:四天王寺春の大古本祭りと京都市勧業館春の古書大即売会

 暖かくなって古本市のシーズンが到来。まずは先週末の四天王寺春の大古本祭り、二日目の土曜日に行ってまいりました。10時開場のところ、勇みこんで9時半に会場へ着いてしまい、休憩所でお茶でも飲もうかと思っていたら、すでに大半の店が開いていました。10時は初日だけだとのこと。


 真っ先に行ったK文庫の5冊1000円コーナーで、なかなか5冊にならず、三周もしてようやく決まりましたが、時間のロスがおびただしい。ここでの目玉は
広瀬大志/城戸朱里/生野毅「妖気 第壱号」(広瀬大志、93年4月、200円)
ほか
森林太郎文づかひ』(明治村、昭和45年8月、200円)→印刷、用紙とも感触よし
上田三四二『現代歌人論』(読売選書、昭和50年4月、200円)
久保田淳『花もの言う―四季のうた』(新潮選書、昭和59年4月、200円)
福永武彦『秋風日記』(新潮社、昭和54年2月、200円)

 Sの300円均一コーナーで
田辺保『フランス語のこころ』(至誠堂選書、昭和56年6月、300円)→講談社学術文庫『フランス語はどんな言葉か』と同じでW買い。
森有正『パリだより』(筑摩書房、昭和49年2月、300円)→昔持っていたが古本屋に売っていたので、買い直し。
武藤直治『詩と其の鑑賞』(研人社、昭和27年10月、300円)→解説があると詩が丁寧に読める。

 I書店では、
安野光雅『わが友 石頭計算機』(文春文庫、87年6月、200円)
石黒敬七『だんな粋談 おいろけ随筆』(あまとりあ社、昭和30年9月、400円)→パリの武勇伝あり。
「本の手帖 特集 愛の抒情詩」(昭森社、昭和43年4月、300円)→これもW買い
「本の手帖 特集 処女歌集」(昭森社、昭和39年5月、300円)
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 昼待ち合わせした友人からFという店が全品150円均一で凄いという情報を得てなだれ込み、そこで、
林房雄『水中の城』(講談社、昭和24年2月、150円)
近代文芸復刻叢刊「秋 三好達治追悼號」(冬至書房新社、昭和52年1月、150円)
辰野隆『續忘れ得ぬ人々―仏蘭西文人群』(弘文堂書房、昭和15年8月、150円)→持ってなかった。
四天王寺は初めて出品されたようです。来年も楽しみ。

 どこか忘れたお店で、
鶴岡真弓『「装飾」の美術文明史―ヨーロッパ、ケルトイスラームから日本へ』(NHK出版、04年9月、1200円)→この日最高額。

 昼飯時、近くのI書房へ立ち寄りました。相変わらず安値でいい本がたくさんありました。
菊池重三郎ヤコブの梯子』(河出書房、昭和31年12月、100円)
串田孫一『回帰』(創文社、昭和50年11月、100円)
「同時代 特集 イヴ・ボヌフォア」(黒の会、03年6月、100円)
阿久根靖夫『詩集 殘心譜』(国文社、昭和52年2月、100円)
中河與一『定本 天の夕顔』(雪華社、昭和45年4月、100円)
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 京都市勧業館の古書大即売会は初日に行ってまいりました。10時10分頃着いてもまだ行列は続いておりました。恐ろしいことにほとんどの本が千円以上。これはと思う本を手にしても二千円三千円の値札を見て棚に戻すだけ。フラストレーションがたまりました。とくに四天王寺のあとでは。もし逆の日取りで四天王寺の方が後だったら、ものすごく買い込むことになったでしょう。


 で結局、下記を購入。高値の中ではまあまあの買い物と思います。
畑耕一句集『蜘蛛うごく』(交蘭社、昭和16年2月、1000円)→墨字の献呈署名あり。白秋序文。
石田波郷『胸形變』(松尾書房、昭和24年11月、1000円)→文庫版だが初版。一ページに一作品という贅沢なつくり。凄まじい句が並んでいます。
ジュール・ユレ平野威馬雄訳・編『詩人たちとの対話―フランス象徴詩人へのアンケート』(彌生書房、80年11月、1000円)→マラルメヴェルレーヌ、レニエ、メーテルリンクルコント・ド・リール、グールモン、サン・ポール・ルウらへのインタビュー。
中島洋一『日本文芸理論における象徴的表現理念の研究』(風間書房、昭和41年5月、500円)→なぜか立派な本が500円。余情とか幽玄、艶、妖艶、さび、匂ひ、面影とか目次の言葉につられて。
バーナード・エヴスリン喜多元子訳『ヘラクレア物語―ギリシャ女戦士伝説』(教養文庫、85年4月、500円)
和泉雅人『迷宮学入門』(講談社現代新書、00年12月、350円)
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 友人は高値の中で、クロード・ロランの画集を600円で買っていました。くやじい!


 オークションでは、長年の探求書
ロダンバック黒田憲治/多田道太郎譯『死の都ブリュージュ』(思索社、昭和50年7月、2000円)
のほか、
レオン・ブロア磯見辰典訳『フィアンセへの手紙』(中央出版社、昭和45年3月、500円)→これは聞いたこともなかった。
「本の手帖 創刊号 フランス特集」(昭森社昭和36年3月、500円)→本の話ばかりで嬉しい。
星野徹『曖昧な森』(思潮社、92年6月、500円)→完全なW買い
高草茂『プロヴァンス古城物語―南仏の秘められた歴史』(里文出版、06年3月、300円)
を購入。
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