2016-02-01から1ヶ月間の記事一覧

:山村嘉己『象徴主義は死なず』

山村嘉己『象徴主義は死なず―フランス象徴主義詩史概説』(青山社 1995年) 山村嘉己氏はフランス象徴主義が専門のようで、著書も三冊ばかり所持していますが、いずれもその分野に関するもの。今回初めて読みました。この本は学生向きに書かれた通史による概…

:平野威馬雄『フランス象徴詩の研究』

平野威馬雄『フランス象徴詩の研究』(思潮社 1979年) 20年近く前に読んだ本の再読。衝撃的な『隠者の告白』で著者に興味を持ち読んだことを覚えています。当時の感想文には、内容の乱脈さ、編集の粗雑さに対して不満を書き連ねていて、評価もかなり低くつ…

:久しぶりにオークションで落札

今年になって、雑誌1冊を除いてオークションではことごとく敗退していました。理由は、古本買いを少しセーヴするために、無理せずに価格を抑えて入札しているからです。ところが今週はなぜか安価に次々と落札できました。 豊島与志雄童話作品集『夢の卵』(…

:フランス詩対訳解説本もう一冊

田中淳一『地球とオレンジ―フランス現代詩を読む』(白水社 1980年) 白水社の「ふらんす双書」の一冊。前回の『ミラボー橋の下をセーヌが流れ』もこのシリーズ。他に安藤元雄のフランス詩対訳本を読んだことがあります。 この本の特徴は、エリュアール以降…

:フランス詩の注釈書2冊

///扉 窪田般彌『ミラボー橋の下をセーヌが流れ―フランス詩への招待』(白水社 1996年) 堀口大學『註と解 仏蘭西現代詩の讀み方』(第一書房 1932年) 窪田般彌を読むのはこれが最後。ここからフランス詩についての本を続けて読んでみようと思います。二冊…

:窪田般彌の随筆2冊

/// 窪田般彌『夜の牡蠣』(小沢書店 1983年) 窪田般彌『ギボシと紫陽花』(六興出版 1986年) 少し軽めの随筆集二冊。『詩と象徴』などに比べて一篇がいずれも短く、新聞や雑誌、月報等に寄稿したものを集めたもののようです。『夜の牡蠣』には、個人的な…

:Henri de Régnier『ESQUISSES VÉNITIENNES』(アンリ・ド・レニエ『ヴェニス素描』)

Henri de Régnier『ESQUISSES VÉNITIENNES』(COLLECTION DE L’ART DÉCORATIF 1906年) 1906年の初版。あまりに古い本でページを開くと分解してしまいそうなので、各ページを写真に撮り、パソコンで拡大して読みました。活版印刷なので字が紙にめり込んだ感…

:窪田般彌『詩と象徴―日本の近代詩人たち』

窪田般彌『詩と象徴―日本の近代詩人たち』(白水社 1977年) 全般的に、前回読んだ随想風の『フランス文学夜話』に比べて濃密な印象があり、文章が論理的でしっかりした評論が揃っています。全篇を通じて日本の詩がテーマになっており『日本の象徴詩人』の続…