2016-01-01から1年間の記事一覧

:ルバイヤート第一弾、注釈書二冊

これからルバイヤートを読んでみようと思います。いま所持している本は下記のとおり。 フィッツジェラルド訳からの重訳は、 初版:森亮訳『ルバイヤット』、井田俊隆訳『ルバイヤート』、尾形敏彦訳『ルバイヤアト』、矢野峰人訳「四行詩集」(『ルバイヤー…

:金子民雄『ルバイヤートの謎』

金子民雄『ルバイヤートの謎―ペルシア詩が誘う考古の世界』(集英社新書 2016年) 珍しく新刊を読みました。出かける時に軽い本をと鞄に入れたのがきっかけです。すでに知っているような話が三分の一はありました。新書なので、ルバイヤートを初めて知る人の…

:ピエール・ルイスの評伝

沓掛良彦『エロスの祭司―評伝ピエール・ルイス』(水声社 2003年) 『黒い瞳のエロス』を読んで、ピエール・ルイスの人物像に興味が湧いたので読んでみました。536頁にもなる大部の本で、横になって読むことが多いので腕が疲れました。 著者はフランス文学は…

:ドミニク・ボナ『黒い瞳のエロス』

ドミニク・ボナ川瀬武夫/北村喜久子訳『黒い瞳のエロス―ベル・エポックの三姉妹』(筑摩書房 1993年) アンリ・ド・レニエの周辺情報が満載されているようなので読みました。レニエが出入りした文学サロンの主宰エレディアの娘三姉妹を中心とした評伝です。…

:ジョルジュ・プーレ二冊

/// ジョルジュ・プーレ金子博訳『三つのロマン的神話学試論』(審美社 1975年) ジョルジュ・プーレ近藤晴彦訳『詩と円環』(審美社 1973年) 両冊とも大昔から持っていて、読んでなかった本。プーレは他に『人間的時間の研究』というのを持っていたはずだ…

:Camille Lemonnier『Un mâle』(カミーユ・ルモニエ『雄』)

Camille Lemonnier『Un mâle』(Jacques Antoine 1977年) 生田耕作旧蔵書。この本を買ったとき同じ著者の『L’HOMME EN AMOUR』というのも買って、それが「デカダン叢書」の一冊だったので、世紀末の雰囲気を期待して読みましたが、結果は期待外れと言うしか…

:下鴨納涼古本まつりと阪神夏の古書ノ市

本日は、酷暑のなか、下鴨古本まつりの初日に行ってまいりました。歳とともに徐々に買う意欲も減退し、収穫らしきものも少なくなってきました。ここ数年で最少の購入点数となりました。 10時オープンの30分前に会場に到着。場内をうろうろしビニールのカバー…

:ルイ・カザミヤン『象徴主義と英詩』

ルイ・カザミヤン岡本昌夫/竹園了元訳『象徴主義と英詩』(松柏社 1965年) デ・ラ・メアの「耳を澄ますものたち」が象徴主義的な作品として取り上げられているのを見つけ、他の所も面白そうなので読んでみました。著者はフランス人で、ソルボンヌの英文学の…

:デ・ラ・メア評伝

新里文八郎『DE LA MARE』(研究社 1935年) デ・ラ・メアをずっと読んできましたが、このあたりで一応の締めくくり。デ・ラ・メアの評伝と作品紹介の本です。研究社の「英米文學評傳叢書」の一冊。この叢書は10数冊ほど所持していますが、古本を手あたり次…

:デ・ラ・メアの短篇、続き

/// /// 紀田順一郎訳「運命」(「幻想と怪奇2号 吸血鬼特集」) 吉良松夫訳注『老獅子号』(英宝社 1971年) 脇明子訳『九つの銅貨』(福音館書店 2009年):「チーズのお日さま」「九つの銅貨」「ウォリックシャーの眠り小僧」「ルーシー」 河野一郎訳『魔…

:デ・ラ・メア『魔法のジャケット』ほか

オークションでは、下記。デ・ラ・メア買いがまだ続いています。『夜の歌』『闇と光』ともに珍しいものだとは思う。 デ・ラ・メア河野一郎訳『魔法のジャケット』(旺文社、77年7月、40円) 菱山修三詩集『夜の歌』(ちまた書房、昭和21年8月、300円) 上田…

:デ・ラ・メアの詩三冊

/// ウォールター・デラメア村松眞一訳『耳を澄ますものたち他』(沖積舎 2012年) ウォルター・デ・ラ・メアまさき・るりこ訳『孔雀のパイ』(瑞雲舎 2011年) W.デ・ラ・メア荒俣宏訳『妖精詩集』(ちくま文庫 1988年) 読んだ順番。すべて2回ずつ読みまし…

:ÉMILE HENRIOT『Le diable À L’HÔTEL ou les plaisirs imaginaires』(エミール・アンリオ『ホテルにいる悪魔―夢見る喜び』)

ÉMILE HENRIOT『Le diable À L’HÔTEL ou les plaisirs imaginaires』(PLON 1950年) 生田耕作旧蔵書。「diable(悪魔)」という言葉に惹きつけられて買った一冊。初版は1920年。なかなか楽しく読むことができました。1920年というと第一次世界大戦の直後な…

:デ・ラ・メア『ヘンリー・ブロッケン』

W・デ・ラ・メア鈴木耀之介訳『ヘンリー・ブロッケン―豊かで不思議な、想像を絶するロマンスの領域におけるその旅と冒険』(国書刊行会 1984年) デ・ラ・メアの最初の長篇小説で、31歳の時の作品。この本は珍しい造りで、本作は半分強の180頁、残りに80頁ほ…

:デ・ラ・メアを中心に購入

デ・ラ・メアを集中的に読んでいますが、持ってない本もたくさんあるので、慌てて発注しました。そういう場合は、ネット古書店のAが便利で、大体のものは揃いますし、発注して2、3日で届きます。読むだけなら蔵書にしておく必要はないと言えるでしょう。 W・…

:W・デ・ラ・メア『魔女の箒』

W・デ・ラ・メア脇明子訳『魔女の箒』(国書刊行会 1975年) 長らく死蔵していた一冊。この本には、短篇3篇「オランダ・チーズ」、「魔女の箒」、「訪れ」と長篇「三匹の高貴な猿」が収められています。 短篇では「オランダ・チーズ」がもっとも佳品。主人…

:デ・ラ・メアの短篇小説

/ / / W・デ・ラ・メア柿崎亮訳『デ・ラ・メア幻想短篇集』(国書刊行会 2008年) ウォルター・デ・ラ・メア: 鈴木説子訳「トランペット」(『怪奇幻想の文学Ⅵ 啓示と奇蹟』新人物往来社刊所収) 伊藤欣二訳「桶」(『現代イギリス幻想小説』白水社刊所収…

:Philippe Jullian『LES MAUVAIS PAUVRES』(フィリップ・ジュリアン『たちの悪い貧乏人』)

Philippe Jullian『LES MAUVAIS PAUVRES』(Olivier Orban 1985年) 生田耕作旧蔵書。著者については、長らく評論家と思っていましたが、5,6年前東京古書会館の洋書市でこの本を見つけて、はじめて小説も書いていると知りました。Ghislain de Diesbachによる…

:W・デ・ラ・メア『死者の誘い』

W・デ・ラ・メア田中西二郎訳『死者の誘い』(創元社 1958年) デ・ラ・メアを続けて読みたいと思います。学生の頃に買ったものですが、読んだ記憶がないし、読後の日付も書いていないので、途中で投げ出したか、読んでいないかです。新書版の世界恐怖小説全…

:古本買い欲減退か

何度も書くことですが、歳とともに、本に対する好奇心も所有欲も薄れてきたと見えて、なかなか本を買うところまで行かなくなりました。以前は安ければ手あたり次第といった感じでしたが。この調子だと、ブログのタイトルも「古本ときどき音楽」から「ときど…

:W・デ・ラ・メア『恋のお守り』

W・デ・ラ・メア橋本槇矩訳『恋のお守り』(旺文社文庫 1981年) デ・ラ・メアの短篇小説を10編収めています。とくに気に入った作品は、「クルー」、「奇妙な店」、「オール・ハロウズ大聖堂」の3篇。「恋のお守り」というタイトルと表紙の絵から、ファンタ…

:バシュメット&モスクワ・ソロイスツのコンサート

/// 久しぶりに音楽の話題。先週10日にいずみホールであった標記コンサートがなかなか面白かったので書いてみます。最前列に座ったので音が大きくはっきり聞こえ、とくに低弦の音がお腹の底にずんずんと響いて心地よいひと時が過ごせました。 お目当てはパガ…

:『罵倒文学史―19世紀フランス作家の噂の真相』

アンヌ・ボケル+エティエンヌ・ケルン石橋正孝訳『罵倒文学史―19世紀フランス作家の噂の真相』(東洋書林 2011年) 象徴主義も含めた文学史で気楽に読める本をと取り出しました。案の定、作家たちのいろんな逸話が収められていて、読んでいる間とても楽しい…

:ヴェルレエヌ『呪はれた詩人達』

ヴェルレエヌ鈴木信太郎譯『呪はれた詩人達』(創元社 1951年) 象徴主義シリーズ。いよいよ大御所の本を取り出してみました。当然学生時分に読んでるはずの本ですが、買ったのもつい10年ぐらい前の話。「呪われた詩人達」として、ランボー、マラルメ、ヴェ…

:MAURICE MAGRE『LE MYSTÈRE DU TIGRE』(モーリス・マーグル『虎奇縁』)

MAURICE MAGRE『LE MYSTÈRE DU TIGRE』(ALBIN MICHEL 1927年) このブログにときどきコメントを頂いているティグル・モリオンさんのお勧めで、読んでみました。邦題もモリオンさんのをそのままいただきました。というのは「虎の神秘」や「虎の秘密」では少…

:象徴主義に関する二冊

/// チャールズ・チャドウィック倉智恒夫訳『象徴主義』(研究社 1972年) アルベール=マリ・シュミット清水茂/窪田般彌訳『象徴主義―マラルメからシュールレアリスムまで』(白水社 1992年) これだけ続けて象徴主義関連の本を読んでくると、いささか食傷…

:「フランス文学講座5 詩」

阿部良雄他「フランス文学講座5 詩」(大修館書店 1979年) それぞれの分野の専門家9名の執筆陣による510ページの大著。中世からバロック、古典主義から高踏派、象徴派以降でそれぞれ単行本になるぐらいの充実度で、新書版にくらべて読み応えがありました。…

:興味の範囲がだんだん狭くなってきた

大きな古本市が二つ連続した後は、ほそぼそと購入しています。最近は、購入の範囲が狭まってきたように思います。置く場所の問題もあると思いますが、やはり残り時間の短くなった歳のせいかと。大昔は自然科学の本までも買っていたのに。この10年前ぐらいま…

:ルネ・ラルー『フランス詩の歩み』

ルネ・ラルー小松清/武者小路実光訳『フランス詩の歩み』(文庫クセジュ 1979年) クセジュ文庫のフランス詩関連本は、以前、『フランス詩法』と『フランス詩の歴史』とを読みこのブログでも取り上げました(2011年2月6日記事参照http://d.hatena.ne.jp/ikom…

:窪田般彌編『現代フランス詩論大系』

窪田般彌編『現代フランス詩論大系』(思潮社 1977年) アポリネール以降24人の詩人の詩論を集めています。ずっと読まずに置いておいた本。読む前から難しそうに思えたし、字が詰まっている感じがして敬遠しておりました。案の定、人によっては何を言おうと…