最近読んだ本

吉田敦彦ほか『神話学の知と現代』

吉田敦彦+山崎賞選考委員会『神話学の知と現代―第8回哲学奨励山崎賞授賞記念シンポジウム』(河出書房新社 1984年) 山崎賞というのは、哲学者の山崎正一が大学退職金の一部を基金として、哲学の研究で優れた業績を上げつつある人の将来の研究に期待する意…

神話の本二冊

大林太良『神話の系譜―日本神話の源流をさぐる』(講談社学術文庫 1997年) 大脇由紀子『徹底比較 日本神話とギリシア神話』(明治書院 2010年) 引き続き神話に関する本を読んでいきます。前回も書きましたが、酒を飲みながら、ギリシア神話と日本神話が似…

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化』

藤縄謙三『ギリシア文化と日本文化―神話・歴史・風土』(平凡社 1994年) 飲んでいて、ギリシア神話と日本神話の類似について喋っていたら、また興味が湧いてきて、その関連の本を読んでみました。藤縄謙三という名前は学生時代から知っていて、たしか『ホメ…

菅谷規矩雄『詩とメタファ』

菅谷規矩雄『詩とメタファ』(思潮社 1983年) 「メタファ」という言葉につられて読んでみました。2部に分かれていて、第Ⅰ部は「現代詩手帖」に長らく連載していた時評をまとめたもの、第Ⅱ部は、詩の音数律やメタファについて書かれています。菅谷規矩雄は以…

近世民謡『山家鳥虫歌』ほか

浅野建二校注『山家鳥虫歌―近世諸国民謡集』(岩波文庫 1984年) 藤沢衛彦『図説 日本民俗学全集2 ことば・ことわざ・民謡・芸能編』(高橋書店 1971年)の「民謡編」のみ ポール・クローデルが『Dodoitsu』に訳している元の日本語の都々逸を読んでいるうち…

佐久間隆史『詩と東洋の叡知』

佐久間隆史『詩と東洋の叡知―詩は、計らいの、遥か彼方に』(土曜美術社出版販売 2012年) これまで読んできた海外ハイクについての本のなかで、「西洋では、俳句は見えないものが見えてくる瞬間をスナップショットのように捉えるものであり、禅と共通点があ…

ドイツのハイク本三冊

/// 渡辺勝『比較俳句論―日本とドイツ』(角川書店 1997年) 加藤慶二『ドイツ・ハイク小史―比較文学の視点より』(永田書房 1986年) ギュンター・クリンゲ加藤慶二訳『句集 イカルスの夢』(永田書房 1986年) 今回はドイツのハイクに関する本です。『ドイ…

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙』

毬矢まりえ『ひとつぶの宇宙―俳句と西洋芸術』(本阿弥書店 2015年) この本は、海外俳句についてはあまり触れられていませんが、俳句を西洋芸術や西洋思想の視点から語ったものなので読んでみました。著者は国際俳句協会にも所属されているようです。少し若…

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩』

マブソン・ローラン『詩としての俳諧 俳諧としての詩―一茶・クローデル・国際ハイク』(永田書房 2005年) フランスの日本文学研究者であり、自らも俳句を作っている人が一茶や、クローデルの短詩について書いた本。クローデルの『百扇帖』はまだ全訳が出て…

P=L・クーシュー『明治日本の詩と戦争』

P=L・クーシュー金子美都子/柴田依子訳『明治日本の詩と戦争』(みすず書房 1999年) また新しい一年を迎えました。今年もよろしくお願いします。年末から引き続き、海外の短詩に関する本、とりわけ必ずといって引用されるクーシューの著書を読みました。昔…

:佐藤和夫『海を越えた俳句』

佐藤和夫『海を越えた俳句』(丸善ライブラリー 1991年) 海外で作られている俳句というかハイクについて書いた本。著者は英文学がご専門で比較文学の研究者。長年、海外でのハイク活動に関わり、みずからも俳句を作られるだけあって、海外の俳句の動きにつ…

:鶴岡善久『超現実主義と俳句』

鶴岡善久『超現実主義と俳句』(沖積舎 1998年) 12年前に一度読んだ本の再読。といってもほとんど覚えていないので、初めて読むのと同じ。俳人20人の一人一人について、シュルレアリスムとのかかわりあいの視点から鑑賞したもの。各人の俳句について代表作…

:嶋岡晨の俳句の本二冊

/// 嶋岡晨『イメージ比喩―俳句創作百科』(飯塚書店 1996年) 嶋岡晨『詩のある俳句』(飯塚書店 1994年) 短詩の次は、詩人の書いた俳句の本。イメージや比喩という詩の理論を援用して、詩人の目で俳句を見るとどうなるか期待して読みました。結論から言う…

:篠原資明『心にひびく短詩の世界』

篠原資明『心にひびく短詩の世界』(講談社現代新書 1996年) 以前から短詩に興味がありましたが、俳句や短歌の本はたくさん出ていても、短詩に関してまとまった本があまり見当たりませんでした。この本は広く日本の詩人の作品のなかから短詩を拾い出して、…

:「ユリイカ 総特集―ステファヌ・マラルメ」

「ユリイカ 総特集―ステファヌ・マラルメ」(青土社 1986年) 440頁もある大部の本で、いろんな人がいろんな角度からマラルメを論じています。なかには、本人も自分で何を書いているのか本当に分かっているのかと首を傾げるような意味不明な論文もけっこうあ…

:マラルメ詩集(渡辺守章訳)

渡辺守章訳『マラルメ詩集』(岩波文庫 2014年) 岩波文庫のマラルメ詩集は鈴木信太郎というのが学生の頃からの定番でしたが、ついに世代交代しました。新刊書店にあまり行かなくなったので、ついぞ知らぬままに過ごしていました。時々は岩波文庫棚を見てい…

:マラルメ作品二冊

/// ステファヌ・マラルメ秋山澄夫訳『イジチュールまたはエルベノンの狂気』(思潮社 1976年) ステファヌ・マラルメ長谷川四郎訳『マラルメ先生のマザー・グース』(晶文社 1977年) マラルメ詩集に続いて、マラルメ詩作品及び詩の解説本。両者はともにマ…

:マラルメ詩集二冊

/// 鈴木信太郎訳『マラルメ詩集』(岩波文庫 1991年) 加藤美雄訳『マラルメ詩集』(関西大学出版部 1987年) ヴァレリーが言うように、マラルメは音韻が重要ということになると、訳詩だけを読んでいては、半分も理解できないということになりますが、訳詩…

:フランス語学習参考書二冊

/// 福井芳男/丸山圭三郎『ボンジュール パリ―フランス語のこころ』(三修社 1977年) 小林正『フランス語の話し方』(大修館書店 1984年) パリへ行く前に読もうとした本です。『フランス語の話し方』は行きの機内で読む予定でしたが、ゴルフゲームに熱中し…

:マラルメの著作二冊(散文を中心に)

/// ステファヌ・マラルメ松室三郎訳『詩と散文』(筑摩書房 1989年) ステファヌ・マラルメ岩田駿一訳『ヴィリエ・ド・リラダン』(東京森開社 1977年) マラルメについての本ばかり読んできましたが、マラルメ本人の作品に移ります。他にもマラルメについ…

:「プーシキン美術館展―旅するフランス風景画」カタログ

山梨俊夫ほか『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』(朝日新聞社 2018年) 今回は番外編と言ってもいいぐらいで、美術に関する話題。先日、奈良日仏協会で美術鑑賞会を開催した際に訪れた展覧会とカタログの感想です。 私のベスト7は、クロード・ロラ…

:ギィ・ミショー『ステファヌ・マラルメ』

ギィ・ミショー田中成和訳『ステファヌ・マラルメ』(水声社 1993年) 本国の方のマラルメ論を読んでみました。訳文はきわめて読みやすく、二段組280頁という比較的大部の本ですが早く読めました。この本は、著者も自認しているように、執筆当時全盛を誇って…

:柏倉康夫『マラルメ探し』

柏倉康夫『マラルメ探し』(青土社 1992年) 柏倉康夫の三冊目。三冊のなかでは、いちばんマラルメ詩の秘密に接近しているように思えました。とくに、マラルメの詩のあり方の基礎を作った若き日の詩作について、詳細に語られていました。詩のテクストの異同…

:柏倉康夫『パリの詩・マネとマラルメ』

柏倉康夫『パリの詩・マネとマラルメ』(筑摩書房 1982年) この本は、前回読んだ『マラルメの火曜会』より前に書かれた本で、この本の結末の文章には、「マラルメの火曜会」について将来書くことを予告するような文章がありました。読む順序が逆だったよう…

:柏倉康夫『マラルメの火曜会』

柏倉康夫『マラルメの火曜会―世紀末パリの芸術家たち』(丸善株式会社 1994年) これからしばらくマラルメ関係の本を読むつもりですが、いちばん読みやすそうなこの本から。この著者については以前『マラルメの「大鴉」』というのを読んだことがあります。 …

:ポーの評論二冊

/// 谷崎精二訳『エドガア アラン ポオ全集5』(春秋社 1970年) エドガ・A・ポオ吉田健一譯『マルジナリア』(創元社 1948年) マラルメを読もうと思っていますが、その前に彼に多大な影響をあたえたと言われているポーの詩論を中心に、評論を読んでみまし…

:エンプソン『曖昧の七つの型』

ウィリアム・エンプソン岩崎宗治訳『曖昧の七つの型』(研究社 1980年) この本を読んだのは、この本のタイトルに惹かれたからで、象徴主義との関連のことが書かれてるのではという興味からです。ずいぶん昔に博学の友人からこの本の存在を教えてもらって以…

:新倉俊一『ノンセンスの磁場』

新倉俊一『ノンセンスの磁場』(れんが書房新社 1980年) この本は、20年近く前に一度読んだことがあります。このところ、ことば遊びの本を読んでいるうちに、ノンセンス詩についてまた興味が湧いたため再読してみました。もちろん内容はほとんど覚えており…

:吉田正俊『愚者の楽園』

吉田正俊『愚者の楽園―人魚・魔王・そして英語再入門』(花曜社 1986年) 『西と東の狂言綺語』に続いて読んでみました。あちこちの雑誌に掲載された随筆を集めたもので重複が多い。内容は幅広く、旅行を中心としたもの、言葉に関するもの、塚本邦雄論、グル…

:遊びの詩となぞなぞの本二冊

/// 谷川俊太郎編『遊びの詩』(筑摩書房 1982年) 福音館書店編集部編『なぞなぞの本』(福音館書店 1997年) 読んだ順番です。『遊びの詩』の解説で、谷川俊太郎が「なぞとかことわざはことばのはたらきとして、詩と兄弟みたいなもの」(p140)と書いてい…