2025-07-01から1ヶ月間の記事一覧

葛原妙子『孤宴(ひとりうたげ)』

葛原妙子『孤宴(ひとりうたげ)』(小沢書店 1981年) 幻想短歌を語るには、大御所の葛原妙子を外すわけにはいきません。葛原妙子の短歌に初めて接したのは、大学時代、三一書房から鳴り物入りで出た『現代短歌体系』の初回配本に、塚本邦雄と並んで収めら…

谷中安規の短歌と伝記

坪野荒雄『お伽ばなしの旅びと―谷中安規と短歌』(雁書館 1995年) 吉田和正『かぼちゃと風船画伯―愛と幻想の版画家・谷中安規の生と死』(読売新聞社 1998年) 谷中安規の短歌について書いた本があったことを思い出して、版画と同じような妖気漂う短歌に出…

RENÉ-JEAN CLOT『L’amour épouse sa nuit』(ルネ=ジャン・クロ『愛は夜と結婚する』)

RENÉ-JEAN CLOT『L’amour épouse sa nuit』(Grasset 1991年) ルネ=ジャン・クロの名前を知ったのは、たしか大学に入ってすぐに買った『Dictionnaire de la littérature française contemporaine(現代フランス作家辞典)』で、fantastique(幻想的)とかm…

水原紫苑の二冊

水原紫苑『空ぞ忘れぬ』(河出書房新社 2000年) 水原紫苑『うたものがたり』(岩波書店 2001年) 前にも書きましたが、毎日新聞歌壇の水原紫苑選の作品には、毎週目を通すようにしています。私の趣味に近い不思議な味わいの作品が多いからです。それで、ご…

中井英夫『黒衣の短歌史』

中井英夫『黒衣の短歌史』(潮出版社 1971年) 『怪談短歌入門』、『怖い短歌』の続きで、幻想小説の書き手中井英夫の戦後短歌史の本をとりあげます。大学生のときに一度読んだ本で、昔の線引きやコメントが懐かしい。当時、『虚無への供物』を読んで心酔し…

怖い短歌に関する二冊

東直子/佐藤弓生/石川美南『怪談短歌入門―怖いお話、うたいましょう』(メディアファクトリー 2013年) 倉阪鬼一郎『怖い短歌』(幻冬舎 2018年) 短歌には、ふだんはあまり触れるということがありませんが、毎日新聞歌壇の水原紫苑選の作品だけは週1回目を…