:興味の範囲がだんだん狭くなってきた

 大きな古本市が二つ連続した後は、ほそぼそと購入しています。最近は、購入の範囲が狭まってきたように思います。置く場所の問題もあると思いますが、やはり残り時間の短くなった歳のせいかと。大昔は自然科学の本までも買っていたのに。この10年前ぐらいまでは、人文社会、歴史、文学書、音楽書、酒など何でも。小説も国内外すべての作品、ミステリー、冒険小説、幻想小説、詩、少しでも面白そうな本があれば手あたり次第に買っていましたが、いまは直近に関心のある分野に限定されつつあるようです。国ではフランス、時代なら世紀末〜1920年代、ジャンルは詩か小説か、小説なら幻想・迷宮・奇想的なもの。頭がどんどん硬直しつつある感じです。


 オークションでは。
巽孝之メタフィクションの思想』(ちくま学芸文庫、01年3月、600円)→所持している『メタフィクションの謀略』とほとんど同一。W買いの一種か。
堀田周一譯『プルウスト随筆―仏蘭西文學集記』(森彩雲堂、昭和5年1月、800円)→著者は「仏蘭西文學」同人のようで、プルウストの随筆以外に、20世紀初頭のいろんな作家の文章が訳されている。「ヴォドワイエの作品」というのが気になって購入。
川路柳虹詩集』(新潮社、大正10年5月、810円)→象徴主義的傾向の強い初期の詩集二冊を含む三冊から抜粋したもの。すでに持っている新潮文庫の『川路柳虹集』とは別物だったので一安心。
樹下節訳編『近代ロシア詩集』(角川文庫、昭和42年1月、279円)→あまり見かけない本。ロシア象徴主義の詩が読めるかと期待して。ソログープ1篇、ギッピウス3篇、ソロヴィヨフ1篇、ブロク13篇、ブリューソフ4篇。
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 会社OB麻雀会の後で寄った難波のT書店にて。
高階秀爾『世紀末の美神たち』(集英社、89年4月、270円)→ジュディット・ゴーチェについて1章設けられていたので。

 大阪へ出る用事があり、久しぶりに行った天神橋のT書店にて。
高貝弘也『子葉声韻』(思潮社、08年10月、480円)→短詩の魅力が全開。新鮮で独創的。
マブソン・ローラン『詩としての俳諧俳諧としての詩―一茶・クローデル・国際ハイク』(永田書房、05年4月、1200円)→クローデル『百扇帖』『日本短詩集』についてが半分ほど。
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 大阪市内へ折り畳み自転車をメンテナンスに出し、昨日引き取りに行ったついでに、その自転車に乗って谷町古書会館の月いち古書即売会へ。ぼろぼろの函なし本で所持している森田草平譯『千一夜物語』の函入り美本が4冊揃っていて買いなおそうかとも思いましたが、自転車を担いで電車に乗らないといけなかったので、諦めました。購入本はすべてY書房の出品。
ヴァレリイ原詩アラン註釋矢内原伊作/原亨吉譯『若きパルク』(角川書店、昭和29年10月、800円)→注釈がなければ分からない詩というのも困ったものだ。
フランシス・ジャム市原豊太譯『クララ・デレブウズ』(鎌倉文庫、昭和22年10月、300円)
マリオ・バルガス=リョサ西村英一郎訳『継母礼讃』(中公文庫、12年10月、300円)
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