2025-01-01から1年間の記事一覧

百万遍秋の古本まつりと阪神百貨店古書ノ市ほか

報告が遅くなってしまいましたが、京都百万遍の秋の古本まつりに、初日(10/30)に行ってきました。 会場へ行く前に立ち寄った臨川書店で、下記2冊のみ。 VERONIQUE/JEAN EHRSAM『LA LITTÉRATURE FANTASTIQUE EN FRANCE』(HATIER、85年7月、100円) →何とW…

メンデルスゾーンとグリーグの弦楽四重奏曲

『The Shanghai Quartet』(DELOS DE 3153) メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第2番 イ長調、作品13 グリーグ:弦楽四重奏曲 ト短調、作品27 WeiGang Li(Vn)、HongGang Li(Vn)、Zheng Wang(Vla)、James Wilson(Vc) グリーグのヴァイオリンソナタ第3番…

馬渕明子『ジャポニスム』

馬渕明子『ジャポニスム―幻想の日本』(ブリュッケ 2000年) 美術の領域でのジャポニスムについての本を読みました。エキゾティックな関心から日本の風俗や物品をそのまま絵画の中に入れ込むのをジャポネズリー、日本的な自然観や絵画に対する考え方、技法の…

高橋邦太郎「『蜻蛉集』考」

高橋邦太郎「『蜻蛉集』考」(共立女子大学 1966年) ジュディット・ゴーチェの『蜻蛉集』にいち早く注目した高橋邦太郎の論考です。前回読んだ吉川順子『詩のジャポニスム』でもたびたび言及されていました。「共立女子大学紀要(第十二輯)」のいわゆる抜…

吉川順子『詩のジャポニスム』

吉川順子『詩のジャポニスム―ジュディット・ゴーチェの自然と人間』(京都大学出版会 2012年) 引き続き、ジュディット・ゴーチェについての本を読みます。これも女性フランス文学者の著作。ジュディットの文壇デビューとなった書評、美術批評、音楽批評に始…

FREDERICK TRISTAN『LA GESTE SERPENTINE』(フレデリック・トリスタン『蛇状叙事詩』)

FREDERICK TRISTAN『Curieuse histoire de la GESTE SERPENTINE racontée par Jean-Arthur Sompayrac, accompagnée de notes et commentaires rédigés par le Professeur Adrien Salvat(ジャン=アルトゥール・ソンペイラックが語り、アドリアン・サルヴァ…

門田眞知子『クローデルと中国詩の世界』

門田眞知子『クローデルと中国詩の世界―ジュディット・ゴーチェの「玉書」などとの比較』(多賀出版 1998年) 再びフランス詩の話題に戻ります。前回の本『磨く松園、視る松篁、誘う淳之』との共通点は、著者が女性のフランス文学者という点と、東西文化交流…

柏木加代子『磨く松園、視る松篁、誘う淳之』

柏木加代子『磨く松園、視る松篁、誘う淳之―上村三代の画業、京都画壇・京都芸大とともに』(大垣書店 2025年) 先日、奈良日仏協会の奈良の古寺を巡る催しに、著者の柏木加代子さんが参加されていて、このご著書を紹介いただいたので、読んでみました。日本…

稲垣直樹『ヴィクトル・ユゴーと降霊術』

稲垣直樹『ヴィクトル・ユゴーと降霊術』(水声社 1993年) 前回読んだ安齋千秋『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』のなかの「ユゴーのエゾテリスト的稟質―ジャージー島での心霊術体験」という章が面白かったので、架蔵していた関連本を読んでみました。…

安齋千秋『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』

安齋千秋『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』(近代文藝社 1996年) 前回読んだカトーイ『オルフィスムと予言の詩』の訳者の書いた本で、テーマに繋がりがありそうなので読みました。『オルフィスムと予言の詩』で取り上げられた7人の詩人のうち、重複し…

Frédérick Tristan『Le fils de Babel』(フレデリック・トリスタン『バベルの息子』)

Frédérick Tristan『Le fils de Babel』(Balland 1988年) 久しぶりに、フレデリック・トリスタンを読みました。と言っても1年半ぶり。これで6冊目になるでしょうか。ひとことで言って、奇想の書、怪作です。最後の部分を除き、冒頭からすべてが、狂気に陥…

ジョルジュ・カトーイ『オルフィスムと予言の詩』

ジョルジュ・カトーイ安齋千秋訳『オルフィスムと予言の詩』(昭森社 1973年) 引き続きフランスの詩に関する本を読みました。ユゴー以降の近代詩人、ネルヴァル、ボードレール、マラルメ、ランボー、ヴァレリー、クローデル、計7人の詩人を取り上げ、タイト…

久しぶりにフランスの古本屋へ発注ほか

9月以降に購入した古本を報告します。2ヶ月もあった割には、少ししか買いませんでした。齢相応というべきか。 来年読むフランス書を確保しようとして、ちょうど読み始めていたフレデリック・トリスタンの小説が面白かったので、ブックファインダーで検索して…

原孝一郎『幻想の誕生』

原孝一郎『幻想の誕生―イメージと詩の創造』(柏書房 1995年) 詩にも関連はしますが、文学芸術のなかの幻想について考えた本。日本語の著作で、幻想をテーマに、しかも文学と芸術をともに視野に収めるかたちで考究した本は数少ないので、貴重と言えます。著…

栗田勇『フランス近代詩入門―附 フランス詩法概要』

栗田勇『フランス近代詩入門―附 フランス詩法概要』(錬金社 1958年) 前半にフランス近代詩の原文テキスト、後半にフランス詩法の概要説明を配した本。後半部分だけを読みました。かなり昔に、鈴木信太郎の『フランス詩法』上・下を読んでいますが(2011年2…

イヴォン・ブラヴァール『詩の心理学』

表紙 本体 イヴォン・ブラヴァール山田直訳『詩の心理学』(ユリイカ 1956年) 詩論の本がないかと本棚をあちこち探っていたら出てきたもの。途中で、他にもいくつか詩論に関する本を見つけましたが、いずれもすでに読んでいました。記録に当たってみると、2…

アンリ・メショニック『詩学批判』

アンリ・メショニック竹内信夫訳『詩学批判―詩の認識のために』(未来社 1982年) 先月、奈良日仏協会の会合で、フランス詩についての興味深いお話を伺ったとき、講師の方がアンリ・メショニックを研究していて、リズムの理論に惹かれたと発言されていたので…

MARCEL BÉALU『PAIX DU REGARD SANS DÉSIR』(マルセル・ベアリュ『欲望なき眼差しの平和』)

MARCEL BÉALU『PAIX DU REGARD SANS DÉSIR』(JOSÉ CORTI 1988年) マルセル・ベアリュの作品はこれまでもたびたび取り上げていますが、詩を読むのは初めて。ウィキペディアの記事によると、詩集はたくさん出されているようで、私も1936年から1980年までの詩…

ジャン・ポーラン『詩の鍵』

ジャン・ポーラン高橋隆訳『詩の鍵』(国文社 1986年) これからしばらく詩についての本を読んでいきます。まず今年6月古本市でぱらぱらとめくって、詩と神秘の関係について論じられていそうだったので、買い求めた本。読んでみると、詩の神秘についてロマン…

Maurice Renard『Le péril bleu』(モーリス・ルナール『青い脅威』)

Maurice Renard『Le péril bleu』(Infolio 2010年) モーリス・ルナールを読むのは、『LE MAÎTRE DE LA LUMIÈRE(光を支配するもの)』以来、1年ぶり、これで8冊目になります。本作は、初期の長編小説で、けっこうなヴォリューム(438ページ)があります。S…

「WAVE 5号―特集メタフィクション」

「WAVE 5号―特集メタフィクション」(WAVE 1986年) メタフィクションに関する最後の読書として、今回は、「メタフィクション」特集の雑誌を取り上げました。対談あり、翻訳あり、SF論、映画論、演劇評から、漫画に至るまで、15の小品が並び、80年代後半の日…

サン=サーンス「ヴァイオリン・ソナタ第1番」ほかをコンサートで聴く

しばらくぶりで音楽の話題。少し前の話になりますが、7月26日、ザ・フェニックス・ホールで行なわれた「朝の光のクラシック」というのに行ってきました。最近は、夜のコンサートはほとんど敬遠して、主にお昼のコンサートに出かけるようにしていますが、この…

由良君美『メタフィクションと脱構築』

由良君美『メタフィクションと脱構築』(文遊社 1995年) 今度は、学生のころから『椿説泰西浪曼派文学談義』、『みみずく…』シリーズなどで親しんできた由良君美のメタフィクション論。由良の本としては最後のもののようです。前回と前々回読んだ二冊の生硬…

パトリシア・ウォー『メタフィクション』

パトリシア・ウォー結城英雄訳『メタフィクション―自意識のフィクションの理論と実際』(泰流社 1986年) 引き続きメタフィクションについてです。『メタフィクションの思想』の解説で、高山宏が、メタフィクション論については、「パトリシア・ウォーの『メ…

神田神保町古書街、阪神百貨店古書ノ市ほかいろいろ

前回報告から、2ヵ月経ちましたが、今回は、けっこう古書市や古本屋に行きました。まず、一昨日、昨日と東京に用事があって出かけたついでに、神田の古本街を覗いてきました。 欲しい本が見つかったり、見たことのない本で気を惹かれるのがあったりしても、…

巽孝之『メタフィクションの思想』

巽孝之『メタフィクションの思想』(ちくま学芸文庫 2001年) 大昔、まだ中学か高校のころだと思う、筑摩文学大系のローレンス・スターン『トリストラム・シャンディ』をふと手にして(たぶん途中で投げ出した)、それまで小説について抱いていた観念が払拭…

小田中章浩『フィクションの中の記憶喪失』

小田中章浩『フィクションの中の記憶喪失』(世界思想社 2013年) 何とも痺れるようなワクワクするようなタイトル。まさに私の探していた本です。学生のころに、矢島輝夫、上田周二、バタイユ、H・H・ヤーンなど、夢の中をさまようような境地を描いた小説を…

森岡貞香に関する本二冊

中野昭子『森岡貞香「白蛾」「未知」「甃」の世界―わたくしの全身をこめたわたくしのうたを』(短歌研究社 2005年) 山中登久子『森岡貞香断章』(本阿弥書店 2010年) 短歌について続けて読んできましたが、短歌シリーズの最後として、以前から気になってい…

JEAN LORRAIN『LE SANG DES DIEUX』(ジャン・ロラン『神々の血』)

JEAN LORRAIN『LE SANG DES DIEUX』(EDOUARD-JOSEPH 1920年) 10年ほど前、パリのサン=シュルピス教会近くの古本屋CLAUDE BUFFETで買った詩集。Émile ALDERという人の木版画挿絵が10点ついた1920年の再版です。初版は1882年、ジャン・ロラン27歳のときに自…

塚本邦雄『百珠百華』

塚本邦雄『百珠百華―葛原妙子の宇宙』(砂子屋書房) 塚本邦雄が葛原妙子の百首を選び、独自の鑑賞をした本を、むかし読んだことを思い出して、再読してみました。15年ほど前になりますが、そのときの読書ノートを参照してみると、16首の作品に〇がついてい…