:一箱古本市、たにまち月いち古本市など

 秋の古本市ラッシュも終わりその後古本の購入は徐々に鎮静化しつつあります。

 前回報告した中央公会堂のコンサートに行った際、堺筋本町のT書店と、淡路町のK文庫というところで開かれていた一箱古本市を覗いてきました。
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渡邊一夫『宿命についてなど』(白水社、50年2月、300円)
辰野隆仏蘭西文學上・下』(白水社、上昭和23年3月300円・下昭和21年11月200円)
 これは、一箱古本市で、いずれもおこりおやじ(林哲夫さん)の箱から入手。破格の値付けです。数は少ないものの選りすぐられた本が出品されていました。

 この一箱古本市が開催されていた船場ビルディングというところは初めて行きましたが、中央に吹き抜けのある大胆な構造で昭和モダニズムを感じさせる素晴らしい建物でした。
ご参考までに、http://www.e-cosmetics.co.jp/momoi/senba.html

 T書店では、
富士川英郎『江戸後期の詩人たち』(麥書房、昭和47年1月、1300円)
を買いました。帰宅後筑摩叢書で持っていることに気づきましたが、珍しいのと造本が立派なので赦すといたしましょう。


 先週、忘年会で大阪へ出た際、大阪古書会館の古本市と、大江橋T書店に立ち寄り、古本市では、下記の4冊を入手。
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佐藤朔『楕円形の肖像』(人文書院、昭和52年5月、1000円)
碓井益雄『子づくりの博物誌―生と性をめぐるイマジネーション』(工作舎、94年4月、800円)
 魂の話を書いていたかと思うと今度は子づくりの話、動物学科ご出身だそうで不思議な方です。
ティーヴ・エリクソン越川芳明訳『彷徨う日々』(筑摩書房、97年5月、1000円)
玄侑宗久禅的生活』(ちくま新書、04年2月、100円)
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 T書店では次の3冊を購入。
三好達治『詩集 一點鐘』(創元社昭和16年10月、800円)
 紙質といい印字された文字の風情が何とも言えず(もちろん同時に詩も!)つい買ってしまいました。
フィリップ・ジュリアン志村信英訳『1900年のプリンス―伯爵ロベール・ド・モンテスキュー伝』(国書刊行会、87年2月、800円)
大木惇夫編著『酒の詩歌十二ヶ月』(経済往来社、昭和32年11月、800円)
 お酒をテーマにした詩のアンソロジー。大木惇夫が自ら翻訳した詩がたくさん収められていますが、中国、中東、ギリシャ、フランス、ヘブライなど他国にわたっていて、いったい何語から訳したのか興味が湧いてきます。
 富士正晴編『酒の詩集』や村上文昭編『ワイン頌詩集』と同様酒好きに取っては嬉しい詩集です。不勉強なだけかも知れませんが、日本では恋愛や花、山などをテーマにしたものが散見される程度で、テーマ別の詩集というのが少ないような気がします。「ちくま文学の森」のようなテーマ別詩のシリーズがあれば、詩がもう少し身近なものになるのかもしれません。