:BÖCKLIN画集、レニエ『ヴェニス物語』(世界文庫)をオークションで

 オークションで、長年探していた本を購入することができました。
 一つは学生の頃から、どこかにないものかと探していたBÖCKLIN(ベックリン)の画集。具体的にどんな本がどんな出版社から出ているか調べもせず、漫然とただ待っておりました。昔はインターネットがなかったから、簡単には分からなかったんですね。
『ARNOLD BÖCKLIN』(F.BRUCKMANN、19年、1490円)→背綴じが外れてばらばら状態だが、絵はたくさん収録されていて満足。

 次に、
アンリ・ド・レニエ草野貞之譯『ヴェニス物語』(世界文庫、昭和16年9月、1490円)
これは少々高いですが、とてもきれいな状態です。学生の頃、白水社仏蘭西文學譯註叢書の草野貞之譯註『水都を描く』は暗唱を試みたぐらい愛読したもの(当然挫折)ですが、これは同じ訳者による完訳本のようです。中を見てびっくり。ひらがな訳もあれば、カタカナ訳もあり、漢文調、るびを多用したものなど、いろんな訳し方が試みられています。また、ジャン・ルイ・ヴォオドワイエとアベル・ボナールという人のレニエ論も収録されています。

 古本市は、先週末、京橋のツイン21古本フェア初日に行ってまいりました。早く着きすぎたので、会場前の喫茶店で待機。開場時間の10分前に白い幕が取り払われたのを見て直ちに参戦。正式開場までの10分間に四冊をゲット。これはこの日の購入額の6割超。
森口多里『異端の畫家』(日本美術學院、大正10年2月、1500円)
高柳誠詩集『綾取り人』(湯川書房、85年11月、1000円)
ミロラド・バヴィチ工藤幸雄訳『ハザール事典[男性版]―夢の狩人たちの物語』(東京創元社、93年5月、1000円)
山本慶一『のぞきからくり』(私家版、昭和48年5月、300円)→私家版300部発行で珍しいものならん。第一部歴史と風俗、第二部口上集となっている。
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 その後、昼食を挟んで、二時間半ほどブラブラしましたが、長時間居た割には結局下記を買ったのみ。
高橋輝次『編集の森へ―本造りの喜怒哀楽』(北宋社、94年7月、500円)
北原白秋純情詩集』(三十書房、昭和26年8月、500円)→活字やこじんまりした本の風情が何とも言えず。
『田中冬二詩集』(思潮社、88年6月、400円)
植田祐次訳編『フランス幻想民話集』(社会思想社、83年4月、200円)
田中聡『妖怪と怨霊の日本史』(集英社新書、02年8月、200円)
とつげき東北『科学する麻雀』(講談社現代新書、04年12月、200円)→これでさらに麻雀が強くなると思うが、数式が並んでいたりするので読めるかどうか。
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 オークションでは他に、
北原白秋『薄明消息』(アルス、昭和21年5月、300円)→タイトルだけで買ったが期待外れ
西條八十/水谷まさる訳『世界童謡集』(冨山房百科文庫、91年12月、262円)
上田静栄詩集『青い翼』(國文社、57年11月、510円)