:仙台の古本屋と全大阪古書ブックフェア

 このところ毎年末に、大学時代の友人らと仙台で冬合宿があり、今年も行ったついでに古本屋を一軒覗いてきました。S書店というところで何年か前に行ったM書店の姉妹店だそうです。地下1階、地上3階の大規模なお店で、1〜2時間では見て回れないぐらいの量でしたが、残念ながらこれぞという本は持っている本ばかりで新しい掘り出し品はありませんでした。

マーテルリンク片山敏彦譯『貧者の寶』(新潮文庫昭和35年6月、500円)→これは旧い本で持っていたような気がするがいま探しても見当たらない。
EDMOND JABÉS『Le Livre des Questions』(GALLIMARD、84年6月、400円)→3Fは洋書フロア、フランス語の本もひと棚分ぐらいあって、マゾッホの仏訳なんぞもありましたが買わず。

 待ち合わせまで時間が少し余ったので仙台駅前の新古書店Bで、
小池寿子『死を見つめる美術史』(ポーラ文化研究所、99年10月、960円)
澤正宏『西脇順三郎モダニズム―「ギリシア的抒情詩」全篇を読む』(双文社出版、09年4月、960円)→これは探していた本なので嬉しい。
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 先週末は、大阪古書会館で行われている全大阪古書ブックフェアに行ってきました。今回初めてでしたが、会館の1Fと3Fを使っていて、いつもの谷まち月いち展の倍ほどの規模です。I書店が仙花紙本など古いのを大量放出していて、ネルヴァル『美はしき放浪』やローダンバック多田道太郎/黒田憲治譯『死の都ブリュージュ』、独逸ロマンチック叢書など、私が苦労して少しずつ集めた本がいちどきに、しかも格安で出ていて悔しい。以下購入したもの。
ERCKMANN-CHATRIAN『Contes des bords du Rhin, Maître Daniel Rock et autres contes』(Jean-Jacques Pauvert、88年2月、400円)→所持していた本と内容が半分ほど重複していたが、安かったので購入。
中村真一郎対話集2―文学と近代』(国書刊行会、昭和60年7月、800円)→阿部良雄らとの世紀末についての鼎談が載っている。
中村真一郎対話集4―幻想と世界』(国書刊行会、昭和60年10月、800円)→入沢康夫らとのネルヴァルについての対話、由良君美幻想文学についての対談が載っている。この2冊は気楽に読めそうだったので。
鹿島茂『成功する読書日記』(文藝春秋、02年10月、500円)→何かの参考になるかなと、それに仏文学の話があちこちに出ているようだったので。
『庄司淺水著作集 書誌篇 第一巻 世界の古本屋』(出版ニュース社、昭和54年9月、200円)→あまりの安さに。
坂本満『版画散歩』(筑摩書房、85年11月、200円)→これも安い。この2冊はT書房。
林房雄『サルタンの花嫁』(新興藝術社、昭和23年1月、300円)
竹山道雄『北方の心情』(養徳社、昭和23年10月、200円)→以上2冊は仙花紙本で、上に書いたI書店の出品。
横田順彌『古本探偵の冒険』(学陽書房、98年8月、480円)→すでに所持読了の『探書記』の文庫化だったが、少し付け足しがあったので我慢しよう。
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 先々週末の土曜日には、古本仲間の忘年会を行ない、阪急カッパ横丁の古書サロンで待ち合わせしたので、少々高いがお付き合いで下記を購入。
B.A.ギリャロフスキー村手義治訳『わが放浪わが出会い―帝政末期のロシア人』(中公文庫、90年12月、600円?)
日夏耿之介『風雪の中の対話』(中公文庫、92年11月、500円)
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 その日、帰りに難波の天牛書店に立ち寄り、下記を購入。
蔵持不三也編『フランス 国境の地アルザス』(社会評論社、90年3月、238円?)→旅行ガイドだが、阿部謹也饗庭孝男岸田秀など豪華執筆陣。

 他にオークションで、タイトルと限定150部などという惹句にひかれて、高値をつけて、
小門勝二『荷風散人傳 珊瑚集物語』(私家版、昭和46年11月、2310円)
小門勝二『パリの日本人 上巻』(私家版、昭和44年11月、1000円)
小門勝二『パリの日本人 下巻』(私家版、昭和44年12月、1200円)
小門勝二『パリ本秘蒐』(私家版、昭和42年6月、1310円)
小門勝二『続パリ本秘蒐』(私家版、昭和43年7月、1010円)
を落札しましたが、『パリの日本人』がかろうじてタイトルに近い内容で、あとは期待外れでした。愕然。