2013-01-01から1年間の記事一覧

:このごろよく聴いているCD「ヒーリング・ヴォイス」。通販あなどるべからず。

友人から、「ときどき音楽」の「音楽」が最近ないようだがと言われたので、音楽の話題を少々。 このところ、家内がテレビコマーシャルの通販で買ったCDセットをよく聴いています。「Healing Voiceヒーリング・ヴォイス全5巻」(ユニヴァーサルミュージッ…

:京都の古本屋めぐりで山本善行さん、林哲夫さんとお話しする。

先週は、京都での友人との月例の卓球会(「卓球王者決定戦」が正式名称、二人だけだが)のついでに、朝から出発して久しぶりに京都の古本屋をまわりました。 出町柳から、Z堂(休み)へ寄り道をして、百万遍Y書店(収穫なし)、お昼にS館の黒いラーメンの後、…

:JEAN MISTLER『ETHELKA』(ジャン・ミストレール『エテルカ』)

JEAN MISTLER『ETHELKA』(CALMANN-LÉVY 1929年) これも生田耕作旧蔵書。1950年9月6日読了の鉛筆書きがあります。 ミストレールは昨年『Gare de l’EST(パリ東駅)』を読みましたが(10月4日記事参照)、同じような雰囲気の物語。第一次世界大戦のフランス…

:廃墟についての本また二冊

/// 岡林洋『廃墟のエコロジー―ポスト・モダンからの見なおし』(勁草書房 1988年) クリストファー・ウッドワード森夏樹訳『廃墟論』(青土社 2004年) この二冊は同じ廃墟を扱っていると言っても、まるで正反対のアプローチです。岡林の本が哲学ならば、ウ…

:廃墟についての本二冊

/// 「WAVE12 特集:廃墟庭園」(WAVE 1987年) 谷川渥監修『廃墟大全』(トレヴィル 1997年) 廃墟にはなぜか心惹かれるものがあります。子どもの頃、近所に大きな廃屋があって、中に入りこんで遊んでいたものでした。そこを基地にして少年探偵団を組織した…

:GASTON LEROUX『LE FAUTEUIL HANTÉ』(ガストン・ルルー『呪われた椅子』)

GASTON LEROUX『LE FAUTEUIL HANTÉ』(Arcadia 1999年) このArcadia版は以前にも書きましたが、CLARINEというホテルチェーンが宿泊客のために用意したと思われる叢書。本としては珍しいものだと思いますが、字が小さくて読めないので、実際に読んだのは、生…

:BÖCKLIN画集、レニエ『ヴェニス物語』(世界文庫)をオークションで

オークションで、長年探していた本を購入することができました。 一つは学生の頃から、どこかにないものかと探していたBÖCKLIN(ベックリン)の画集。具体的にどんな本がどんな出版社から出ているか調べもせず、漫然とただ待っておりました。昔はインターネ…

:原研二『グロテスクの部屋―人工洞窟と書斎のアナロギア』

原研二『グロテスクの部屋―人工洞窟と書斎のアナロギア』(作品社 1996年) グロテスク関連で読んでみました。私が「グロテスク」という言葉で思い描いていた世界に近い内容でたいへん面白く読みました。本の半分近くをおびただしい図版が占めていますが、そ…

:辻静雄の料理に関する本二冊

辻静雄『料理人の休日』(新潮文庫 1987年) 辻静雄『ヨーロッパ一等旅行』(新潮文庫 1984年) 本間千枝子の本に辻静雄について何カ所か言及があったので、本棚にあるのを見つけて読んでみました。二冊とも、ワインも出てきますが、料理に関する記述が中心…

:近所に新古書店B開店

先週末、わが家から徒歩圏内に新古書店Bが開店しました。さっそく開店セールの割引券を片手に行ってきました。駐車場も満杯で車道に車の待ち列ができるほどのにぎわい。本部役員らしきおじさんが車の誘導なんかをしてたりしました。 以前生駒の別の場所にあ…

:Alexandre Dumas『La main droite du sire de Giac et autres nouvelles』(アレクサンドル・デュマ『ジアック侯の右手ほか短編集』)

Alexandre Dumas『La main droite du sire de Giac et autres nouvelles』(Gallimard 2011年) 大阪のK書店で新刊で購入したデュマの短編集。103ページしかない薄い本です。三編収録されていますが、いずれも怪奇風味のあるものを選んでいるようです。うち…

:本間千枝子『バッカスが呼んでいる―ワイン浪漫紀行』

本間千枝子『バッカスが呼んでいる―ワイン浪漫紀行』(文藝春秋 2002年) 気楽に読める本をと思い手に取りました。飲食にまつわるエッセイをソファで寝ころびながら読むほど快適なものはありません。これに次ぐのは本(とくに古本)、音楽についての文章でしょ…

:アーサー・クレイバラー『グロテスクの系譜―英文学的考察』

アーサー・クレイバラー河野徹/上島建吉/佐野雅彦訳『グロテスクの系譜―英文学的考察』(法政大学出版局 1971年) グロテスクという言葉を知ったのはいつの頃でしたか。マーラーの交響曲2番のジャケット解説で三楽章を「グロテスクな光景」と表現しているの…

:PIERRETTE FLEUTIAUX『Métamorphoses de la reine』(ピエレット・フルティオー『女王の変身』)

/// PIERRETTE FLEUTIAUX『Métamorphoses de la reine』(GALLIMARD 1984年) 昨年パリ古本ツアーでfolio版(1990年刊)を購入しましたが、家へ帰ってから本棚を眺めていたらGallimardの初版をすでに所持していることに気づきました。国内のどこかの古本屋で買…

:オークションでほそぼそ購入

寒い時期は、外出も少なくなりまたわざわざ古本市や古本屋へ行く気もしないので、もっぱら家にこもって、オークションを眺めることになります。吝嗇な性分ゆえ競り負けることが多いですが、誰にも気づかれずにひっそりと落札できることもあります。 オーマー…

:中条省平のドールヴィイ論と翻訳『デ・トーシュの騎士』

/// 中条省平『最後のロマン主義者―バルベー・ドールヴィイの小説宇宙』(中央公論社 1992年) バルベー・ドールヴィイ中条省平訳『デ・トーシュの騎士』(ちくま文庫 2012年) いよいよフランス語の本は除いて手持ちのドールヴィイは最後となりましたが、最…

:バルベー・ドールヴィイの箴言集

バルベー・ドールヴィイ宮本孝正訳『高貴なる人々に贈る言葉』(審美社 1989年) あまり見かけない本。昨年オークションで発見しました。 ドールヴィイが最晩年に編んだ箴言集に訳者が一部追加したもの。『亡びざるもの』と同じ訳者です。 ドールヴィイの気の…

:バルベー・ドールヴィイ宮本孝正訳『亡びざるもの』

バルベー・ドールヴィイ宮本孝正訳『亡びざるもの』(国書刊行会 2005年) 久しぶりに読むのに難渋しました。フランス語の本を読んでいる場合は、意味不明で途中で断念することがあっても気になりませんが、日本語でこんなに分かりにくいとなると、少々不安に…

:CLAUDE FARRÈRE『Fumée d’Opium』(クロード・ファレール『阿片の煙』)

CLAUDE FARRÈRE『Fumée d’Opium』(PAUL OLLENDORFF 刊行年不詳) 昨年パリ古本ツアーでの購入本。立派にルリュールされた本ですが、中の印字がところどころ潰れていて、虫食い算のように文脈から想像して単語を埋めながら読みました。語学の勉強に少しはな…

:塵も積もれば山となる古本

最近は、京都三大古本市、四天王寺古本祭りを除いては、古本買いだけで外出することはなく、何かの用事の都度、古本屋かもしくは古本市を覗くことにしています。今月は何かと外出することが多く、その度ちょこちょこと買っていたら山となってきました。 先日…

:バルベイ―ドールヴィリ小島俊明訳『妻帯司祭』

バルベイ―ドールヴィリ小島俊明訳『妻帯司祭』(出帆社 1975年) 引き続き、ドールヴィイを読みました。この作品でも旺盛な語りは健在です。女性の胸元に光るメダイヨンの話から、それをよく知る人物の登場という前段があり、その男が本編を物語るという形に…

:バルベー・ドールヴィイ『魔性の女たち』関連の四冊

/// ///J・バルベー・ドールヴィイ秋山和夫訳『魔性の女たち』(国書刊行会 1975年) バルベー・ドールヴィイ渡辺義愛訳『ホイスト・ゲームのカードの裏側』(国書刊行会 1998年) バルベー・ドオルヴィリー田中榮一譯『深紅のカーテン』(大翠書院 1948年)…

:オークションで探求書を購入ほか

探求書をリストアップして持ち歩いておりますが、なかなかお目当ての本に出会うことはありません。ネット古本屋には出ていても値段が折り合わずで。 ところが今回は、オークションで、作家名を打ち込んで検索したところ、下記の二冊にヒットし競合相手が現わ…

:宇佐見英治の二冊と雑誌宇佐見英治特集一冊

/// 宇佐見英治『戦中歌集 海に叫ばむ』(砂子屋書房 1996年) 宇佐見英治『ピエールはどこにいる』(東京創元社 1957年) 「同時代 第三次第二号 特集宇佐見英治」(黒の会 1997年) 今回は宇佐見英治の若かりし頃の作品と、晩年の雑誌特集を読みました。『…

:Marcel Brion『Les miroirs et les gouffres』(マルセル・ブリヨン『鏡と深淵』)

Marcel Brion『Les miroirs et les gouffres』(Albin Michel 1968年) 昨年末から2回続きで翻訳を参照しながらのフランス書読書でしたが、今回は和訳を参照できなかったので、いい加減な読みのままになってしまいました。難しいところは適当に想像で辻褄を…

:宇佐見英治の本三冊

/// 宇佐見英治『方円漫筆』(みすず書房 1992年) 宇佐見英治『縄文の幻想』(平凡社ライブラリー 1998年) 宇佐見英治『明るさの神秘』(みすず書房 1997年) 『方円漫筆』は二回目、『明るさの神秘』にも別の本で読んだのが幾分か混じっていましたが、い…

:大塚幸男『フランスのモラリストたち』

大塚幸男『フランスのモラリストたち』(白水社 1967年) 渡辺一夫のユマニストについての文章を読んで興味が湧いてきたので、棚にあったこの本を手に取りました。箴言や含蓄のある表現が昔から好きでしたが、ここで取り上げられている人たちの本は読んだこ…

:新年初買い報告

新年は、11日まで古本を一冊も買わず平穏な日々を過ごしておりましたが、古本仲間との新年会がツイン21古本フェアに合わせてあったので、早々に古本生活に引き戻されてしまいました。 収穫と言えば、 大澤章『永遠を刻むこころ』(叢文閣、大正15年3月、300円…

:渡辺一夫の本、また二冊

/// 渡辺一夫『随筆 うらなり抄―おへその微笑』(光文社 1956年) 渡辺一夫『僕の手帖』(講談社学術文庫 1977年) また引き続いて渡辺一夫を読んでみました。今回の二冊は、一般市民向けで、とくに『うらなり抄』は西日本新聞に連載したもので、各三枚ずつ…

:ビーダーマイヤーの音楽とは?

最近コンサートへもめっきり行かなくなってしまいました。生駒市住民の私としては、昨年秋に生駒国際音楽祭へ行ったぐらいで(この時のドビュッシーの弦楽四重奏はとてもよかった)、今年はもう少し出かけようかと考えておるところです。 昨年後半は、ビーダ…