郎『幻想の誕生―イメージと詩の創造』(柏書房、95年9月、200円)→この本はよく見かけるがこれまで買わずにいたもの。
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 別の日、会社OB麻雀会のついでにいつもの堺筋本町T書店で。
堀越孝一『軍旗はブラシュの花印』(小沢書店、91年2月、518円)
堀越孝一『日記のなかのパリ―パンと葡萄酒の中世』(TBSブリタニカ、85年12月、216円)
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 オークションでは下記1点のみ。比較的きれいな本。附の「愛撫の園」の翻訳の元本(FRANZ TOUSSAINT『LE JARDIN DES CARESSES』) を所持しているので、比較したいということもあって。
川路柳虹譯『ビリチスの唄 附:愛撫の園』(國際文獻刊行會、大正15年11月、2000円)