:四天王寺と京都勧業館古本市

 ゴールデンウィークの二大古本市に行ってまいりました。


 まず「四天王寺春の大古本市」、二日目の26日(土)に古本仲間と集まりました。他のメンバーが段ボール箱で購入本を郵送するなか、私は年々収穫が減って来て、下記3冊のみ。
W・B・イエーツ山宮允譯『善悪の観念』(東雲堂書店、大正4年3月、300円)→残念ながら背のタイトルが剥がれているので安い。
矢野峰人『近英文藝批評史』(全國書房、昭和18年12月、300円)→硬そうな本なのでこれまで買わずにいたが、あまりに安いので。
櫻庭信之『英国パブ・サイン物語―酒場のフォークロア』(研究社出版、93年11月、1000円)

 昼飯がてら、近くのI文庫へ立ち寄りましたが、100円の棚がさらに20%割引になっていて、2冊で驚異の160円。
ジャン・チボードー荒木亨訳『夜を想像せよ』(新潮社、71年3月、80円)
大橋保夫他『フランス語とはどういう言語か』(駿河台出版社、93年5月、80円)
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 京都の「勧業館春の古書大即売会」は初日の1日(木)。同時に出町柳近くのR書店のバーゲンがあると聞いていたので、雨の中一番乗り。オープンの頃にはタイミングよく雨が上がりました。下記2冊はいずれも美本、驚異的な安さです。
道宗照夫バルザック初期小説研究「序説」(二)』(風間書房、平成元年3月、300円)→(一)を持っている行きがかり上。
田中秀央/落合太郎編『ギリシア・ラテン引用語辭典』(岩波書店、75年3月、400円)
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 その後バスにて岡崎勧業館会場へ。毎度ながら勧業館は値付けが高く、専門書が多くかつ文芸書が少ない。とくに今回はR書店の驚異的安さの直後だけに、落差が大きい。そのなかでも下記8点をゲット。
芳賀徹編『翻訳と日本文化』(国際文化交流推進協会、00年4月、950円)→芳賀徹のほか、井波律子、高橋英夫村上春樹ら。
戸張通子『マルトー―大作曲家たちを虜にした世紀の大ヴァイオリニスト』(ショパン、10年2月、950円) →マルトーなる人は知らないが、19世紀末から20世紀初頭の音楽界が垣間見えるので。
アナトオル・フランス大塚幸男譯註『追憶の薔薇』(白水社昭和7年12月、1000円)
伊藤海彦『小径の消息―かまくら自然手帖』(かまくら春秋社、昭和52年7月、600円)
高橋哲雄『アイルランド歴史紀行』(筑摩書房、91年11月、500円)
林丈二『ロンドン歩けば・・・』(東京書籍、平成14年5月、500円)
石井柏亭『歐州 美術遍路 上巻』(東雲堂書店、大正2年5月、500円)
若山牧水『随筆紀行集 森の小径』(齋藤書店、昭和21年12月、500円)
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 昼飯がてら、古本仲間と近くのUという古本カフェ(ちょうどミニ古本市を開催中)へ行きましたが、そこで林哲夫さんと出会い、三人で一緒にあれこれ古本談議をしました。古本カビで病気になった人の話、京都の新しい古本屋の話、不品行で退学になる大学生の話など。その後、勧業館に戻って閉館間際まで奮戦しましたが1冊も買えず。どっと疲れ。
 

 オークションでは、下記1点のみ。
丸山薫『詩集 十年』(創元社、昭和23年11月、300円)