:Régnier『Esquisses Vénitiennes』(レニエ『ヴェニス風物誌』)初版入手ほか

 挿絵本熱がまだ続いています。オークションで標記の本を落札しました。
Henri de Régnier/ Maxime Dethomas挿画『Esquisses Vénitiennes』(L’ART DÉCORATIF、1906年4月、1600円)
かなり傷んで状態がよくないので安く落札できたのだと思います。ぼろぼろの状態で開くと割れてしまいそうだったので、補修をして何とか持ち直しました。マキシム・ドトマというレニエの友人が全頁に挿絵をつけていて、活字もゆったりと組んであり、なかなかの味わいです。出帆社から窪田般彌訳で出ている豪華本(76年6月刊)はこの本の体裁を再現しようとしたもののようです。その窪田般彌氏の「あとがき」によると、この本が初版で、1920年にさらに8篇を加えた再版が出ているとのことです。
学生時代、草野貞之の対訳本で冒頭の「L’illusion(幻覺)」の原文を暗唱するほど愛読した記憶があります。草野貞之による完訳本、青柳瑞穂の訳本も所持しているので、またゆっくりと原文と各対訳を比較しながら読んでみたいものです。


翻訳本

 オークションでは他に、一人の出品者から下記2点。ヘビースモーカーだったのかとてつもなく煙草の臭いが染みついていました。
J・G・ハネカー『エゴイストたち』(奢灞都館、78年7月、500円)→ボードレールユイスマンスリラダンについての評論収録。
バルザック/G・ドレ画/神西清訳『おどけ草紙』(国書刊行会、87年6月、500円)→旧版(穂高書房)も所持しているがドレの挿絵が豊富なので。
///

 恒例麻雀会のついでに、難波のT書房に立ち寄り、
福永武彦譯詩集『象牙集』(人文書院、79年6月、500円)→なかなかの美本。昨年だったか2000円でこれより汚い本を買おうとしたが、買わなくてよかった。

 人間ドックの結果に関して病院へ行った帰りに、堺筋本町T書店にて、
出口裕弘『ろまねすく』(福武書店、90年3月、410円)→昔読んだが手離した本の買い直し。
ラム戸川秋骨訳『エリア随筆』(岩波文庫、昭和43年3月、108円)

 15年前から近鉄沿線の各駅で飲み歩いている「近鉄沿線友の会」の友人と西大寺の古本屋Tにて、
渋沢青花『インド民話集』(現代教養文庫、79年10月、200円)

 訳を読み比べるのにネットで急いで取り寄せ。こういう時はネットは大変便利。
アロイジウス・ベルトラン及川茂訳『夜のガスパールレンブラント、カロー風の幻想曲』(岩波文庫、91年11月、145円)