最近読んだ本・フランス書

:FRANZ HELLENS『LES MARÉES DE L’ESCAUT』(フランツ・エランス『エスコー川の潮』)

FRANZ HELLENS『LES MARÉES DE L’ESCAUT』(ALBIN MICHEL 1953年) エランスの作品を読むのはこれで3冊目。8つの短篇(うち3篇は連作になっている)が収められています。以前読んだ短篇集『FANTÔMES VIVANTS(幽霊のような人々)』も、実際に幽霊が登場する…

:REMY DE GOURMONT『Une Nuit au Luxembourg』(レミ・ド・グールモン『リュクサンブール公園の一夜』)

REMY DE GOURMONT『Une Nuit au Luxembourg』(MERCURE DE FRANCE 1923年) Luxembourgという言葉を知ったのは、学生の頃、ネルヴァルの詩「Une Allée du Luxembourg」からでした。初めてパリに行った時も真っ先にリュクサンブール公園を訪れたことを思い出…

:GASTON LEROUX「La double vie de Théophraste Longuet」(ガストン・ルルー「テオフラスト・ロンゲの二重生活」)

/// GASTON LEROUX『ROMANS FANTASTIQUES Ⅱ』(ROBERT LAFFONT 1964年) 生田耕作旧蔵書。648ページもある大部の本のうち314ページを占める大作。この本は他に「Le fauteuil hanté(呪われた椅子)」「L’homme qui a vu le diable(悪魔を見た男)」「Le coe…

:ÉMILE HENRIOT『AVENTURES DE SYLVAIN DUTOUR』(エミール・アンリオ『シルヴァン・デュトゥールの冒険』)

ÉMILE HENRIOT『AVENTURES DE SYLVAIN DUTOUR―CONTÉES PAR LUI-MÊME』 (エミール・アンリオ『シルヴァン・デュトゥールの冒険―告白録』)(LES PETITS-FILS DE PLON ET NOURRIT) エミール・アンリオは、アンリ・ド・レニエを中心とした文学グループにいた…

:JEAN RAY『LA CITÉ DE L’INDICIBLE PEUR―Roman policier ou roman d’épouvante?』(ジャン・レイ『とんでもない恐怖の町―推理小説それとも恐怖小説?』)

JEAN RAY『LA CITÉ DE L’INDICIBLE PEUR―Roman policier ou roman d’épouvante?』(MARABOUT 1971年) ジャン・レイは翻訳で大昔に『幽霊の書』、『マルペルチュイ』、『新カンタベリー物語』、『ウィスキー奇譚集』を読みましたが、フランス書は初めて。こ…

:HENRI DE RÉGNIER『Couleur du Temps』(アンリ・ド・レニエ『時の色』)

ルリュール中表紙 HENRI DE RÉGNIER『Couleur du Temps』(MERCURE DE FRANCE 1908年) ヤフーオークションで購入したもの。demi-reliure(一部革装丁)の美しい本。この本は1908年刊ですが、全体は4部に分かれていて、それぞれ「LE TRÊFLE BLANC(白いクローバー…

:HENRI DE RÉGNIER『LES BONHEURS PERDUS』(アンリ・ド・レニエ『消え失せた幸福』)

ルリュール風 HENRI DE RÉGNIER『LES BONHEURS PERDUS』(MERCURE DE FRANCE 1924年) この本はヤフー・オークションで買ったもの。一見ルリュールされているように見えますが、カバーをかけただけで、中は普通の仮綴じ本に紙のカバーがかかったまま。ルリュ…

:Jean Lorrain『Le vice errant』(ジャン・ロラン『さまよえる悪徳』)

Jean Lorrain『Le vice errant』(J.-C.Lattès 1980年) パソコンが壊れていちばん被害があったのが、この本の記録。いつもフランス語の本を読むときには、内容を簡単に日本語に直して書き留めるようにしています。でないと、なかなか思い出せないからです。…

:JEAN RICHEPIN『CONTES DE LA DÉCADENCE ROMAINE』(ジャン・リシュパン『羅馬頽唐譚』)

JEAN RICHEPIN『CONTES DE LA DÉCADENCE ROMAINE』(SÉGUIER 1994年) 昨年、ジベール・ジョゼフで買った新刊本。リシュパンを読んだのは初めて。日本では短篇がいくつか紹介されている程度で、あまりなじみがない作家と思います。廣瀬哲士の『新フランス文…

:FRANZ HELLENS『herbes méchantes et autres contes insolites』(フランツ・エランス『悪意ある草―奇想短篇集』)

FRANZ HELLENS『herbes méchantes et autres contes insolites』(marabout 1964年) 昨年パリの古本屋「L’amour du NOIR」で購入。フランツ・エランスはこれまで『FANTÔMES VIVANTS(幽霊のような人々)』という本しか読んでいません(2011年7月22日記事参…

:ALBERT SAMAIN『CONTES』(アルベール・サマン『物語』)

外表紙 ALBERT SAMAIN『CONTES』(MERCURE DE FRANCE 1907年) 昨年、ブラッサンス公園の古本市で購入した本。サマンの翻訳本は森開社の『青い眼の半獣神』、堀口大學の『サマン選集』や盛林堂の『サマン名訳集成』があるようですが、未入手。『サマン名訳集…

:Jules JANIN『CONTES FANTASTIQUES ET CONTES LITTÉRAIRES』(ジュール・ジャナン『幻想・文芸短篇集』)

/// Jules JANIN『CONTES FANTASTIQUES ET CONTES LITTÉRAIRES』(ressources 1979年) 生田耕作旧蔵書。国内のネットで購入した本。ルリュールの外観と、「神戸奢灞都館主蔵」の印が捺されている扉の部分を載せておきます。 ジュール・ジャナンはネルヴァル…

:Marcel Schneider『LE SANG LÉGER』(マルセル・シュネデール『軽い血』)

Marcel Schneider『LE SANG LÉGER』(ALBIN MICHEL 1952年) 前回読んだ『LE GUERRIER DE PIERRE』と同じく昨年オデオン広場の近くの古本屋dilettanteで買った本。同じ所有者が売ったらしく、両書とも気に入った文章の横に鉛筆で縦線をつけており、書評や広…

:MARCEL SCHNEIDER『LE GUERRIER DE PIERRE』(マルセル・シュネデール『石の戦士』)

MARCEL SCHNEIDER『LE GUERRIER DE PIERRE』(BERNARD GRASSET 1969年) シュネデールの小説を読むのは、『LE CHASSEUR VERT』(2010年3月10日記事)、『LES DEUX MIRROIRS』(2012年3月16日記事)以来これで3冊目。この作品は、シュネデールの数ある小説作…

:ボルヘス『幻獣辞典』ほか

/// ホルヘ・ルイス・ボルヘス/マルガリータ・ゲレロ柳瀬尚紀訳『幻獣辞典』(晶文社 1983年) 荒俣宏編『妖怪・怪物』(平凡社 1989年) Véronique Willemin/Joëlle Rodoreda『Les animaux fantastiques―Sculptures de Rêve』(Réunion des musées nationau…

:Jean-Baptiste Baronian『PANORAMA DE LA LITTÉRATURE FANTASTIQUE DE LANGUE FANÇAISE―Des origines à demain』(ジャン−バティスト・バロニアン『フランス幻想文学展望―起源から明日まで』)

Jean-Baptiste Baronian『PANORAMA DE LA LITTÉRATURE FANTASTIQUE DE LANGUE FANÇAISE―Des origines à demain』(La Table Ronde 2007年) フランス幻想文学の基本文献として、M・シュネデール、P・カステックスと並んで、よく名前が出てきていた本。ようや…

:MARCEL BRION『LE CAPRICE ESPAGNOL』(マルセル・ブリヨン『西班牙綺想曲』)

MARCEL BRION『LE CAPRICE ESPAGNOL』(Gallimard 1929年) ブリヨンの小説処女作。オデオン座広場の古本屋dilettanteの店頭均一棚で5ユーロで売られていた見っけもの。ブリヨンの文章はもともとそんなに難しい部類ではないし、知らない単語もそう多くは出て…

:Marcel Brion『La fête de la Tour des Ames』(マルセル・ブリヨン『魂の塔の祭』)

Marcel Brion『La fête de la Tour des Ames』(ALBIN MICHEL 1974年) この本は国内の古本市で買った本。ブリヨンの晩年(78歳)の作。久しぶりに、ブリヨンを読みました。これでブリヨンのフランス書を読むのは12冊目のはずです。今回は、久しぶりなことも…

:Hubert Haddad『Le peintre d’éventail』(ユベール・アダ『扇絵師』)

Hubert Haddad『Le peintre d’éventail』(Zulma 2014年) ユベール・アダの比較的近作で、代表作となっているようです。アダを読むのは二冊目。「Roman」という雑誌の幻想小説特集号で短篇を読み、ブリヨンに似た作風が気に入ってその作品が収められている…

:Marcel Béalu『Contes du demi-sommeil』(マルセル・ベアリュ『微睡物語集』)

Marcel Béalu『Contes du demi-sommeil』(Phébus 1979年) 以前読んだ高野優訳『奇想遍歴』(パロル舎 1998年)の元本。翻訳のある本は原則読まないことにしていますが、訳本に含まれていない作品が19篇あるのとのことなので、ついでに全体を読んでみました…

:J.M.A.Paroutaud『Le Pays des Eaux』(J・M・A・パルトー『水の国』)

J.M.A.Paroutaud『Le Pays des Eaux』(Le Tout sur le Tout 1983年) セーヌ河岸の古本屋で購入した本。前日に著者名の綴りを見間違えて買った本を交換してもらえないかと頼んで、快諾してもらい、この本を替わりに買ったのを覚えています。しかも差額まで…

:Maurice Renard『Le Docteur Lerne, sous-dieu』(モーリス・ルナール『神人レルヌ博士』)

Maurice Renard『Le Docteur Lerne, sous-dieu』(Corti 2010年) 4年前パリのジベール・ジョゼフで買った本。モーリス・ルナールを読むのはこれで6冊目です。この作品は、ルナールの処女長篇で出世作となったものです。冒頭の1ページにわたるH・G・ウェルズ…

:MAURICE RENARD『?Lui?』(モーリス・ルナール『?彼か?』)

MAURICE RENARD『?Lui?』(G.CRÈS 1927年) モーリス・ルナールはこれで5冊目になります。長篇は初めて。何度か読み返してはじめて読解できるところもありましたが、音読している時に意味がスーと分かるというような易しい文章も多く、一日15頁のペースで…

:J.CAZOTTE『LE DIABLE AMOUREUX』(カゾット『恋する悪魔』)

J.CAZOTTE『LE DIABLE AMOUREUX』(Le club français du livre 1951年) 1845年にLÉON GANIVET社から出た本の復刻。 ネルヴァルの序文が90頁、本文189頁、ジャン・リシェの解説が11頁。ÉDOUARD DE BEAUMONTの挿絵が200点あり、このヴィネットが何とも魅力的…

:MICHEL BERNARD『LA JEUNE SORCIÈRE』(ミシェル・ベルナール『若い魔女』)

MICHEL BERNARD『LA JEUNE SORCIÈRE』(DENOËL 1973年) 生田耕作旧蔵書。著者名を知っていたのと、「魔女」という言葉に惹かれて買いました。 冒頭はバタイユ『マダム・エドワルダ』を思わせるような夜の彷徨から始まります。主人公ジェロームは夜の徘徊の…

:Camille Lemonnier『Un mâle』(カミーユ・ルモニエ『雄』)

Camille Lemonnier『Un mâle』(Jacques Antoine 1977年) 生田耕作旧蔵書。この本を買ったとき同じ著者の『L’HOMME EN AMOUR』というのも買って、それが「デカダン叢書」の一冊だったので、世紀末の雰囲気を期待して読みましたが、結果は期待外れと言うしか…

:ÉMILE HENRIOT『Le diable À L’HÔTEL ou les plaisirs imaginaires』(エミール・アンリオ『ホテルにいる悪魔―夢見る喜び』)

ÉMILE HENRIOT『Le diable À L’HÔTEL ou les plaisirs imaginaires』(PLON 1950年) 生田耕作旧蔵書。「diable(悪魔)」という言葉に惹きつけられて買った一冊。初版は1920年。なかなか楽しく読むことができました。1920年というと第一次世界大戦の直後な…

:Philippe Jullian『LES MAUVAIS PAUVRES』(フィリップ・ジュリアン『たちの悪い貧乏人』)

Philippe Jullian『LES MAUVAIS PAUVRES』(Olivier Orban 1985年) 生田耕作旧蔵書。著者については、長らく評論家と思っていましたが、5,6年前東京古書会館の洋書市でこの本を見つけて、はじめて小説も書いていると知りました。Ghislain de Diesbachによる…

:MAURICE MAGRE『LE MYSTÈRE DU TIGRE』(モーリス・マーグル『虎奇縁』)

MAURICE MAGRE『LE MYSTÈRE DU TIGRE』(ALBIN MICHEL 1927年) このブログにときどきコメントを頂いているティグル・モリオンさんのお勧めで、読んでみました。邦題もモリオンさんのをそのままいただきました。というのは「虎の神秘」や「虎の秘密」では少…

:ANDRÉ HARDELLET『LE SEUIL DU JARDIN』(アンドレ・アルドレ『庭園の入口』)

ANDRÉ HARDELLET『LE SEUIL DU JARDIN』(GALLIMARD 1996年) マルセル・シュネデールの『フランス幻想文学史』で知った作家。今回初めて読みました。話の展開の明快さや文章の素直さからはいかにも現代の小説という印象です。ハードボイルド的な要素、ポル…