:アンサンブル・ウィーン コンサート

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 先日、大阪市中央公会堂で行なわれた標記公演に行ってきました。
 ウィーン・フィルメンバーによるアンサンブルは、7、8年前に札幌のPMF音楽祭で、ヒンクさんらの演奏するヨハン・シュトラウスを聴いて、その音の柔らかさと溢れる楽しさに驚いたことがありますが、今回も同様の印象を持ちました。

 楽器の質や、クァルテットのチェロの代わりにコントラバスを配していることも原因の一つでしょうが、音の柔らかさは格別です。この感触の良さは他の演奏ではなかなかお目にかかれません。ウィーン・フィル全体に感じられる古色を帯びた柔らかい響きに通じるものがあります。

 それともう一つは、演奏された曲が堅苦しいものでなく、メンバーが本当に楽しそうに演奏していて、他の演奏会と違った感じがしたことも理由だと思います。モーツァルトフィガロの結婚」名曲集、ランナー「モーツァルト編曲」と、モーツァルトに始まり、シューベルトの「ウィーンの貴婦人のレントラーD734」(これは初めて聴いた曲でしたがシューベルトらしい優しい曲でした)、ブラームスハンガリー舞曲」の後、後半はシュトラウスのワルツ、ポルカというプログラムです。

 とくに第一ヴァイオリンのライナー・ホーネックさんがいい音を出していて(モーツァルト「恋とはどんなものかしら」では本当にヴァイオリンが歌っていました)、昨年、名古屋フィルとの共演でシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴きましたが、そのときの演奏に比べて随分リラックスした感じで、自分の血となり肉となった曲を自由自在に弾きまくっているという印象を受けました。

 何曲かのアンコールがあり最後に恒例の「ラデツキー行進曲」が演奏され会場は大いに盛り上がりましたが、これをやるといつも異様に盛り上がるというのは、手拍子で閉会という日本の習慣があるからでしょうか。

 古色と格式溢れる中央公会堂の雰囲気が、このウィーンの古びた音楽と大変マッチしていて、素晴らしい演奏会でした。