:京都市勧業館春の大古書即売会ほか

 前回予告どおり、京都勧業館古書市の報告です。
初日に出かけましたが、今年はテレビ局の取材は見当たりませんでしたし、心なしか人出も少なかったように思います。開場時の混雑を避けて10時15分ごろ到着、古本仲間で集まったのは一名のみ。昨年と同じく通りの奥まったところにある文字どおり「京の隠れ家T寿司」での昼食をはさんで、2時半ごろまで居りました。


 勧業館古書市は値付けが高いのが難点ですが、良い本は集まっているようです。文学書を集めている店の少ない中で、A堂、K書店が健闘。下記を購入しました。
ウラジーミル・ナボコフ若島正/中田晶子訳『透明な対象』(国書刊行会、02年11月、1000円)
アラルコン桑名一博/菅愛子訳『死神の友達』(国書刊行会、91年11月、1000円)
森銑三『古い雑誌から』(文藝春秋、昭和31年7月、500円)
富田仁『読書探訪 ふらんす学の小径』(桜楓社、79年10月、500円)
沓掛良彦『詩林逍遥―枯骨閑人東西詩話』(大修館書店、99年11月、1000円)
澤田瑞穂『中国動物譚』(弘文堂、昭和53年9月、800円?)
塚本邦雄編『日本の名随筆48 香』(作品社、88年1月、500円)
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 その後河原町のBOOK-Oへ行って解散。
 ここは開店したばかりのお店、洋書の棚が充実していました。
Gaston Leroux『Le Fauteuil hanté』(Arcadia、99年6月、105円)→全集で持っているが珍しいので購入。一見リーブルドポッシュのようですが、どこかのホテルチェーン店が出資している文庫本のようです。
『ローテンブルク オプ デア タウバー 市内観光案内日本語版』(Kraichgau-Verlag、150円)

 オークションでは、下記の一点が期待以上の収穫。
「別冊かまくら春秋 想い出の堀口大學」(かまくら春秋社、昭和62年3月、340円)→富士川英郎島田謹二、窪田般彌、伊藤海彦、田村隆一、那珂太郎など錚々たる顔ぶれ、ピエール・カルダンまで寄稿している。

 ほかに雑誌類をたくさん購入しましたが、オークションで中身が分からないまま雑誌を買うのは禁物ということが分かりました。今回は安いのでいいことにしましょう。
「Cahiers des études françaises」2号から18号(終刊)まで17冊(東京女子大仏文研究室、73年11月〜89年7月、2000円)
仏蘭西文藝」創刊号/第二巻四号/六号(金星堂、昭和8年4月/昭和9年4月/6月、各150円)→六号に「霊魂秤量師」というアンドレ・モオロアの怪奇小説の冒頭部分の翻訳が収められている。単行本二種(いずれも別の翻訳者)で所持してはいるが。
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 ほか学習書一冊。
川本茂雄『高等仏文和訳演習』(大学書林、平成5年11月、800円)