:マルセル・シュオブ『古希臘風俗鑑』を入手

 ひさしぶりに古本市に行ってまいりました。先週末の「たにまち月いち古書即売会」です。初日でしたが昼過ぎだったので、あまり収穫は期待しておりませんでしたが、Y書房のコーナーで、
マルセル・シュオブ矢野目源一訳『古希臘風俗鑑』(第一書房昭和4年4月、1000円)
を発見。函なしなので破格の値段で入手できました。第一書房らしい品格のある装幀、字組。

 同じY書房出品で、
李家正文『正倉院随想』(鹿島出版、昭和40年12月、300円)→古代の東西交流を語ったへんてこな本。
岡井隆『詩歌の近代』(岩波書店、99年3月、500円)→「難解な詩とわかり易い詩について」「訳詩を読む」などに惹かれて。
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ほかにも渡辺一夫を大量に出品していましたが、少々高いので買わず。

 ほかの書店からは下記を購入。
ホフマン木暮亮譯『砂男』(青磁社、昭和23年9月、300円)→風合いがなんとも言えず、この作品自体はたくさん持っているが購入。
チョーサー金子健二訳『カンタベリー物語』(角川文庫、昭和53年5月、200円)→この本もあまり見たことがなかったので。
ヘンリー・ジェイムズ行方昭夫訳『嘘つき』(福武文庫、89年11月、200円)→嘘つきが登場する心理小説というなら買わないわけにはいきません。
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 先日、大阪へ出る用事のついでに、いつもの堺筋本町T書店にて、
赤瀬雅子『永井荷風とフランス文学』(荒竹出版、昭和51年4月、300円)→なぜか『珊瑚集』に触れられてない様子。

 天神橋筋商店街まで足を延ばし、T書店にて、
堀切直人『冥府もぐり』(VANP叢書、70年4月、980円)→見たことのない本なので発作的に買ってしまう。
九野民也『パリ・暖炉のある部屋で―フランス俳句紀行』(角川書店、平成15年1月、700円)
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 その時一緒に飲んだ東京の古本仲間から西部古書会館で300円で買ったという本をもらいました。東京は安くていい本がたくさん出ているようで羨ましい。
『L’Amitié de Stéphane Mallarmé et de Georges Rodenbach』(PIERRE CAILLER、49年3月、0円)

 オークションでもすばらしい本を手に入れることができました。
竹友藻風『詩集 時の流に』(天佑社、大正9年9月、1000円)
以前『馴鹿』を買った時に若干期待外れだったので、今回は恐る恐る入札しましたが、詩の調べは抒情的で美しく、挿画のポウストゲイトという人の象徴派風版画や装幀もすばらしい。上田敏の序に、与謝野晶子序歌、与謝野寛の跋という豪華な顔ぶれ。

日夏耿之介『詩壇の散歩』(新詩壇社、大正13年10月、565円)→昨年、先ほど触れた東京の古本仲間が私の目の前で100円で買って悔しい思いをしていたもの。
竹友藻風『文學論』(アルス、大正15年4月、60円)
矢野峰人『「文学界」と西洋文学』(学友社、昭和45年9月、340円)
安田保雄『比較文學論考―第三篇』(学友社、昭和56年10月、130円)
上の三冊は同じ出品者、いずれも格安で入手することができました。
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 近所の新古書店Bへ散歩の途中立ち寄り。割引券があったので105円が55円に。
吉村昭『遠い幻影』(文春文庫、00年12月、55円)

 なんだかんだと言いながら、また古本熱復活のきざしあり。