2013-01-01から1年間の記事一覧

:現代詩講座別巻『海外の詩』

佐藤朔ほか『現代詩講座別巻 海外の詩』(創元社 1950年) 現代詩講座シリーズ最終巻。第四巻にあたりますが、本の背表紙、奥付、中表紙とも「別巻」と書いてあります。これだけ番外の位置づけのようですが、表紙も函にも「4」の文字が。 この巻は、海外の…

:現代詩講座第三巻『詩の鑑賞』

金子光晴ほか『現代詩講座第三巻 詩の鑑賞』(創元社 1950年) 現代詩講座シリーズ第三弾。この巻は具体的な詩作品の鑑賞が中心なので、読みやすく、早く読み終えました。巻末に、児童詩の指導のあり方、教科書掲載の詩について、詩の朗読方法などが掲載され…

:現代詩講座第二巻『詩の技法』

村野四郎ほか『現代詩講座第二巻 詩の技法』(創元社 1950年) 現代詩講座シリーズ第二弾。前回『詩とは何か』では、歴史的な概観や他ジャンルとの関係などから詩とは何かを探っていましたが、今回は、詩の技法について、すなわち定型論、音韻論、詩の形態、…

:下鴨納涼古本まつりほか

今年も下鴨古本まつりに参加することができました。今年は、学生時代の友人らと毎年夏に行っている合宿の最終日にあたってしまい、朝宿を出たので、下鴨到着は午後2時頃になってしまいました。(一人のメンバーは前夜ひとり脱出して朝から参戦)。 遅く参戦し…

:Marcel Béalu『Journal d’un mort』(マルセル・ベアリュ『死者の日記』)

Marcel Béalu『Journal d’un mort』(Phébus 1978年) 昨年パリでの購入本。ベアリュの奥さんが作家の死後も続けている古本屋「Le Pont traversé(渡られた橋)」で買ったものです。「あなたもこの本を翻訳するんですか」と聞かれたことを思い出します http:…

:現代詩講座のシリーズを読む、第一巻

日夏耿之介他『現代詩講座第一巻 詩とは何か』(創元社 1950年) (写真は左側函、右側中身) 詩に関する本を連続して読んでいます。音韻やリズムについての本からしばし離れて、概説書を読むことにしました。戦後間もなく創元社から出たこの『現代詩講座』…

:菅谷規矩雄の詩的リズムに関する本二冊

/// 菅谷規矩雄『詩的リズム―音数律に関するノート』(大和書房 1992年−一刷は1975年) 菅谷規矩雄『詩的リズム続篇』(大和書房 1986年−初版は1978年) 荒木亨が『木魂を失った世界のなかで』で、一章を設けて論じていた菅谷規矩雄のリズム論を読んでみまし…

:マルセル・シュオブ『古希臘風俗鑑』を入手

ひさしぶりに古本市に行ってまいりました。先週末の「たにまち月いち古書即売会」です。初日でしたが昼過ぎだったので、あまり収穫は期待しておりませんでしたが、Y書房のコーナーで、 マルセル・シュオブ矢野目源一訳『古希臘風俗鑑』(第一書房、昭和4年4月…

:Maurice Magre『Les Colombes poignardées』(モーリス・マーグル『傷ついた鳩』)

Maurice Magre『Les Colombes poignardées』(L’ÉDITION 1917年) 昨年パリでの購入本。モーリス・マーグルは『Lucifer(ルシファー)』以来二冊目。:MAURICE MAGRE『LUCIFER』(モーリス・マーグル『ルシファー』) - 古本ときどき音楽 記事参照。 Romanと銘…

:詩のリズムに関する本つづく、木々高太郎『自由詩のリズム』

木々高太郎『自由詩のリズム』(詩苑社 1969年)ほか 前回、荒木亨の詩のリズムに関する本を読んだとき、土居光知や木々高太郎、坂野信彦、熊代信助らの本が取り上げられていたので、今回は木々高太郎『自由詩のリズム』を読んでみました。坂野信彦『七五調…

:Jean Lorrain『Maison pour dames』(ジャン・ロラン『ご婦人の館』)

Jean Lorrain『Maison pour dames』(Albin Michel 1990年) 昨年パリでの購入本。ジャン・ロランというので期待して読みましたが、きわめて普通の小説。夫妻の家庭生活を描いたリアリズム小説です。妻に振り回される夫というユーモア家庭小説的雰囲気すら漂…

:荒木亨の「詩・ことば・リズム」に関する本二冊

/// 荒木亨『ものの静寂と充実―詩・ことば・リズム』(朝日出版社 1974年) 荒木亨『木魂を失った世界のなかで―詩・ことば・リズム』(朝日出版社 1982年) 詩の本を連続して読んでいますが、今回は詩のリズムを中心とした本を読んでみました。荒木亨はユグ…

:オークションとネットでほそぼそ購入

前回報告から、一ヶ月以上たつのに、古本屋での購入は皆無という状況となりました。事情があって、古本屋をぶらぶらする時間がなく、ネットとオークションの購入のみとなったのが原因です。 ネットでは、 高木敏次『傍らの男』(思潮社、10年7月、418円) マ…

:萩原朔太郎の詩論二冊

/// 萩原朔太郎『詩の原理』(新潮文庫 1975年―青空文庫版) 萩原朔太郎『詩論―萩原朔太郎全集4』(小學館 1943年) 詩の本を連続して読んでますが、今回は少し古いところで、萩原朔太郎の詩論です。朔太郎の詩には特別な魅力を感じて愛好してましたが、恥…

:Maurice Pons『Douce-amère』(モーリス・ポンス『甘苦茄子』)

Maurice Pons『Douce-amère』(DENOËL 1996年) Maurice Ponsの初期作品を続けて読んできましたが、今回は中期から後期にかけての作品。11の短編が収められています。全体の印象としては、『la maison des brasseurs(ビール醸造業館)』や『Rosa(ローザ)…

:木原孝一の詩についての本二冊

/// 木原孝一『日本の詩の流れ』(ほるぷ出版 1975年) 木原孝一『人間の詩学―詩の発見と創造』(飯塚書店 1977年) 日本の近代詩史について、まとまったものを読みたいと思い、たまたま手元にあった読みやすそうな木原孝一の本を手に取り、そのついでに木原…

:三好達治『詩を読む人のために』

少しのお休みでしたが、またブログを再開します。 三好達治『詩を読む人のために』(岩波文庫 1991年) 詩の本を連続して読もうとしていますが、この本は杉山平一の本にたびたび三好達治との交友が語られていたので、そのつながりで読んでみました。毎日新聞…

:MAURICE PONS『MÉTROBATE(メトロバト)』

/// MAURICE PONS『MÉTROBATE(メトロバト)』(JULLIARD 1951年) 著者の初出版。1982年にBalland社の叢書「L’instant romanesque(小説のひととき)」で再版されていますが、そのときのタイトルは『POURQUOI PAS MÉTROBATE(メトロバトはもちろん*)』に変…

:高木敏次『傍らの男』に衝撃を受ける

高木敏次『傍らの男』(思潮社 2010年) 以前「現代詩年鑑2011」で阿部嘉昭の詩評に取りあげられているのを読んで注目していた詩人。ネットで安く出ていたので購入。読んでみると、不思議な感覚ですばらしい。これはまさしく改行詩でしかできない表現で、まぎ…

:『詩のこころ・美のかたち』など杉山平一の本三冊

/// 杉山平一『詩のこころ・美のかたち』(講談社現代新書 1989年) 杉山平一『詩と映画と人生』(ブレーンセンター 1994年) 杉山平一『詩と生きるかたち』(編集工房ノア 2006年) しばらく詩集や詩の鑑賞の手引などを読んでいきたいと思います。まず一昨…

:maurice pons『virginales』(モーリス・ポンス『無垢な心』)

maurice pons『virginales』(CHRISTIAN BOURGOIS ÉDITEUR 1984年) 昨年パリ購入本(新刊)。100ページちょっとの本でしたが、これまで最速記録の6日間で読み終えることができました。 ポンスの初期の作品集(初版は1955年刊)。トリュフォーが映画にしたこ…

:オークションで掘り出し物

オークションで、おそらく出品者がネット上に公開した直後だったらしく、「オルフェオン」がバラでしたが格安で出ていたので、すぐ落札ボタンを押しました。「パンテオン」全冊揃いも出ていましたが、これは半分ぐらい持っているのと、復刻版でも持っている…

:JEAN MISTLER『L’Ami des Pauvres』(ジャン・ミストレール『貧者の友』)

JEAN MISTLER『L’Ami des Pauvres』(Grasset & Fasquelle 1974年) 『ETHELKA(エテルカ)』『LA MAISON DU Dr CLIFTON(クリフトン博士の家)』とジャン・ミストレールを読み継いできた勢いで読んでみました。実は、この本は第二次世界大戦前後に書かれた四つの…

:現代詩年鑑2013

「現代詩手帖12月 現代詩年鑑2013」(思潮社 2012年) この「現代詩年鑑」は、2009年以来、2010年、2011年と読み継いでいたのに、2012年は読まずじまい。2013年は近所の図書館で借りて遅ればせながら読むことができました。年に一回ぐらいは現代詩の世界で何…

:ハンス・ロット

昨日、久しぶりにコンサートへ行ってまいりました。大阪交響楽団第176回定期演奏会「マーラーのライヴァル“級友ハンス・ロット”」(ザ・シンフォニーホール) 指揮:寺岡清高 ハンス・ロット:「ジュリアス・シーザー」への前奏曲 ハンス・ロット:管弦楽の…

:富士川英郎の晩年の随筆三冊

/// 富士川英郎『讀書好日』(小澤書店 1987年) 富士川英郎『讀書游心―夕陽無限好』(小澤書店 1989年) 富士川英郎『讀書輭適』(小澤書店 1991年) 肩の凝らない文学エッセイを好んでおりますが、富士川英郎の文章は『失われたファウナ』『黒い風琴』の二…

:鶴ヶ谷真一『紙背に微光あり』

鶴ヶ谷真一『紙背に微光あり―読書の喜び』(平凡社 2011年) 以前も同じ著者の『月光に書を読む』を取り上げましたが(2010年7月29日記事参照)、今回も、まさに珠玉としか言いようのない小品が続き、至福の時間が過ごせました。 タイトルの「紙背に微光あり…

:古本に関する本、二冊

/// 岡崎武志/山本善行『新・文學入門―古本屋めぐりが楽しくなる』(工作舎 2008年) 山本善行『定本 古本泣き笑い日記』(みずのわ出版 2012年) 先日善行堂で求めた二冊。四天王寺、京都市勧業館古本市を前に、気分を高揚させようと読んだものです。 『新…

:JEAN MISTLER『LA MAISON DU Dr CLIFTON』(ジャン・ミストレール『クリフトン博士の家』)

JEAN MISTLER『LA MAISON DU Dr CLIFTON』(ÉMILE-PAUL FRÈRES 1932年) これも生田耕作旧蔵書。 これまで読んだ『Gare de l’Est』『ETHELKA』と作風ががらりと変わり、M・シュネデール『フランス幻想文学史』で紹介されていた恐怖物語的な作品が収められて…

:四天王寺春の大古本祭りと京都市勧業館春の古書大即売会

暖かくなって古本市のシーズンが到来。まずは先週末の四天王寺春の大古本祭り、二日目の土曜日に行ってまいりました。10時開場のところ、勇みこんで9時半に会場へ着いてしまい、休憩所でお茶でも飲もうかと思っていたら、すでに大半の店が開いていました。10…